炭化ケイ素(SiC)繊維 (2018.1.16)
□ 航空業界の将来を左右する新素材「SiC繊維  日本カーボンと宇部興産しか作れない   [2018年1月16日 東洋経済ONLINE]   日本発の新素材が航空業界の将来をも左右しそうだ。その新素材とは炭化ケイ素(SiC)繊維。   炭素とケイ素の化合物を繊維化したものだが、軽量かつ高強度で、耐熱性にも優れている。   SiC繊維を作るには炭素とケイ素を結合させた繊維状の物質を焼き固めなくてはならないが、   焼き固める前の段階では飴細工のようにもろく、ほんの少しの刺激で粉状に砕けてしまう。   しかも、温度条件に過敏に反応するので同じ品質のものを作ることが難しい。   世界で製造できるのは日本カーボンと宇部興産の2社だけで、米国化学大手ダウケミカルや   米国ガラス大手コーニングなどは途中で開発を断念した。    全文  [以下、本文から部分的に抜粋]   燃費改善には航空機を軽量化する必要があり、翼や胴体部分では従来のアルミ合金から炭素繊維への置き換えが進んでいる。   たとえば欧州エアバス「A350XWB」では、機体の53%に炭素繊維が使用されている。   しかし、飛行機のエンジン部分は飛行中に1300度を超えるため炭素繊維は使用できず、ニッケル合金が使用されている。   このニッケル合金の代替として期待されている素材がSiC繊維だ。   SiC繊維はニッケル合金と比べて重さが3分の1で強度は2倍、耐熱温度が1800〜2000度と高い。   ニッケル合金を使用したエンジンは外から取り込んだ空気で冷やさなくてはならないが、SiC繊維を使用したエンジンは   空冷の必要がない。そこで、取り込んだ空気を推進力として活用できる。   SiC繊維の問題は価格が高いこと。炭素繊維は1キログラム当たり3000〜1万円だが、SiC繊維は炭素繊維の約100倍。しかし、   航空機の燃費改善は避けられない課題であり、需要拡大は間違いない。
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