内科・小児科・漢方・栄養療法 まゆき会 菊池クリニックのヘルスコントロール通信

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12.糖質制限中に起きる好ましくない症状・変化

 

1.全身倦怠感、筋力低下、気力低下

血糖値やA1Cは低下したが、全身倦怠感、筋力低下、気力低下、ふらつき、痩せ過ぎ、髪の毛が抜けるなどの症状が現れた場合。

これは、摂取カロリー不足の可能性が高い。糖質制限はカロリー制限ではないので、たんぱく質やよい脂質を十分に摂取する。

 

1.こむら返り

糖質制限食実践中に比較的よくある症状に「こむら返り」が ある。

およそ、10人に1~2人くらい。

これは、カルシウムやマグネシウム、カリウム、ナトリウムなどのミネラル欠乏や脱水の可能性が高い。

カルシウムの多い食品:乳製品・干しエビ・小魚・海藻・緑黄色野菜。

マグネシウムの多い食品:大豆製品・魚介類・海藻・ゴマ・ナッツ類・濃緑野菜。

脱水症状:糖質制限を行う時は、水を十分に飲むように心がける。

糖質制限中に、水分は十分飲んでいるのにこむら返りを生じやすくなったら、カルシウム・マグネシウムのサプリメントを服用してみる。電解質に異常がない場合は、「芍薬甘草湯」という漢方薬も有効である。

運動量の多い人は、予防的にカルシウムやマグネシウムのサプリメントを内服する

 

3.高尿酸血症

いわゆる「スーパー糖質制限食」実践中に、尿酸値が上がる場合がある。

逆に尿酸値が基準値に入る人もいる。今までに痛風発作を起こしたことのない人は、それほど心配することはない。

尿酸上昇の要因としては「 1.ストレス 2.肥満、 3.大量の飲酒、 4.激しい運動、5.プリン体や果糖の摂りすぎ の順だという。

飲酒する人は、まず飲酒量を減らし、水分摂取量を増やしてみることもよい。

果糖の過剰摂取で尿酸が上昇する場合があるので、果物の摂取を控えてみる。

 

4.高LDL血症(いわゆる悪玉コレステロールの上昇)

糖質制限食を行うと、中性脂肪は下がりHDL(いわゆる善玉)は増加する人が多い。LDLに関しては、<低下・不変・増加>の3パターンがある。

コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、性ホルモンやビタミンD,コエンザイムQ10などの材料でもある。 肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されている。 摂取食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、食事からの摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が減少する。糖質制限を23年続けるとLDLも安定することが多いとされる。

心臓病などがない場合は、一般にLDL190㎎くらいまでは経過をみてもよい。しかし糖尿病の人で高血圧があり、動脈硬化のリスクが高い人は、「抗動脈硬化療法」の一環として下げる場合もある。

糖質制限を開始してLDLが上がった人には、「ゼチーア」という薬が著効し、通常の半量程度で低下することが多い。

 

5.便秘

食習慣が変化することにより腸内細菌叢が変化し、便通に変化が生じることがある。

摂取エネルギー不足や食物繊維不足でも便秘になるので、たんぱく質や脂質、海藻やきのこ類、でんぷんの少ない野菜を十分に食べているか振り返る。3か月から半年で便通が元の戻ることが多いが、乳酸菌やビフィズス菌、酸化マグネシウムの緩下剤を用いる場合もある。主食を半分から3分の1に減らす「ゆるやかな糖質制限」を行っている場合は、ご飯を炊く時にもち麦を米の3分の1程度加えてみる。

 


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