「時間がない。ネタもない。こんな今のボクがシナリオを作るにはどうしたらいいんでしょう?」
弟子 質問くれた『CRW』さん…マスターなんか引きうけるなよ。
GM ふっ。若いな小僧。時にはこのような状況になるのはやむをえん事なのだ。
弟子 小僧って…
GM 時間もネタもない時にマスターをしなければならない。長年ゲームマスターをやってきたものなら誰もが通る苦難の道じゃ。
弟子 ただ単に師匠と師匠の友達がズボラな人だけだったんじゃないの。
GM (弟子をポカポカ殴る)自覚があるだけに腹が立つ。
弟子 酷い…
GM さて、このような時の方法は二つ。「アドリブシナリオ」と「カスタマイズシナリオ」じゃ。「アドリブ〜」は時間のない時「カスタマイズ〜」はネタのない時に有効な方法じゃ。
弟子 アドリブシナリオってあの、なんにも考えないでやるシナリオの事?
GM 違う。いいか、実際ちゃんとアドリブシナリオを成功させるのは
アドリブシナリオ 間違えている奴もいるかもしれないが、なにも考えないで脊椎反射でするセッションではないぞ。シナリオを考えた時、一番時間のかかる細部を考えないで、大まかなプロットのみで行うセッションのことだ。 |
弟子 へ〜。アドリブシナリオってそうなんだ。
GM まあ、詳しい話は後で話そう。
弟子 ふむ…
GM 次はカスタマイズシナリオじゃな。
カスタマイズシナリオ これは簡単、昔作ったシナリオをちょっと変えて使おう。ということ。 |
弟子 前に使ったシナリオ使うだけ?
GM ま、あっさりばらすとそうだな。
弟子 シナリオの使いまわしか〜
GM ふっ。その考えがお前を未熟なマスターにするのじゃ。よいか一回使ったシナリオというのは実は『すでにテストプレイを終えた』シナリオになるんじゃよ。
弟子 まあ…そう言う見方もある。
GM もちろん、そのまま使うのは具の骨頂。適度に手を加えるのとよりよくなるぞ。
弟子 手を加えるって…モンスター変えるとか?
GM もちろんそれもある。他にも「真相をまったく逆にする」といった方法がある。
弟子 真相を逆??「村を襲うゴブリンを退治する」の逆は「ゴブリンを襲う村人を退治する」?何を血迷っているんだ村人は?
GM 血迷っているのはお前の頭じゃ。簡単な例をあげれば「PCへの依頼に裏がある」という仮定の元でシナリオを作り変えるのじゃ。先のゴブリン退治なら「ゴブリンの洞窟が実はかつての邪神の神殿跡で、村長さんは実は邪神の信者であった。」という形にする。
弟子 おや?悪者が村長さんになったぞ。
GM 他にも、「実は生贄の儀式でPCを村人の変わりに捧げてる」とか「実は過疎化の進んだ村が若い血筋を入れようと画策。ゴブリン退治後の宴会で各PCにあの手この手の手練手管…」などと、少し手を加えれば元のシナリオの原型がなくなってしまう程にかつてのシナリオが様変わりするのじゃ。
弟子 フムフム、依頼に裏をつけるのか…
GM 他にもこんな感じの方法がある。
1) 後日談シナリオ これは簡単じゃな。そのシナリオはホントにそこで解決したか?逃げ出したザコ敵が他で悪さをしてないか?逆恨みでPCを恨む敵の復讐劇はおこらないか?護衛していた依頼人が次にどんな厄介事に巻き込まれるか。パート2とか銘打ってシナリオを作れないかな? |
2) 二つのシナリオをくみ合わせる。 二つのシナリオをくみ合わせるのじゃ。同じダンジョンシナリオなら目的をAシナリオから、行程やイベントをBシナリオから。導入は適当に、所々にお互いのシナリオのスパイスを振りかければ出来あがりじゃ。矛盾しないように新しい設定を加えれば、それはもう別のシナリオになるじゃろう。 |
3) NPCのたらい回し 個性的なNPCを出さなかったか?たった一回の出演では惜しい個性豊かなNPC達を見逃すわけにはいかん。変人の結婚話から、高齢魔術師のボケ&失踪に至るまで。個性豊かならその性格・背景情報にはシナリオソースが一杯じゃ。 |
4) もう一つの真相 そのシナリオの真相はホントにそれだけしかないかな?別の目的を作ったらどうだろう?退治する賞金首はホントに悪者か?もしかしたら、悪い貴族にだまされて、濡れ衣を着せられただけかもしれないぞ。先の例で述べた『依頼には裏がある』タイプと同じじゃ。もちろん、『ゴブリンに魔法の杖を奪われて取り返してくれと依頼。そして奇想奇天烈な魔法を使うゴブリンとの悪戦苦闘』という程度の追加でシナリオは様変わりじゃ。 |
弟子 ふ〜〜ん。色々あるね。
GM どうじゃ勉強になったじゃろ。
弟子 そうだね。ようは『シナリオ作れないマスターのヤケクソ技』って事なんだと学んだよ。
GM んが…
弟子 こんな色々考えたってことは師匠のシナリオプロットの泉はもうネタ切れだね。こんな小手先の技術は使わず、これからは若いボクのアイデアでシナリオを作るよ。
GM お・ま・え・は・い・っ・た・い…なにを聞いてたんじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
(弟子光になる)