「シナリオバランスの取り方を教えてください。」
弟子 これは「Ｅ・Ｒ」さんからの質問だけど、シナリオバランスってなに？
ＧＭ …そこまで愚かだと、怒るを通り越して哀れになる…
弟子 言葉は聞いたことあるけど、詳しい内容は知らないだけだよ。
ＧＭ ふむ…まあ、漠然とした印象が強いな。よし、ではまずシナリオバランスというのが大まかに分けてどんなものがあるか教えてやろう。
１） 戦力バランス
２） シナリオ時間のバランス
３） シナリオ自体のバランス
ＧＭ まあ、おおまかにわけてこんなものか…
弟子 あ。そっか、戦力バランスって言うのは敵モンスターの強さの事だね。
ＧＭ うむ、そうじゃ。もちろんそれだけではない。
| １） 戦力バランス これはＰＣの敵の戦力とのバランスだ。強すぎてはまずいし、もちろん弱すぎても問題じゃ。もちろん、敵の数だってこれに含まれる。高レベル戦士だって10000匹のゴブリンと戦って勝てるとは思わんじゃろう。 これの基準じゃが、大抵のゲームは敵の『レベル』設定や、強さの『基準値』が設定されている。これに、ＰＣのレベルで基準を設けるといいじゃろう。 ボス敵をＰＣの戦士のレベル１〜２レベル（ランク）高いくらいで設定すれば、苦戦するはずじゃ。もちろんザコ敵も忘れるなよ。 雑魚戦なら前線で戦えるＰＣと同数がベストじゃ。魔法使いが「応援する」くらいの余裕あるの敵戦力で、迅速に倒したい時などに魔法をかけると楽勝になる程度で設定するのがいいじゃろう。 |
| ２） シナリオ時間のバランス セッション時間一つが10時間。ＧＭもプレイヤーもやる気をなくすじゃろう。キャンペーンになったら…考えるのも恐ろしい… たいがいのマスターは、それぞれのシナリオの場面の所要時間を考えているはずじゃ。とはいえ脱線する事がしばしばのプレイヤーでは、その所要時間が大幅に変わる時もある。（時には率先してＧＭが脱線するといったりな） かと言って、シナリオを短くすると、さっさと終わってしまい暇な時間が出来たりもする。これでは本末転倒じゃ。 そこで簡単にセッション時間をコントロールするのが二つ。「サブイベント」と「付加削除戦闘」じゃ。 |
| 『サブイベント』 ダンジョンシナリオなら、ダンジョンまでの行程に、シティシナリオなら情報収集時に、シナリオと関係のない（関係あってもよい）イベントを用意する。ポイントは「サブイベントがなくてもシナリオ進行にほとんど関係ない」という点じゃ。 これは後々のシナリオのネタにもなる。「ゴロツキにからまれていた人を助けたら、その人から依頼がきた」とかな。 もちろん、そのシナリオと関連つけても問題ないぞ。だが『イベントを起こさない可能性もある』事を考慮に入れておくのじゃぞ。重要情報を持たせてもイベント自体が起こらなくて話が進まないなどという事のないよう注意するのじゃ。 |
| 『付加削除戦闘』 これは簡単。戦闘回数を増やすだけの事じゃ。セッション進行時間を見て、ダンジョン内のザコ敵を増やしたり、足止め訳の邪魔者を追加するのじゃ。『ワンダリングモンスターチェック』なんて面倒なシステムは最近のゲームにはないため、このような形で「巡回中の衛兵」や「移動中のゴブリン」など『不測の事態』を演出するのもいいかもしれんぞ。 |
| ３） シナリオ自体のバランス 「導入が長いわりには内容が薄い」「行程が壮大なわりに結末がショボイ」といったシナリオを、誰しも一度は経験した事があるじゃろう。 これに対する対策は、『テストプレイ』を行うしかない。 それが無理なら残念な事じゃが『シナリオをよく練る』といった形で予防するしかない。ストーリーに矛盾はないか？ＰＣに与える情報は少なくないか？シナリオ進行の展開にＰＣはちゃんとついてこれるか？などいたって普通のことじゃ。 もしもここで行き詰まった時は、基本に戻ってみる事をすすめるぞ。『ゴブリン退治』などのシナリオバランスは完璧じゃ。『依頼』―『洞窟までの行程、洞窟内の探索』―『ボスゴブリンとの戦闘』まさに王道。一部もスキがない。 |
ＧＭ と、まあこのように、シナリオのバランスというのは様々な形を取っておるからな。ＰＣに与える財宝から、はては時代設定まで。これらを完璧に網羅するのは無理じゃが漠然と感じる事は可能じゃろう。この辺は経験じゃ。熟練マスターのセッションが楽しいのは、マスター自身その辺の配分を知っているからじゃ。なにごとも経験。精進精進である。
弟子 つまりは未熟者はマスターなんぞするなという事ですね。
ＧＭ おい、それでどうやって経験をつむつもりじゃ？
弟子 他にはないのかな？
ＧＭ 他に？どんな方法がある？
弟子 こっそりマスターのシナリオを見て…あ、セッション前に見ればシナリオの真相もＰＣは無理なく理解できるぞ。早速実践してみよう。
ＧＭ アホか！！プレイヤーがこれからやるシナリオを見てどうするんじゃ！！光になれい！！！
（弟子光になる）