新米領主の従者たち
第一話 「冒険者の店を開店する手段」




GM さて、自己紹介からどうぞ。

PL1(以後、フレイス) はい。フレイス・ド・マイヤーです。人間で22歳の男です。童顔で新領主に顔が似ています。《陰影領》ゴラからの逃亡者奴隷で、影武者としてスカウトされてここに来ています。ルロウドの神官戦士です。

GM ほうほう。

フレイス 逃げる際に紋章の入った盾を盗んでいたり、着ている鎧がクロースだったりしますが、
特筆すべきところはドMです。

GM 
そこまであって、特筆するのがそこかい。(笑)

(一同笑)

PL2(以後、リゼット) 名前はリゼット・ゴーティエ。《鉄殻領》オースティの豪農の子女で、《紫壁領》に留学していたところ、遊学中のエリックに一目ぼれしてついてきました。

フレイス いきなり追っかけなの!?

リゼット 行動力あふれる元冒険者の母がいて、その血をついでいます。軽戦士(フェンサー)でマギテックを使う魔法戦士です。

GM 了解。領主のエリックと絡むのね。

リゼット (フレイスを見て)
あっちがドMなので、ドSキャラにします。(笑)

GM (内心:なんか、プレイヤーがすごいうれしそうだ)

リゼット なので、毒舌を吐くのは母親譲りです。

(一同笑)

PL3(以後、ノル) キャラクター名はノルといいます。ミアキスのグラップラーで10歳。

リゼット 10歳?

ノル ミアキスは猫人間で成人年齢が若いのです。10歳の少年です。生まれで妖精使いだったのでフェアリーテイマーの技能も持っています。

GM (内心:何気に全員魔法使えるんだな…)

ノル 生まれは、《奇獣領》マミルです。ここの領主が動物好きで、そこで飼われている動物の一匹でした。が、経歴で『特定の色が嫌い』と出たため、マミルの領主のリルドラケンの鱗の色であるワインレッドが大嫌いなので、逃げてきました。

(一同笑)

ノル で、飛び出した挙句、行き倒れたところを遊学中のエリックに拾われて、アシャブまで連れてこられました。それなりに恩義は感じています。

フレイス 
それなりにかよ。もっと恩義感じろよ。(笑)

ノル 一応、普段は帽子をかぶっているのでミアキスの猫耳は隠しています。


GM では、最後。今回のみのゲストキャラになりますが、自己紹介をどうぞ。

PL4(以後ギムレット) 名前はギムレットです。狩人生まれの人間の23歳の男性です。技能がシューター、スカウト、セージ、ウォーリーダー、アルケミストと、Bテーブルのみの技能構成をしています。

(※ゲストということで経験+3000点でキャラを作成してもらっています。)

リゼット Bテーブルオンリーですか。

ギムレット 今回のみだから、
下手にパーティーの命綱になるようなキャラは出来ないだろうと、趣味全開でつくりました。

GM 一応、シナリオの都合で、青雀領にいた先輩冒険者の一人ということでお願いします。

ギムレット 兄が冒険者で、それについてきて冒険者になりますた。とはいえ、便利アイテム扱いでBテーブルの踊り食い。

GM アイテム扱いかい。

ギムレット しかも、戦闘力が低いので冒険に忘れられる。というか、気がついたらおいていかれている。(笑)

リゼット ヒドイ(笑)

(一同笑)

GM では、自己紹介も終わったところでシナリオを始めましょう。よろしくお願いします。

一同 お願いしま〜す。



GM では、ギムレットさん以外の3人です。

ギムレット 早速おいていかれた。(笑)

GM しかたないのよ。さて、現在君たちは《青雀領》アシャブの領主の館にいます。ここは、混乱の真っ只中といってよい状況です。先代が戦死し、遊学中の一人息子のエリックが戻って来ており、なんとか領地は形になったものの、軍事力はほぼ壊滅状態。全兵力を集めて、ようやくこの城塞都市アシャブを守れる程度です。これが、ここ1ヶ月に起こったことです。

リゼット エリックとは会えるんですか?

GM エリック君は遊学中帝王学をまったく学んでいなかったことが判明し、現在カンズメ&スパルタで勉強中です。彼の母親であるアンジェリカが、後見人として旗印になっていますが、彼女も領地経営は素人です。

リゼット 
領地経営なら私が教えて差し上げますわ。ノーブル技能3レベルで

ノル そ
れって、素人からようやく抜け出したレベルですよ…

(一同笑)

GM さて、君たちは領主の館で客人待遇で生活していましたが、1週間ほどすると、一人のドワーフが入ってきます。この館の家令でアシャブの内政もしているハボニムさんです。

ハボニム 「長いこと暇にさせて悪かった。こちらもいろいろ忙しくてね。」

ノル いえいえ、お気になさらずに。

リゼット ご飯大変おいしかったです。

ハボニム 「ありがとう。さて、今日は君たちにお願いしたい事がある。」

GM 話を要約すると、この《青雀領》には冒険者の店が1軒ありました。『たなびく戦旗』亭と呼ばれる店です。

リゼット 名前かっこいいな。

ノル "ありました"?

GM はい。実は戦死した先代領主フレオリックの最後の突撃の際、
一緒に突撃して壮絶な最後を迎えております。

フレイス 
ちょっとがんばりすぎたわけだな(笑)

GM そんなわけで、冒険者の店は現在休業中です。しかし、現在の青雀領において、細かいトラブルを解決する冒険者の店を、廃業させるわけにはいきません。そこで、冒険者の店を再建させる必要がある。そこで君たちの出番です。

フレイス 料理技能ならもっています。

リゼット 一般技能!?

GM いえ、君たちが冒険者の店を経営するわけではありません。要するに代わりの店長を探してきてほしい。ハボニムさんは言葉を続けます。

ハボニム 「君たちは、エリック様の腹心として、冒険者として活動し、名声を高めてもらいたい。そのために、君たちが望む店長を見つけてきてほしい。」

フレイス そういわれても、誰か候補者はいないの?

ハボニム 「残念だが、私には冒険者の店の店長候補というのは皆目見当もつかん。前の店長の横のつながりを当たってみてはどうだろうか。」

GM そういうと、一人の衛兵を紹介する。

ハボニム 「『たなびく戦旗』亭を調べるに当たり、衛兵を一人つける。泥棒と間違われて通報されたくないだろう。」

ノル 衛兵の名前は?

GM フレッチェ君。16歳。


ノル 
はい。(メモメモ)

GM 
得意技は棍棒でケツバットです。

(一同爆笑)

リゼット 
でで〜ん♪○○アウトー!って、年末じゃないんだから。(笑)

ノル オッケイ。フレッチェ、男、16歳、棍棒でケツバット(笑)

GM 軽犯罪とか法的措置が面倒なレベルは、個人裁量で罰を与えるので、とりあえずケツバット。そういう衛兵です。

フレイス 
ここにはドMかドSしかいないのか(笑)

GM 行く前にハボニムさんは君たちに言います。

ハボニム 「候補が見つかったら、一度戻ってきてください。渡すべきものがありますので。」

GM そういうと、君たちを送り出してくれます。



ノル では、とりあえず店に行って帳簿とかあさって、店長候補を探しましょう。

GM はいはい。《青雀領》アシャブで唯一人の定住している都市が城塞都市アシャブです。その街の大通りから一本離れた場所に『たなびく戦旗』亭はあります。角地にある二階建ての建物で裏には小さな庭もあります。表の扉の上には『たなびく戦旗』の文字と、風にたなびく旗の看板が出ています。

リゼット 『たなびく戦旗』亭か…店長戦死って名前負けよね。

GM 
"たなびき"すぎて飛んでいってしまったんだね。(笑)

フレイス さて、開けるにはどうしたらいい?鍵はもらってるの?

GM いいえ。スカウトスキルで<鍵開け>をしてください。

ノル <鍵開け>で『11』

GM はい。鍵は開きます。中に入ると一階は食堂兼酒場のようです。食堂から二階に上がる階段が見えます。カウンターの奥は厨房と、店長の私室のようです。

ノル じゃあ、家捜しを開始しましょう。

GM では、その前に入ってすぐの足元に、何通かの手紙が落ちています。恐らく鍵がかかっていたので手紙をドアの隙間から差し込んだのでしょう。

フレイス 扱いが雑だな(笑)

GM 郵便局なんてないからね。

ノル 中を開けてみるよ。

GM 手紙の何通かは、商売上のやり取りや、他領の依頼などだ。ただ、一通だけ気になる手紙を見つけた。《愚行領》ザッカにある冒険者の店からの手紙だ。「面識もないのにいきなりの手紙失礼する」から始まり、店の店長の身内が一人立ちするのだが、冒険者としての才能もなく、店を継がせるほどの余裕もこちらにはない。蛮族領と隣接するそっちは、人手が足りなかったりはしないか?」といった内容の手紙だ。

フレイス おお、ちょうど渡りに船だね。

GM ただ、差出し日付を見ると、もう半年近く前の手紙のようだ。

リゼット 古い(笑)

GM この時代は他人の手を介する手紙なので、そういったケースも少なくない。行商人に頼んで、行商人が別の旅人に頼む。とか普通に起こる。

フレイス 無駄足になる可能性もあるか。

ノル ほかに候補者がいないか調べて見ましょう。奥の店長の部屋に行けば何かわかるかもしれませんね。

リゼット 私は、二階に上がってざっと見てみます。

GM 二回は宿泊施設のようだ。大部屋と3人用の部屋がいくつか。総勢で十数人から大部屋に詰め込めば二十人位泊まれるだろうという大きさだね。

リゼット 窓を開けて換気をします。

GM オーケイ。確かに、一ヶ月ほどしまっていたのでかび臭かった。再開するには一度掃除をするべきだろうとリゼットは思った。さて、次はギムレットです。



ギムレット はい。

GM 君はいつものように冒険者仲間においていかれました。

(一同笑)

GM 先の戦いに参加した君たちのパーティーは生き残りました。しかし、冒険者の店が閉店している為、他の領の冒険者の店に出稼ぎに出ています。君は連絡役としてか、何がしかの理由があり、《青雀領》に残っています。

ギムレット 多分、お兄さんはお兄さんで新しい領の危険度を測ってからギムレットを呼ぼうと考えているんですよ。勝手について来ちゃった身内で一人だけ弱い上にサポート要員だから(笑)

GM まあ、そんなわけで《青雀領》でブラブラしていると、なじみの冒険者の店のドアが開いています。君は、先の店長が戦死し閉店したことは知っています。

リゼット 二階の窓もバンバン開いています。

ギムレット 「あれ?つぶれたはずなのに何で開いてるんだろう?」と覗いてみます。

GM 中を覗くと、数人の人間がカウンターの奥をごそごそあさっているようだ。二階からも誰かが部屋を歩き回る音がする(笑)

フレイス 
GMの説明に悪意を感じる(笑)

ノル さらに入り口付近のテーブルの上には明らかに中を見られた手紙が!?

リゼット では、二階から降りてきて声をかけます。「あれ、お客さんですか?」

ギムレット 「そういうあなたは泥棒さんですか?」

GM どんな挨拶だよ。(笑)

リゼット 「領主に言われて、店の中を捜査中です。」

GM そんな感じで話していると、フレッチェ君が顔を見せます。

フレッチェ 「おお、誰かと思ったらギムレットだったか?」

ギムレット 知り合いでいいの?

GM はい。君は《青雀領》で冒険者として活動し、
また、ここ1ヶ月忘れ去られて無為に過ごす中で、この城塞都市の衛兵とも顔見知りになりました。

ギムレット 
GMの説明の中にそこはかとなく、心をえぐる言葉がちりばめられている。(笑)

GM まあ、そんな感じで君たちが話をしていると。ギムレットに冒険者の新店長を探すために、店長のツテを調べているところだと説明してくれます。そして、フレッチェはポンッと手をたたく。

フレッチェ 「そうだ。ギムレットならこの店の店長とも付き合いが長い。顔見知りにも心当たりがあるんじゃないか?なにせ、本物の冒険者だし。」

フレイス オレたち偽者なのか?

ギムレット オレは前の店長についてどの程度知ってるの?

GM はい。ここの新店長は元々冒険者で、アイヤールの南部で活躍していましたが、それも20年近く前のことだそうです。

ギムレット まあ、私物をあされば昔の冒険者仲間とか、出てくるかもしれないな。そいつらに声をかけるって言うのも手かもしれん。

フレイス なるほど、では店長の私室をあさろうか。

GM はい、では冒険者の店のカウンターの奥。厨房をはさんだ反対側の小部屋です。机やベッドなどの家具一式がそろっています。ベッドの下には収納用の木箱が納められています。それらの品はきちんと整頓されています。

フレイス とりあえず、木箱か?

GM 木箱を引き出すと、どうやら鎖でつながれており、一定距離までしか引き出せなくなっています。箱も金属で補強されています。

ノル 鍵を開けていいの?

GM フレッチェ君が見ているからね。金目の物があってもGETしちゃだめだよ。

リゼット ケツバットが飛んでくる(笑)

ノル はいはい。<鍵開け>は『12』です。

GM 鍵は簡単に外れます。ですが、君が開けると蓋についていた金属の束が落ちで大きな音を立てます。

ノル そうか、罠があったか。

GM フレイス君は肩をすくめます。木箱の中は契約書と思しき紙の束。数千ガメル分の銀貨や宝石。それと小箱に入った5個の指輪です。見ればわかりますが各種能力増強の指輪に、魔晶石がいくつかはいっています。

フレイス 使っていいのかな?

GM 一応、フレッチェ君が答えてくれますが。借りることなら許可できます。一番いいのは買い取ってもらう事ですが。指輪に関しては「割らない」ならば、このシナリオ中に限り借りることは可能です。

リゼット 指輪を借りよう。これで、器用度がブレイク。

ノル 次に机を調べてみます。

GM 一般的な一人用の机です。引き出しと、簡易な本棚がついており、そこには数冊の帳簿と思われる本。蓋のされたインク壺に羽ペンですね。見るとテーブルの横にあるゴミ箱の中に、何通かの手紙が入っています。

ノル 手紙はどんなものです?

GM どうやら、店長の冒険者仲間からの手紙のようです。どうも、その冒険者仲間は引退後に、自分の店を持ったのですが、経営がうまくいかず廃業することになったそうです。それで、何か仕事はないか?冒険者に戻ってそっちで仕事を紹介してくれないか?という内容です。ちなみに、返事らしき店長の書きかけの手紙も一緒に見つかります。なぜ、両方の手紙がゴミ箱に入っているかは不明です。

フレイス その人はどこに住んでいるんです?

GM その人がいるのは《紅翼領》レウーレと呼ばれる領です。場所は《緑花領》の南側。モミジのような紅葉のきれいな木が生えているという領です。(※オリジナルの領です。)

フレイス 机の引き出しは開きますか?

GM はい。鍵はかかっていません。引き出しを開けると、いくつかの小物と日記が出てきます。

ギムレット マメだな。中を読む。

GM 内容は冒険者の店の経営に関することや、最近物騒になってきている蛮族の攻勢などについて、ツラツラと書かれています。その中で、《享楽領》にお金を送っていたようです。どうもその相手は、元冒険者仲間の奥さんで、仲間であった旦那さんが死に、息子と二人だけの母子家庭となり経済的に厳しい状況のようで援助していたようです。

フレイス そしてそのお母さんは送られた金をカジノにつぎこんで…

ノル 
ダメ過ぎる。(笑)


フレイス こんなところか。となると候補は三人か。

GM そうですね。

一人目が《愚行領》ザッカの冒険者の店の身内です。店長としての能力には問題なさそうです。が、この話が半年前の事である為、無駄足になる可能性があります。また、この人の性格や人間性に関しては不明です。
二人目が《紅翼領》レウーレに住む元店長の冒険者仲間。店舗経営をしていたので経営に関しては問題なさそうです。冒険者の店としてはどうかわかりません。また、倒産理由が不明です。
三人目は《享楽領》ザルドルの母子家庭です。経済的に困窮している為、店長になる事を断られる事はないでしょう。ただ冒険者の店の経営手腕は未知数です。


(一同相談後)


フレイス 
一番面白そうなところ《享楽領》ザルドルで。

ギムレット 
とんでもない判断基準だよね(笑)

リゼット まあ、無駄足にはならないでしょうね。



GM では《享楽領》ザルドルですね。さて、ハボニムさんにもいわれましたが、候補が挙がったところで、一度領主の館に戻ります。要は、君が他領に移動する為の身分証を発行するためです。

ハボニム 「身分証は冒険者の店が発行するのだが、あの状況なのでね。まして《青雀領》に移住してもらうのだがら、信用が大事なのだ。誘拐と間違われたくはないだろう?」

GM そういうと、君たちの身分証と、店長になるにあたりいくつかの条件の書かれた契約書の写し。それと、支度金として3000ガメルを渡してくれます。

フレイス 一人?

GM 一人3000も払うわけがないだろう。新米冒険者。(笑)

フレイス ちぇ(笑)

GM 後、これは内緒なのですが、冒険者の店が再建した後、君たちは冒険者として活動することになるのですが、君たちはアシャブ領主の後援者を得ることで、生活費と宿泊費は後援者もちになります。

ノル つまり食い放題。

GM 良識は守ってね。つまるところ、君たちには早いところ評判を上げて名声を稼いで騎士に叙勲して、はじめてエリック君の直属として働いてもらう必要があるための措置です。

フレイス なるほど。

リゼット 私には玉の輿に乗るという野望が(笑)

ギムレット ドMのナイトにドSのナイトか。

GM 
なんか、かっこいいコンビだけど、実態はだめだめだな。

(一同笑)



GM さて、君たちは領主発行の身分証を使い快適に《享楽領》ザルドルに到着しました。簡単にザルドルの説明をしましょう。娯楽の殿堂と呼ばれる《享楽領》は、賭博施設と一体化した領全体が娯楽施設です。アイヤールで最も金のある領のひとつといえるでしょう。同時に、賭博と切り離せない裏社会の強い領土でもあります。複数の盗賊ギルドが縄張りを争い暗躍し、領主すら裏社会の傀儡であるという見方が強いです。過去何人もの領主が不可解な死を迎えています。

フレイス 
さて、ここに3000ガメルあります(笑)

リゼット 
報酬全額かい(笑)

フレイス 
一晩で倍になるかもしれない。

ノル 
あ、だめな人の発想だ(笑)



ギムレット 例の未亡人の住所はわかっているの?

GM はい。未亡人にお金を送付する際の住所をメモしてきています。

ノル 未亡人の名前は?

GM エイアスとかかれています。

フレイス では、それを元に住所の場所に言ってみよう。

GM 住所の場所は表通りの繁華街から外れた下町風の場所です。小さな家が並んでおり、住所もそのひとつ。小さな集合住宅に行き着きます。

リゼット 在宅ですかね?今は何時くらいですか?

GM 時間はお昼でしょうか。君がノックすると、中から女性の声で「どなたでしょうか?」と声が返ってきます。

フレイス 《青雀領》の冒険者の店『たなびく戦旗』亭の知り合いのものですけれど。

GM すると、扉が少し開きます。扉にはチェーンロックのように鎖でロックされています。

フレイス 厳重だけど狙われているのかね?

GM こういう領土なので(笑)

フレイス なるほど納得。

GM 扉の向こうで君たちを見るのは女性のルーンフォークのようです。

ノル あれ?息子がいるんじゃ…

GM ルーンフォークは君たちを不信げに見ます。

リゼット では、《青雀領》でもらった身分証をみせる。

GM ルーンフォークは身分証の中を確認すると、鎖をはずして君たちを中に入れてくれます。部屋の中は簡素な家具しかないワンルームです。ルーンフォークは君たちに椅子を勧めるけど、椅子の数が足りなくて仕方ないけどベッドに座ってもらうようお願いされます。ちなみに、台所とトイレは共同です。

エイアス 「狭いところで申し訳ありません。私がエイアスです。『たなびく戦旗』亭からの使いと聞きましたが、店長さんはお元気で?」

リゼット 店長はお亡くなりになりました。

フレイス ストレートだな。(笑)

GM 事情を聞くと、エイアスさんは悲しそうな顔をして事情を聞きます。

エイアス 「…そうですか。あの方にはお世話になったのですが、それを返す事もできないままになったようです。とはいえ、あの方らしい最後だったのですね。亡き夫がいれば同じように参加していたと思います。似たもの同士だったという話でしたから。」

ノル それでですね。今《青雀領》では、新しい店長を探していまして、もしよかったら『たなびく戦旗』亭を経営してみませんか?

GM すると、エイアスさんは驚きます。

エイアス 「新しい店長にというお話は大変驚いています。見てのとおりつつましい生活をするのがやっと、自分の店を持つなんて考えてもいませんでした。私などでよろしければ光栄な話だと思うのですが…」

GM と表情を曇らせます。

フレイス 確か息子さんがおられたと。

エイアス 「はい。実は私は後妻に当たります。前の奥様との息子がおります。夫亡き後、一人で育ててきたのですが、どこで教育を間違えたのか…」

一同 ああ(納得)

ギムレット 
複雑な家庭環境というやつか。

フレイス (両手を額の前に出しながら)
こんな感じのリーゼントになって(笑)

エイアス 
(両手で頭頂を挟み込み)「いいえ、こんな感じのヘアスタイルになりまして。」

リゼット 
モヒカンかい!(笑)

ノル 
ヒャッハー(笑)

(一同爆笑)

エイアス 「そういうわけで、このお話を受けるにしても、息子を置いていくわけにはいきません。」

リゼット 首根っこ引っつかんでつれて帰ってくればいいのですか?

GM エイアスさんは事情を説明してくれます。まず、エイアスさんの旦那はグリーオンというドワーフです。

リゼット 
ド、ドワーフでモヒカンなんだ(笑)

※どうでもいい話だが、GMは某英国TRPGの影響でモヒカンドワーフが大好きです。

GM はい
(満面の笑み)。その一人息子もドワーフで、名前をドルハンといいます。まあ、このような家庭環境のせいかグレてしまい、15歳をむかえ成人した今も、地元の子供やスラムの子供を集めて自称ギャング団を率いています。

エイアス 「ギャング団の名前は
黒龍団』。」

フレイス 
うわぁ…(笑)

(一同爆笑)

ノル それって何色?

GM そういうのがかっこいいと思う世代なんだよ。

リゼット かわいらしい名前ですわね(笑)

GM 実は、このギャング団は危険な状況です。当人たちは知りませんが、彼らの活動が盗賊ギルドの掟に違反しているのです。もちろん、このギャング団は盗賊ギルドに加盟していません。つまり、モグリの集団がギルドの不文律を犯しているというわけです。

リゼット あらあら。

GM カジノで仕事をしているエイアスさんは、カジノとつながっている盗賊ギルドからこの話を聞きつけ、直談判をしました。その結果、そっちで何とかしてくれるなら、盗賊ギルドから制裁を加えない。という約束を取り付けます。

ギムレット お母さん強いな。(笑)

エイアス 「ただ、私が行ってもドルハンが聞くとは思えません。ほかのメンバーの父兄と力をあわせて、と思っていたところだったのですが、それでは時間がかかります。」

リゼット それじゃ、そこら辺の問題を解決すればいいんですね。

エイアス 「息子の問題さえ片付けば、私は心置きなく《青雀領》に向かいます。」

ノル 了解です。それを何とかすればいいんですね。その『レインボーサイクロン黒龍団』は、どこを拠点にしていて、何人くらいいるの?

エイアス 「すいません。私にもわかりません。とはいえ、ドルハンの友達で構成されているはずです。」

リゼット 盗賊ギルドで聞いてみれば、もう少し詳しい情報が聞けるかもしれない。



ギムレット 盗賊ギルドをエイアスさんから紹介してもらうことはできますか?

GM はい、スカウト技能+知力で判定してください。エイアスさんの口利きで+2のボーナスを上げます。目標値は『10』です。

ノル 出目が「6」で『12』

ギムレット 『14』

GM では、君たちは繁華街から離れた場所にある何気ない一軒家に偽装された盗賊ギルドに入ります。中には皮鎧を着た男が一人、君たちを油断なく見ています。
皮鎧の男 「見ない顔だ。新顔か。何の用だ?」

ノル え〜っと、エイアスさんの件で話を聞きに着ました。

GM すると、油断なく見ていた男の頬が緩む。

盗賊ギルドの男 「あ〜、あの悪ガキどもの件か。ご苦労なことだな。」

GM と、困ったような笑いを浮かべます。

ギムレット で、その悪ガキはどんなことをしたんだ?

盗賊ギルドの男 「裏カジノだよ。《享楽領》では、領民の賭博を禁止している。遊ばせる側がハマったんじゃ、シャレですまないからな。だが、あの悪ガキどもは、下町の親父相手に賭博をしているんだ。」

ノル 結構大事じゃない?

盗賊ギルドの男 「本気でやっているなら大事だ。が、所詮はガキのお遊び。親父たちの小遣い程度のやりとりで、しかもサマ(※イカサマ)もないから、取ったり取られたり。本当に遊びなんだ。とはいえ、掟は掟だからな。」

ノル じゃあ、叩きのめしちゃっていいんですかね?

盗賊ギルドの男 「まあ、なんだ・・・ウチも仕事なんでね。形だけでいいのさ。ほら、あいつらの集団お名前…なんていったか?」

リゼット 
覚えられてすらいない(笑)

(一同笑)

ギムレット 
く、黒…

盗賊ギルドの男 
「そうそう黒ナントカ団?」

フレイス 
ザックリ略された上に、実はぜんぜん思い出せてない(笑)

盗賊ギルドの男 「あそこの構成員は、商店の次男坊とか屋台の息子とかだ。タチの悪いギルドなら見せしめだ何だってあるが、そこまでするような話でもない。ゲンコツ程度で済む話だ。一応非情な盗賊ギルドだが、町があってのギルドだからな。」

ノル 了解です。溜まり場とか、構成員情報とかって教えてもらえるの?と100ガメルほど出す。

GM 
すると、そこから20ガメルほど抜くと、残りを返してくれます。

リゼット 
本当にその程度の存在なんだ。(笑)

ノル 
お金取るのも馬鹿らしいレベル(笑)

(一同笑)

盗賊ギルドの男 「人数は10人前後。魔法を使えるようなやつはいない。戦闘経験も、せいぜいケンカ程度の一般人だ。しかも半数は未成年。腕っ節だけならドルハンが一番だろう。後は…サブリーダーのサイオンってのは、表通りにある商会の次男坊だ。裏カジノの資金源は、こいつのちょろまかした金だな。」

ノル 了解です。ありがとうございました。



ノル では、戻りまして報告します。

ギムレット とりあえず、ゲンコツOK。ケツバットOK。

GM 
ケツバットどっからでてきた(笑)

リゼット フェンサーだからクリティカルが−1されてしまいますわ。

フレイス ほほう。ダメージが増えるわけですな。(笑)

(一同笑)

リゼット 言うこと聞かない子にはオシオキですよね。

フレイス 
チラッ。チラッ。

ギムレット 
(フレイスを指して)超アピールしてるよ。(笑)

リゼット 
(スルー)

ノル では、溜まり場に行きますかね?

ギムレット その前に、サブリーダーの実家の商店に顔を出してくるわ。

ノル はいはい。



GM サイオンの実家は表通りにある大きな商店です。どちらかというと個人ではいる店ではなく、店舗との契約で売買する卸業者のような商店です。

ノル 業務スーパーみたいなものか(笑)

リゼット おもいっきり格が下がった(笑)

ギムレット では、入ります。

GM はい。店に入ると思ったほど広くありません。一人の客が店員と話をしているようです。君に気がついた別の店員が声をかけてきます。

店員 「いらっしゃいませ。どういった御用でしょうか?」

ギムレット 店長いる?

店員 「あの…どういった用件でしょう?」

ギムレット ああ、息子さんの件で相談事が。

GM すると、店員は何か納得したような顔になります。

(一同笑)

GM そうすると、店員は別の人に軽く目配せをすると、店の置くに案内されます。商談用の応接室のようです。しばらくすると、廊下のほうからドスドスと荒い足音と共に恰幅のよい男が入ってきます。

恰幅のよい男 「もうゆるさん。今度という今度はもう許さん。あいつは勘当だ!」

(一同苦笑)

ギムレット え〜っと、何してもオッケイ?

GM ギムレットが声をかけると、机に手をついて謝る。

恰幅のよい男(以後サイオンパパ) 「本当に申し訳ない。今回のことはウチで責任を持つ。見舞金も十分出すつもりだ。本当にご迷惑をおかけした。」

ギムレット いや。これから懲らしめにいくので、その承諾をもらいにきたのだが。

GM すると、不審な顔をする。

サイオンパパ 
「あいつの持ち出した『イフリートの髭』の事ではないのか?」

リゼット 
ちょっと、何持ち出してるのよ!?(笑)

(一同爆笑)

※『イフリートの髭』は誰でもファイアーボールを使える魔法の杖である。(回数制限あり)

ギムレット それも取り返してきましょうか?

サイオンパパ 「うちは、まじめな店だ。防犯用にいくつかのマジックアイテムを用意している。領を移動する時に護身用に持たせたりする為にな。あのバカ息子はよりにもよって、それに手を出しおった。」

ギムレット 花火持ち出す感覚で危険なもの持ち出すな。(笑)

サイオンパパ 「もう少し分別があるもんだと思っていたんだ。だから、多少のやんちゃは大目に見てやったのに。あれで誰かを傷つけるようなら今度という今度は、もう許さん。」

ギムレット まあ、いまから説教かましにいくんで、何かあるなら聞いておきますよ。

GM 
ギムレットの言葉にしばし考えると、視線をそらしてあらぬ方向を見ながら言葉を続ける。

サイオンパパ 
「…もし、イフリートの髭が使われていないなら。誰かを傷つける前に、もどってくるなら。今回の件を許さないでもない。

リゼット 
あ、このお父さん甘々だ(笑)

(一同笑)

ギムレット もしかしたら我々が懲らしめる際に、使われてしまう”かも”しれない。(笑)

GM すると、視線をそらしたまま。

サイオンパパ 
「そうなるかもしれんな。だが、被害者が出ることなく『イフリートの髭』を回収してきてくれるなら。たとえ使用回数が減っていたとしても(GM:フレーバーな表現です)被害者が名乗り出ていなければ(GM:重要なので二回言います)、いくらか払うのもやぶさかではない。」

(一同爆笑)

サイオンパパ 「うちの息子が他人を傷つけたなら、父親として断固とした態度を取る必要がある。だが、そうでないのなら。それは家庭の問題という事になる。」

ギムレット つまり、これは冒険者としての仕事だな。『イフリートの髭』の奪還。成功報酬で、我々への被害は報酬に含まれる。

サイオンパパ 「すばらしい。君たちには、信頼ある仕事振りを期待しているよ。」

(一同笑)

リゼット 
だめだめだ。なんていうか、だめだめだ(笑)

ギムレット 帰って報告しますね。



フレイス イフリートの髭って痛いの?

ギムレット 痛いです。

リゼット ファイアーボールだからすごい痛いよ。

フレイス 
それはいい。他人に打たれる前に早くみつけなければ。(笑)

ノル 
目的変わってる。絶対変わってる。(笑)

リゼット とりあえず、あいつらのアジトに行ってグーパンすればいい話ではあるのね。

ノル 正面突破で解決。

GM 了解です。では、皆さんはレインボーサイクロン黒龍団のアジトへ向かうわけですが、スカウトもしくはレンジャー技能+知力ボーナスで判定してください。

ノル 「5」だから『9』です。

ギムレット スカウトにボーナス入れて4だから「8」で『12』

GM (スカウト2人いると失敗しないな…)では、アジトが見えてきたころ、路地に一人の青年を見つけます。青年は君たちには気がつかないようで、アジトの様子を伺っています。

ノル どんな感じの青年ですか?

GM 人間の若者です。下町ともスラムとも言える場所には少し不釣合いは、ごく普通の服を着ています。普通に大通りを歩いているようなまともな服です。
そして、どうやら手に杖を持っているようだ。

(一同笑)

ギムレット 
あの杖はいったいなんだろう(棒)

GM セージの<知名度>判定をお願いします。

フレイス 
あ、6ゾロ。あれは正しく「イフリートの髭」。

GM 
まだ何も言ってないんだけど。まあ、イフリートの髭ですけどね。

リゼット 気がつかれてないようなら。これをかけてみましょう。「そこのお兄さんなにやってるの?」

GM 君たちに声をかけられると、とても驚いたようだ。ビクッっと体を跳ね上げて君たちを見ると、次の瞬間脱兎のごとく路地の奥へ走り出します。

ノル おいかけます。

GM はい。では冒険者技能+敏捷度ボーナスで判定してください。金属鎧を着ているならペナルティーを受けます。

全員 誰も着ていないです。(笑)

GM 前衛なのに、ファイターがクロースだもんな…

ノル 『10』

フレイス 『13』

ギムレット 『10』

リゼット 『16』

GM  16ぅ!?一応、土地勘でボーナス入れていたけど、君たちは若者を難なく追い詰めます。行き止まりの路地で青年は震えながら君たちに杖を向けます。

青年 「く、来るな。撃つぞ。撃つぞ!」

フレイス 
よし、撃つんだ!

ギムレット 
あおるな!!!

(一同笑)

リゼット あなた。サイオンですわね。

青年改めサイオン 「お前ら…あいつらの仲間か。」

リゼット (即答)いいえ。違います。

青年 「…え?」

ギムレット あいつらって誰?

サイオン 「ごまかすな。盗賊ギルドのやつらだろ。」

リゼット 「はぁ?」って顔します。

ノル ギルドがどうかしたのか?

GM すると、青年は少し警戒を解きます。

サイオン 「カチ込みかけてきたやつらじゃないのか?」

リゼット まったく知りませんわ。

サイオン 「ちがうのか?昨晩ギルドの奴が襲ってきたんだ。仲間が人質にとられて、ドルハンが今隠し場所から売り上げを持っていったところだ。俺は運良く逃げ出せたんだが、仲間を助けるために様子を伺っているんだ。」

フレイス あれ?でも盗賊ギルドは生ぬるい目で傍観しているだけじゃなかったか?

ノル ≪享楽領≫の盗賊ギルドは複数あるから。別のギルドかもしれない。

ギムレット 盗賊ギルドでタチの悪いギルドもあるって話だったな。

リゼット われわれもドルハンに用事があるんですが。ドルハンはどこに?

サイオン 「リーダーに?売り上げをもってギルドの奴とどこかいっちまった。何とか人質を救い出せば…」

リゼット 人質はどれくらい?敵の構成は?

GM 中にいる人質は6人。見張りに3人が残っている。

リゼット 安心しなさい。先輩冒険者のお姉さんがちぎっては投げちぎっては投げ。

ギムレット とりあえずその危険は杖は使うな。

フレイス 
え!?

(一同笑)

ノル じゃあ、とりあえず人質を奪還しますか。

リゼット 
とりあえず、そこのドMはつっこみなさい。本望でしょ。(笑)

GM では、簡単に中の説明をしましょう。アジトは20m×30mの倉庫のようなつくりです。とはいえ、壁もお粗末で廃材らしきガラクタがすみに置かれています。屋根を支える6本の柱の二つに3人ずつ人質がロープでくくられています。見張りは暇そうにしている。

ノル 魔物知識判定は?

GM 2回お願いします。

ノル 『6』と『8』

GM 山賊の突撃兵と、山賊の弓兵だね。

リゼット バーンと突入して言います。
「その人質とこいつ(フレイス)を交換するんだ。」

フレイス 縛って殴るなら俺を殴れ!

GM 
お前ら何言ってんだああああ!!

(一同爆笑)

ノル このキャンペーンの初戦闘がこれか。



1−1「vs盗賊ギルドの下っ端達」
人質奪還のために突入したPC一同。とはいえ、所詮はチンピラレベルの敵3人。
鎧袖一触で吹き飛ばされました。
そして、尋問。




突撃兵A 「あんたらなんだ。ここらの奴じゃないだろう。」

突撃兵B 「お、俺たちの後ろには、と、と、と盗賊ギルドがいるんだぞ。」

リゼット へぇ〜。ゴミムシを見るような目で見て差し上げましょう。(笑)

突撃兵A 「アッチョム!(弓兵)アッチョムが死んでる。

突撃兵B 「
そんな、アッチョムはいいやつだったのに…

ギムレット 
なぜロシア名。(笑)

リゼット さあ、おとなしくしなければそいつと同じ目にあうことになりますぞ。

ノル いい山賊は死んだ山賊だけです。

突撃兵A 
「…アッチョム。俺たちはお前の分まで生きるぜ。」

突撃兵B 
「突撃兵A。お前、いつもそれだな。」

GM 
と、とても従順になります。

(一同笑)

GM では、君たちがギルドの構成員をシバキ倒すと、安全を確認したサイオンが、人質のロープを解き始める。人質は怪我をしているが軽傷で、命に別状はありません。

リゼット ならよし。

ノル では、とりあえずサイクロンドリーム団のメンバーは…

サイオン 
「レインボーサイクロン黒龍団だよ。」

リゼット とりあえず、
ナントカ団はどうする?

ギムレット とりあえず、人質は家に帰そう。

ノル イフリートの髭はどうします?

ギムレット もって帰らせればいいだろう。イフリートの髭を使わなかったら許してやるっていってたから。

フレイス 
まあ、一回くらいなら使ってもいいらしいぞ。(笑)

(一同笑)


リゼット ドルハンを探しているんだけど、どこに言ったか分からない?

レインボーサイクロン黒竜団メンバー 「リーダー?は、盗賊ギルドのボスにいわれて、今までの売上金をもって、通りの向こうの下水の入り口にいくことになってる。」

フレイス そこが盗賊ギルドのアジトなの?

GM いや、そこはお金の受け渡し場所で、アジトではない。

ノル なら、追いかけたほうがいいな。

ギムレット 山賊の突撃兵は、人質と同じように縛り付けて、後でこっちのギルドに回収してもらおう。

リゼット ではドルハンさんを追いかけましょう。



GM では、下水道の入り口に到着しました。周囲に人の気配はなく、鍵のかかっていたはずの格子ははずされています。見ると下水の泥に何組かの足跡がついている。

ノル すでにドルハンは先にすすんでいるか。

GM 下水なので真っ暗です。当然照明等はありません。

フレイス たいまつつけるつもりだけど、戦闘になった時に、投げ捨てて大丈夫?

GM 下水なので、半分の確率で水溜りに落ちて消えてしまいます。主動作で地面に置くなら消えないことにします。

ノル たいまつの用意も済んだし、隊列も組んだ。さあ、先に進みましょう。



※ さて、こうして先に進む一行。入り組んだ下水を足跡たよりに進むことになります。道に迷えば、大ナメクジや汚物に足をとられて転倒などの天然トラップを用意していましたが、スカウトを二人抱えるこのパーティー。一度たりとも≪足跡追跡≫に失敗しない。順当に、出口に到着しましたとさ。めでたしめでたし(徒労感)



GM (やるせない気持ち)…君たちが進むと、その先に光が漏れている。どうやら出口のようだ。その向こうは入り口と同じように人気のない広場になっているようで、そこに誰かがいるようだ。

ノル 明かりを消してネコになります。で、偵察。

※種族:ミアキス(ネコ人間)はネコに変身することができる。当然衣服は変身しない。

GM MPをへらしてね。では、広場には後ろ手に縛られたモヒカンのドワーフがいる。そして、その周りを3人の男が囲んで小突いたり、けりを入れたりしている。下水は広場を横切って別の下水につながっているのですが、下水をはさんだ反対側に、弓を持った山賊が二人います。

フレイス 距離はどれくらい?

GM 12mといったところでしょう。

ノル では、そのまま戻って人間に戻って報告。

リゼット 
では、突撃をしましょう。「おまちなさい!」バーン!と飛び出す。

フレイス 
そこまでだ。殴るならオレを殴れ。(笑)

GM (内心:あ、場がカオスになるな。)突然の来訪者に、向こうは少し呆然としますが、すぐにわれに返ります。

盗賊A 「兄貴、なんか変なの来ましたぜ。」

リゼット 
「そこのドワーフを放しなさい。その代わり、この男(=フレイス)をあなたたちに上げますわ」

盗賊B 
「超いらねぇ」

盗賊C 
「ああ、本当だ。本当に変なやつだ。」

(一同笑)

ギムレット 魔物知識していいですか?

GM はい、取り囲んでいる奴の二人はさっき戦った「山賊の突撃兵」。下水の反対側にいるのは「山賊の弓兵」です。ただ、兄貴と呼ばれた一人の分だけ判定してください。

ギムレット 6ゾロ

フレイス 知り合いですか?(笑)

ノル 平目で「9」

GM 
わかりました。『馬に乗った追いはぎ』から、馬がいなくなった状態です。

リゼット 
弱くなってる!!!

(一同爆笑)

GM 街中なんだよ。盗賊ギルドの人が街中で馬なんて乗らないんだよ。正式名称『馬に乗ってない追いはぎ』

リゼット ああ、つまり陸に上がった河童。ところで、ドワーフに声をかけます。「あなたがドルハン?エイアスさんから小突いていいという許可はもらってるんだけど。」

ドルハン 「あのババアから!?」

GM と、ドルハンがしゃべったところで、兄貴分がドルハンの顔にけりを入れます。

兄貴 「誰がしゃべっていいっていった?お前ら、向こうのギルドの奴らか。おう、とっちめてやれ!」

GM  と号令をかけると、ほかの山賊も臨戦態勢をとる。では、先制判定です。

ノル 「4」で『9』

ギムレット 「8」だから『12』

GM こちらの先制値は11なので、そちらからです。


1−2「vs盗賊ギルドの兄貴達」
そして、再び人質を前に、問答無用で襲い掛かるPC。が、もともと士気の低いチンピラ+兄貴。特に見せ場もなく、士気崩壊。
兄貴の降伏っぽい、交渉フェイズに突入します。



ノル どうする?

兄貴分 「おれ達だって命かけるほどの仕事じゃないんだ。このドワーフが目的なら。そっちに渡す。俺も手を引く。そういうことにしないか?」

一同 …

兄貴分 「落ち着け。なっ。」

(一同笑)

リゼット まあ、話し合ってもよくてよ。(笑)

ギムレット とりあえず、何をしようとしたか言ってみろ。状況によっては助けてやらなくもない。

GM まあ、話は簡単です。「領民を賭博に巻き込まない」という不文律を犯しているので、そいつをこっちでひそかに確保し大規模化して発覚させて、縄張りでの不祥事ということで向こうのギルドを弾劾する。そういう筋書きです。

ノル う〜ん。なんというか、こっちに非がないというわけでないのがな。

リゼット そうね。とりあえずドルハンから奪った売り上げを回収させてもらおうかしら。

兄貴分 「わるいな。そいつはこっちのギルドの上が回収しちまった。今手元にはねぇよ。」

リゼット 
ああん。お前らが金持っているだろ?ほら、ジャンプしてみろよ。

兄貴分 
「おい、ここに追い剥ぎからカツアゲしようとしている奴がいるぞ。」

(一同爆笑)

GM まあ、とりあえず、こいつらの所持金を決めよう。剥ぎ取り判定です…300ガメルですね。

リゼット しけてるわね。まあ、こんなもんでいいでしょう。

GM おっけい。では、彼らは倒れた仲間を抱えて逃げていきます。

リゼット ではドルハンさんの縄を解こう。「で、あなたはいつまでこんな危険なゴッコ遊びを続けるおつもりですの?」

GM すると、ドルハンはふてくされたようにそっぽを向きます。

ギムレット 
まあ、複雑な家庭環境はわからないでもないが、成人してこれはないだろ?

GM 
すると、ドルハンはキッっと君たちをにらんで怒鳴ります

ドルハン 
「うるせぇ。お前らに『小さい頃から同じ年齢の母ちゃんがバニーガールやってる』俺の気持ちがわかるか!!」

(一同爆笑)

フレイス 
想像以上に複雑すぎた。(笑)

ノル エイアスさんはバニーガールなんですか?

GM 
女性型ルーンフォークがカジノで働くのにほかに何があるんです?(偏見)

フレイス 
お、おう…

リゼット いいじゃない。素敵なお母さんで。

GM では、そんな感じで君たちが話していると、鋭い口笛の音が聞こえます。見ると君たちがやってきた下水の入り口に、乞食姿の男がいます。

乞食 「用が済んだのなら戻ってくれないか?そこで騒がれる面倒なんでな。」

GM と、変装をめくると、盗賊ギルドであった受付の男です。どうやら変装して尾行していたようです。

ノル じゃあ、戻りましょう。



GM さて、君たちは盗賊ギルドに連れて行かれます。ドルハンも一緒です。途中で説明してくれますが、『レインボーサイクロン国龍団』の溜まり場にいた敵対ギルド員はすでに回収済みです。残りの問題はドルハンだけです。

ノル さて、どうします?

フレイス エイアスさんが冒険者の店の店長をやるので、そこで冒険者になればいいじゃない?

GM すると、ドルハンも少し興味をむけます。

ドルハン 「そりゃ、親父も冒険者だったし。興味がないとはいわないけどよ。今回のこともあったし…」

盗賊ギルドの男 「いいだろう。うちで少し鍛えてやる。」

リゼット いいの?

盗賊ギルドの男 「エイアスさんには昔世話になったんでな。」

ノル 実は陰の実力者(笑)

盗賊ギルドの男 「いや、ほら、今は幹部だって下積み時代があるわけよ。カジノのボーイとか、カジノの用心棒とか。そこに十数年バニーガールの古参がいるわけだろ。大小色々あるわけよ。性格肝っ玉母ちゃんだし。」

(一同笑)

盗賊ギルドの男 (指をぽきぽき鳴らしながら)
「姐さんに恩を返せるんだ。みっちりしごいてやるよ。」

ギムレット 
呼称が姐さんになった!

(一同笑)



GM さて、話はとんとん拍子に進みます。『レインボーサイクロン国龍団』は解散し、ドルハンの当面の面倒は盗賊ギルドで見てくれることとなりました。事情を聞いたエイアスさんは、少し困った顔をしましたが、冒険者になるためだと納得したようです。いくつか、契約上の手続きをすると、君たちと共に≪青雀領≫に向かいます。店長が来たからすぐ開店とはなりませんが、冒険者の店再開に動き出したのは確かです。そして、それは同時に、君たちが冒険者として活動することを意味しています。
お疲れ様でした。このシナリオは終了になります。

一同 お疲れ様でした。

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