第五話「策士、策に溺れる。そしてそこにはワラすらない。」



「策士、策に溺れる」有名な言葉だ。策を弄する者がたわいのない盲点をつかれ滅ぶ。奇策を用いて撹乱され、戦力を見誤り、基本的な正攻法に敗れ、策士の考えからすれば、非理論的な行いが、壮大な策を灰燼に帰する事がある。だが、忘れるなかれ。策を破った者が常に正しいとは誰も言っていないのだ。


リック レベルアップしてもいい?

GM だめ。

カイ え〜なんで〜。

GM レベルアップしたらHPとかプラーナ回復するでしょ。

リック ギクッ

プリン 回復って言ったって多くて6ポイントだよ。ちっちゃいちっちゃい。

GM その6ポイントで回復魔法使えるようになるのになっても小さいのかい?

プリン ギクギクッ

GM と言うわけで、始めよう。ゆっくり休めるようになったら、レベルアップね。

リック ゆっくり休めるんだろうな。

GM 天国には「エデン」と言う休憩所があるそうだ。

一同 おい!!



GM さて、君達がシャドウジャイアントの巣窟から抜けると武装した集団が現れて、その先頭の男が言います。「宝石を渡してもらおうか。」とね。

リック その先頭の男に見覚えは?

GM 君等に依頼しに来た領主からの使いだよ。

プリン ああ、あの時の21点の男ね

GM そう。その「21点の男」だ。


 
この瞬間、この男の名前は『21点の男』に変わる。どんなに重要なことを言っても永遠に「21点の男」である。哀れすぎる。


21点の男 「ふっふっふ。どうもご苦労様でした。早速その宝石を渡してもらいましょうか。」

カイ 報酬の500Gは?

21点の男 「物を受け取ってからですよ」。

リック 信用できないな。


覆面の男を信用する人間も少ないだろう


21点の男 「仕方ありませんね。じゃああなた達の死体から剥ぎ取る事にしましょう。いけブラックナイツよ!!」

カイ にゃに!?

プリン ブ、ブラックナイツってあのブラックナイツ?

21点の男 「ふはははは。さあ、や〜ておしまい!!」

リック (すかさず)アラホラサッサ〜。さて、今週のどっきりびっくりメカ〜「ブラックナイツ騎士団」あほれポチッとな。

GM ざっざっざっざ…

カイ とたんにブラックナイツの高貴さが消えたわ

プリン 
なんか背中に自爆ボタンとかありそうだね。

GM それって、
本人が自爆するとき押せなくない?

一同 (爆笑)

GM さて、笑っていても始まらない。ブラックナイツは規則正しい足音で、君達に近づいてくる。

GM と、君達が前に出ようとすると、それを遮るようにファンが前に出る。

リック お!?なんか秘策でもあるのか?

ファン 「ある。とっておきがな」

カイ よし、じゃあそれ採用。一気にバーンとあいつ等倒して。

ファン 「え?ああ、それは無理」

カイ へ?じゃあ何?

GM ファンは懐から宝石を取り出す。

21点の男 「それは転移石!?」

ファン 「そうさ、これがあれば一気に街へ帰ることが出来る」

プリン わ〜い、じゃあさっさと帰ろう。

ファン 「だが…」

リック でた、メリットには必ずあるお約束のデメリット。別名「ギブアンドテイクの法則」


どうやら、この元聖職者の心の辞書には「無償の奉仕」という固有名詞はないらしい


21点の男 「ほっほっほ。そうデ〜ス。転移石は所詮個人用。持ち主の冥力に比例して転移人数を決めま〜す。戦士のチミでは一人が精一杯。魔法使いがいても2人がやっとデ〜ス」


いつのまにか「21点の男」に変な語尾がついた。


カイ 持ち主は優先権があるから、私が使ってファンと私で二人。オッケイ!!

リック おお!神よなんで神力ではないんですか!!

プリン 勇者を回りのものが命をかけて守るんだぞ〜


素敵なチームワークだ。お互い命を預ける気配すらない。


GM と、醜い争いをしていると、ファンが笑い出す。

ファン 「クックック。戦士のオレ?…はっはっは。そうだ、戦士のオレでは一人が精一杯だろう。が、ここにいるのは戦士ファンではない。辺境騎士団の騎士ファン=ロードだ!!」

カイ をを、こっちが本物?

GM もっちも本物。ブラックナイツ全部が辺境騎士団じゃないよ。精鋭が辺境騎士団なだけ。

プリン なんと、今まで実力を隠していたのね。

リック く〜。アイドルオタクのまねをしてオレ達の目を誤魔化していたのか。やる〜

ファン 「え?いやあれホントにオレの趣味」

一同 ………


そこでGMが水を差すなよ


GM さ…さて、ファンは転移石を握り締めるとプラーナを放出します。

カイ しかも、プラーナまで隠していたよ。

ファン 「プラーナを魔力に変換すれば、オレでも一時的に魔法使い以上の冥力を生み出すことが出来る」

21点の男 「ぬう。おのれ、こらブラックナイツ。アイツを止めんか!!」

ファン 「反応が遅い!!」

GM と、ファンが叫ぶと同時に、ファンの握る転移石が大きく光を放ち君達をつつみこんだ。

リック ふはははは。さ〜ら〜ば〜だ〜。

プリン 
それ悪役。


覆面とあいまってとっても似合う。


GM さて、君達が転移したのは城塞都市ジリス公園だ。近くに噴水がある。

リック わ〜い。帰れたぞ〜。ゆっくり休んでレベルアップだ〜

GM と、辺りを見るとファンがいない。

プリン あれ?ファンは?

カイ いないの?

GM いない…可愛そうに……

プリン 一緒に転移しなかったんだ。

GM 彼だってシャドウジャイアント戦でプラーナ使っていたんだ…

プリン ……ぐう…許すまじ領主!!

GM うむ、その意気だ…ってそういやみんな大ダメージ受けてるんだよね

プリン あ、そうだ、リック早く回復して〜。

リック ハイハイ、噴水があるから水汲んで…おっと、MPが足りない。

プリン あううううううう。(泣)

リック ハイハイ、MPの集積をしよう。

カイ 集積?

GM セブンフォートレスはMPを自分の属性にあった条件で回復できるのだ。これをMP集積と言う。

リック 公園なら緑豊かだろう。これで属性<森>の条件に合致するのさ。

プリン それならフォートレス出る前にすれば良かった〜。

リック ちっちっち。フォートレス内で集積すると「ワンダリングモンスター(さまよう怪物)」に出合う確率が高くなるんだ。だから基本的にやめたほうがいい。

プリン 街中ではクリーチャーでないもんね。

リック 当然である。

GM 「リック一行は休息を取った」「管理人が現れた」「コマンド?」てのはどう?(笑)

リック 
「たたかう。」「管理人はハタキで攻撃」ガスッ「痛恨の一撃。10ポイントのダメージ」。

プリン 
「プリンは死んだ。」チャ〜ラ〜ラ〜♪残HP10だもんね。(一同爆笑)

リック
 ハタキの一撃で勇者を!!この管理人只者ではない!!

カイ 
あなたこそ真の勇者です。死ぬまでお供します。(一同爆笑)


彼らの勇者への信頼度がうかがえる


プリン 言葉に嘘がない。「死ぬまで」って『勇者が死ぬまで』だもんね。

GM すっげえひでぇ…


 
さて、HPを回復しMPの集積もソコソコに、(途中なぜかチーマーが現れ公園の管理人を攻撃していたが)宿屋に行ってプラーナの回復に努める。考えてみれば1日寝ても全快しないんだよね。


GM え〜プラーナの回復量は…っと、まあ言いや。みんなレベルアップしていいよ。プラーナもMPも全快でいいから。

プリン わ〜い、ありがとう。

カイ ふう、これでやっとクリエイトアンデットが出来る。ゾンビつくって盾に出きる。

GM 今まではプリンが盾だったもんね。

カイ うん。これはこれで硬いんだけど一つしかないからね。

リック 既に勇者が1個2個単位…

プリン 絶対勇者への認識間違ってる。

GM ハイハイ、じゃあレベルアップしてね。こっちシナリオ作るから。

リック …今、さらっとなんか凄い事言わなかった?

GM はっはっはっはっは。いつもの事じゃん

リック 改善しろよ。


そのとうりだ。


さて、レベルアップもすませた一行はダンジョンで手に入れたお宝(ダマスカス製グレートソード。&隕鉄製ブレストプレート&ハイヒール3本)を売り飛ばしたりして。魔法をそろえ。ようやく一区切りついたのである。残金はやはりほとんど残らなかった。実はしっかり計算していたGMの努力である。シナリオ作らないのに報酬の計算はしている変なGMである。


プリン 働けど働けど、我が暮らし楽にならず。じっと手を見る。

リック さて、これからどうするか…

カイ 辺境騎士団接触できればいいんだけどね。

リック 難しいな…

プリン ふんふ〜ん。高品質の両手剣〜。(グレートソードはこいつがパクった)

リック はいはい、勇者プリンさんもなにか考えて。

プリン ん?レジスタンスとこ行けば。お金貰えるんじゃなかったっけ?。

リック (ポン)おお、そう言えばそうだった。

カイ 早速レジスタンスの所行こうか…えっと、何処で待ち合わせだっけ?

プリン たしか酒場だったよね。

リック 何処だっけ?「ホネホネロック亭」だっけ?

カイ そんな印象深い名前ではなかったよ。確か『星…』なんとか…

リック 『星一徹亭』店長が自分の作った料理に文句をいうの。「こんな物食えるか!!」

プリン そんな酒場行きたくないよ。


愚かすぎる…


ない記憶を頼りに「星〜」の酒場を探し回るPC一行。はっきり言えば。領主に狙われているのに酒場に顔を売って回ると言う危険性に彼らは気がついていない。


GM では『流れる星亭』で、君はレジスタンスのメンバーを見つける。むこうも君を見つけて立ちあがるよ

レジスタンスの人 「あ、あなたは!?」

リック おお、オレ達を覚えていたとは。

GM 
覆面している人を忘れる奴は少ないと思うよ。


忘れたいと思う奴は多いだろう。


レジスタンスの人 「無事だったんですね。よく来てくれました。」

プリン 例のブツは手に入れましたよ。

レジスタンスの人 「ホントですかそれは凄い。」

カイ 途中で領主の手の者に見つかりましたが振りきりました。

レジスタンスの人 「そうですか…おっと、ここでは人の目があります。上に部屋を取りますのでそこで話しましょう。」

GM というと、店員に言って部屋を借りる。

カイ 報酬〜報酬〜。

レジスタンスの人「ご安心ください。十分な御礼ができると思いますよ。その前にこれはささやかですが…」

GM といってご馳走が出てくる。今まで酒場じゃあ見たことのない料理が出てくる。

リック さらば貧乏生活。そしてこんにちは豪華な食事…


何度も言うがおまえはこのGMの性格を忘れている。


レジスタンスの人「さあ、どんどん食べてください。この後いろいろ働いてもらいますからね。」

プリン 今サラッとなにかすごい事、言いませんでした?

レジスタンスの人「まあ,ほんの手助け。大丈夫です。ちゃんと報酬は払いますから」

カイ ま、それならいいんだけどね。

GM さて、じゃんじゃん食べて飲んでとしていると。突如、扉がバ〜〜〜ン!!と開く

プリン ??

GM そしてそこには真っ黒いハーフプレートに身を包んだ人達が10人ほど…

リック !?飲んでたお酒をブハッと開き出す。

カイ きったな〜い。それかぶるのは誰?

GM 覆面(笑)

リック オレはどうやって覆面をしながらご飯を食べているんだ〜〜〜〜!!(笑)

GM そりゃ…素早く覆面を上げて素早く物を詰め込み、おろしてから咀嚼。(一同爆笑)

リック なんて面倒な…ちょっと待て、じゃあうちらの家族の食事は皆そうやって食うのか!?皆、人に見られないように顔を横にしてガサガサ…カサカサモグモグ「それでさあお父さん。今日学校で…」「ちょっと待て…ガサガサモグモグ…どうした?」とかやってるのか!!家庭団欒とか言うレベルじゃないほど怪しい(笑)


しっかり忘れられている黒騎士一同。


GM いかんいかん。さて、10人ほど黒騎士が入ってくると、君達の対応をしていたレジスタンスの青年がゴマをスリスリ黒騎士の方に行く。

プリン グルだったのか!!

ガイ 武器をとって窓のほうへ移動。

GM その前に筋力判定。目標値が18。失敗すると動けなくなるよ。

リック 失敗。毒か!!しまった〜〜〜〜!!

カイ&プリン 成功。

リック いや〜〜ん。見捨てないで〜〜〜(懇願)

カイ&プリン (含み笑い)フッ

リック アウアウア〜(泣)

GM 窓の外を見ると、そこにも6人の黒騎士が待ち構えている。

カイ ………生死を共にした仲間を見捨てるわけには行かないよね(笑)

プリン …そうそう、ボク勇者だもんね。(笑)

リック 絶対それ以外の理由で帰ってきたな。(笑)

GM 黒騎士は近づいてくるけど抵抗する?

プリン うんにゃ。武器を置いて降伏する。

カイ 右に同じ。

GM では、君達は哀れ黒騎士団に捕まってしまいました。

リック 痺れてピクピクしてる(笑)

GM (お前ら、結構余裕だな。)

プリン なに?アタシ等、装甲車みたいなのに押し込まれるの?

GM 装甲車って…一応ロープで縛られで護送されるね。

プリン 何処に?

GM 領主の館。というわけで、牢屋です。別棟にある地下牢に放り込まれます。

リック 
館に地下牢があるの?

GM うむ、ふと気がつくと領主の館は館に見えたお城だった。

一同 (爆笑)


木下籐吉郎の一夜城もビックリである。


リック 防衛力が上がった!?まずいぞ。もう少しレベルが上がるとここの
領主が「王様」にレベルアップしてしまう。(笑)

GM (例の効果音)チャララララ〜ラッラ〜♪『領主はレベルが上がった』『領主は王様になった』
『お姫様が手に入った』『お姫様はさらわれた』

一同 いきなりさらわれてる!!(爆笑)

GM お姫様がさらわれるのは義務なんだよ。(笑)

リック で、帰ってきたらそいつは救出した英雄の嫁…王様に娘との一時はないのか。

プリン それ以前に、帰ってきたらついでに王位までその英雄の物だよ。

GM 王様は思うんだな
「顔すらまともに覚えていない姫なんて帰ってこなくていいや」こうして、捜索隊打ち切り。かくして勇者は1人で旅立つ。

カイ 最低の父親だね。

リック 
まあ、突然わいて出てきた娘に愛情を持てというのが無理な話だよ。

プリン 納得。(笑)


素敵な事に、話はしっかり横道にそれている。


GM いかんいかん。話がそれた。君達は地下牢にいる。3人とも同部屋で、武器防具、背負い袋から小銭入れまで、すべて持っていかれた。キャラシートの欄消しといて。

プリン 一回も使うことなくグレートソード消失…

カイ せっかく借金がなくなったのに、また全部とられた。

リック オレの覆面は!!

GM は?…まあ、いいんじゃないの。覆面くらい。

リック ほっ。良かった。これはオレのアイデンティティーだからな。

GM ア…アイデンティティーですか…とたんに胡散臭い言葉になったな。

リック 大きなお世話だ。


是非、無くしてほしいアイデンティティーだ。


GM さて、牢屋の中です。一方の壁は頑丈そうな鉄格子がはまっており、その先の通路をはさんで、また牢があるといったオーソドックスな牢屋です。

カイ さて、どうしよう?

プリン エクスプローラーいないもんね。

リック 鉄格子は頑丈そう?

GM 頑丈そう。筋力チェックで30は要るね。

プリン へ?30程度なの?

GM はい?

プリン じゃあ、プラーナ放出。プラーナを13点使って、これで「25」。曲がれ!!(コロコロ…)クリティカル!!

GM はい???

プリン (ころころ〜)おっともう一回まわって…次は「10」…筋力判定「49」?

一同(爆笑)

GM (グッバイ救出に来る辺境騎士団別働隊よ…)バキッ!!プリンが渾身の力をこめて鉄格子を引くと、曲がる以前にボッキリと鉄格子は折れた。

プリン (かわいい声で)………あれ〜。さびてたのかな〜

リック 
三歩ほど下がって怯えた目で見よう。

カイ 
魔法のカウントを…

プリン ほら〜。アタシ勇者だから……

リック 
勇者だから鉄の棒を石の床と天井から引き抜いたの?

プリン ほら、無実の罪での脱出は勇者のお約束だよ。

カイ でも
素手で鉄の棒を折ったりはしないよ。勇者は…

リック 「最後の鍵」が必要だな。(DQV)

プリン 助けてあげたんじゃん。

GM さて、君達は牢を破壊して通路に出ました。通路は一方向に伸びていて、その左右に同じような鉄格子が計6個。そして、通路の端に頑丈そうな木製の扉がある。

リック さてさて、他の牢獄に誰かいないかな〜。外国人労働者とか。

GM いるか!!

カイ わかんないよ〜。なんせ、セブンフォートレスだからね。(笑)

プリン 
密航者の皆さん!!何も考えず走れ〜〜〜!!!

リック ドドドドド。

GM つかぬ事を聞きたいが、君達は何をやっているんですか?

リック 今回の脱走のシュミレート。
扇動して騎士団に突っ込ませてるの。そのスキにオレ達は脱出。

プリン (拳を握り締めて)ああ…皆さんの勇者を助けるための犠牲。ボクは忘れません。


これが勇者である。先人も草葉の陰で泣いているであろう。


GM さて、他の4つの牢獄には特に人はいませんが、一つだけ、貧相な中年が横たわっている牢獄がある。

リック 誰?サマンオサの王様?(笑)


それはドラクエVだ。


GM いいや、最初のセッションで、君達が護衛していた村の村長にして実は秘密のネクロマンサー「ネークロッド・マンサーさん」だ。

プリン ルイス君15歳じゃないの?(笑)

GM うわ懐かしい(笑)

カイ 何でそんなこと覚えてるのよ。(笑)

プリン キャラクターシートのメモ欄に書いてあったの。

リック もっと他の事書けって…

GM 同感だ。


どうやら彼女の記憶装置には「美少年」「覗きの穴場」しかないようだ。


カイ おっと。じゃあネークロットさんに呼びかけよう。もしもし〜

GM 
『もしもし。私リカちゃ〜ん』(笑)

カイ 
どうやらまだ無事なようだ。(笑)

リック 
そうか?ちっとも大丈夫そうじゃないぞ…頭の中身が(笑)


それはネークロッド元村長の?それともこのGMの頭の中身?


GM 冗談だよ。ネークロッドは君達の呼びかけで軽く身じろぎをする。そして君達のほうに顔を向けるけど、彼の顔には酷い拷問の跡があるね。

ネークロッド 「…死霊魔術師どもか…貴様らに教える事など何もない。殺すなら殺せ…」

リック どうやら、ここの領主に拉致、拷問されてたみたいだな。

カイ ネークロッドさん。私です。村で護衛をしていたカイです。

ネークロッド 「…護衛…ああ、君達か…なぜここに君達が…」

プリン そういやなんでアタシ等ここにいるの?

リック ネークロッドの日記を読んだからだよ。

ネークロッド 「そうか、あそこに入ったのか…」

カイ はい。それで、何があったのですか?あなたがネクロマンサーだって事はわかっています。でも一体どういうことなのです?

リック ネクロマンサーだって事は名前聞いた時から分かっただろうな(笑)

GM 一応シリアスシーンなんでシリアスに。(笑)

プリン カイに任せよう(笑)

リック 勇者すらギャグキャラか…

ネークロッド 「……いいだろう、話してやる…」

GM と、彼が口を開きかけたところで、通路の端の扉がバーーーンと開く。そしてそこには黒い鎧をまとった騎士が2人とローブを着た男が1人。君達を見ると驚くけど、すぐに騎士の二人は剣を抜いた

プリン バッドタイミング〜。あ、武器がない。ねえGMさっき折った格子をスタッフ代わりにしていい?

GM むむ、ちょっと待ってね。今データ作るから。えっと『アイアンスタッフ:命中0 攻撃力10 回避(+2) 防御(+5) 射程1  「牢獄の鉄格子の一本。牢で無念にも死んでしまった罪人の恨みの声が染み込んでいる」』とこんな感じかな(笑)

リック 
振り回すと「キィィィィィ」とか「ギャァァァァ」とか聞こえるんだな。これは怖い。


昔そういう武器がゲームにあった。プレイした本人はマジで精神がやられるかと思ったそうです。ゲーム名は「ケイン・ザ・バンパイア(PS)」だったかな?


プリン いやああああああ(叫)

GM 何!?そうなのか。
じゃあ人間を1人殴り殺すたびに攻撃力が+1(笑)

リック おお!!最強の武器になるかも
。50人殺せばカニアーマーすら叩き割れる!!

カイ これは強い(笑)

GM 
面白いので5人殺すたびに、物質化するほどたまった怨霊が持ち主にまとわりつき防御力と抗魔に+2だ。ついでにまわりか化け物と見られるようになる。

リック (プリンの肩をポンと叩いて)君はこれで「さいきょう」の勇者になれ!!

カイ 「さいきょう」ってどういう漢字を書くの?

リック それは今後のお楽しみに(笑)

プリン いやああああああ(叫)

GM そ〜ら、君の
攻撃力の素(もと)がきたぞ。(笑)

カイ 素…(笑)

プリン 来ないでええええ(泣)


さて、戦闘がどうなったかというと、カイが「スケルトン」を召還してプリンと前に出し自分は魔法攻撃。で、スケルトンがやられるたびに再召喚。リックは延々とプリンを回復させる。プリンは闘気を攻撃力に振り分けて攻撃といった形で戦闘は続いた。
魔法使いはいるが回復役はいない敵は、みるみる消耗し、やがてあっさりと全滅したのである。こう見えても黒騎士さんの攻撃力は25と決して侮れない者でありました。が所詮は3レベルウォリアーの転職したてでした。武装ナシのPCにあっさり…
ちなみにプリンの武器「怨嗟の錫丈(リック命名)」の攻撃力が3ほど上昇した。
このシナリオが終わったら正式データを作成しようとGMは考えた。



あんた鬼や。


プリン 黒騎士ってクリーチャーデータだよね。だから人間じゃないよね。

リック 黒騎士だって、敵だってちゃんとした人間だぞ。

GM ちなみにデータもちゃんとレベルアップさせた人間のデータだ。闘気とプラーナはないけどね。

カイ その割には弱かったね。こっちは武装ナシなのに。

GM スケルトンという犠牲があっただろ。

カイ 「ワンアイ」「ハーフヘッド」「レッグミンチ」「ピュアアーム」の4体轟沈。元気なのは「ピッグウエスト」(笑)

リック ……なにその名前?

カイ 
スケルトンの名前に決まってるじゃん外見から決めたの「片眼」に「半分頭」「つぶれた足」に「新鮮な腕」。最後のが「豚っぱら」

GM どこのゴブリン族だ。ってなネーミングセンスだな。

カイ そうかな、結構カワイイと思うけど…


ミンチレッグ(つぶれた足)をか?


リック そうだ。こいつらの装備剥ぎ取ろう。人間データならあるよね。

GM おお、そういえばそうだな。


こうして、装備を整える一行。


プリン バスタードソードGET!!

リック だめだ。君には「怨嗟の錫丈」があるだろう(笑)

プリン バスタ〜ドソ〜ド〜〜〜(泣)

リック はい。ハーフプレート。しかも色は黒(笑)

GM 真っ黒い鎧を身にまとい、苦悶の表情が浮かんでいる2mの鉄の棒を振り回す………かっこいい…(爆笑)

プリン 何処がじゃ〜〜〜い!!

カイ さて、ネークロッドさんに事情を聞きましょうか。

GM うむうむ。ネークロッドさんはゆっくりと身を起こして君達のほうを向くと、少し苦しそうにかすれた声でしゃべり出す。

ネークロット 「実は今回の事はすべてワシ等の起こした事なのじゃよ。」



GM といったところで今回はおしまい。

リック …実は詳しい裏設定考えてないだけだろ。

GM はっはっは。そのような事実。いったい何を証拠に…

リック 今「事実」って自分で行ったじゃないか。

GM しまった!!…って、うそうそ。ホントはちゃんと出来てるんだけど、細かいところでもう少し時間がほしいな〜と思っただけ。

リック ホントかよ…

GM 
それ以前に、どうやって話を終わらすかの方が、全然決まってない。

カイ またか…そういえば、アタシのお兄さんとか全然出てこないもんね。

GM はっはっは。何を隠そう今回すっかり忘れてたんだよ。

プリン 最後までこのノリなの?

GM オレのポリシーだから(笑)

リック 捨てろそんなポリシー!!


結局捨てきれないのである



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