SWリプレイ 第二部
第一話「指輪で物語」


前回までのあらすじ
 魔法王国ラムリアースで冒険者をしていた一行は、(いろんな意味で)波乱万丈な冒険の末、『一角獣の森』に隠されたエルフの聖地を奪おうとした暗黒神官の悪魔使いを倒した。
 しかし、その中でエルフの窮地を救うため、己の隠遁地を開放した古代王国からの生き(?)残りにして変人吸血鬼のレオニードは住み慣れた住居を放棄する事となった。
 冒険者一行は、レオニードの新たな住居を求めて旅立つのである。

登場NPC紹介
レオニード
 古代王国からの生き(?)残り。死霊魔法の奥義により、不死者(ノーライフキング)となる。他の不死者と(精神構造的に)異なり、凄惨な争いと流血を嫌いヤスガルン山脈で隠遁している。
モンスターレベル15の化け物。

ベティちゃん
 レオニードの配下にして食料にして愛玩動物にして心のよりどころ。ジャック・オー・ランタンである。が、場に流されやすく、精神的に脆く、戦闘になるといち早く気絶する
モンスターレベル6の怪物。

※注意:モンスターレベルは目安であって、実際の戦闘能力とは異なります。



GM パンパカパーン。プレイヤーおよびファンの皆様の要請もあり、これよりソードワールドリプレイ第二部をはじめます〜。

一同 (拍手)パチパチパチ〜

GM 第二部は第一部と違って、単発ではなくキャンペーン。

一同 おお〜〜

GM 
キャンペーンプロットもかの名作から壮大なストーリーを参考に作りました。

一同 おおお〜〜〜!!

GM 
かの名作の名は「Load of The Ring」!!

ハークス 
(即座に)ダウト

(一同爆笑)


※注意:TRPGはこのようにGMの嘘を暴くゲームではありません。


GM では、前回の経験点は2207点になります。

ウィン 今回もためる。次回でレベル6になる。

ジン 着実にファイター一本伸ばしだね。(笑)

ウィン 6レベルファイターまであと一歩…ふっふっふっふっふ

ハークス セージを4レベルにあげておくか。ソーサラー4レベルだから1000点少なくて習得できる。

パリス むむむ…シーフとしてはレンジャースキルを上げることに魅力を感じるけど…シーフ技能の為に我慢しなければウィンに差がついてしまう。

ウィン ふっふ〜ん。(自慢げな笑)

ハークス なんの争いをしているんだそこは?(笑)

ジン 撃墜率の争いでしょ。(笑)ボクは…セージかファイター上げたいな。でもいいや、ハークス兄者にセージの件は任せてプリースと上げるために貯めて置こう。

GM では、成長が終わったところで。
ピンポンパンポ〜〜ン。ここで連絡があります。

一同 ?

GM 
吸血鬼のレオニード君が実はノーライフキングであることが発覚しました。レオニード君のモンスターレベルが10レベルから15レベルにあがりました。

(一同爆笑)

ジン で、強くなると何かいいことあるの?

GM もちろん。ステータスがググッとアップするんだよ

ジン その上がった能力でレオニード君が何かの役に立つの?

GM 
……周りから脅威と見られる危険度が飛躍的にアップするかな。

ハークス 
それはかけらも役に立ってねぇぇぇぇぇぇぇ!!!

(一同爆笑)



GM さて、君達はレオニードの引越しを手伝っています。

ハークス 引っ越す先は決まったのか?

レオニード 「無茶を言うな。候補はあるがカストゥール王国崩壊から500年地形も変われば地名だって変わる。」

ハークス 探し回るのか…

レオニード 「なに、そう悲観するものでもないぞ。余生を暮らすだけだから。遺跡の中の宝物は君達に進呈しよう。」

パリス それだけがメリットだな…

GM とまあ、荷物を整理しているのだが、ある程度作業が進むと、レオニードが君達を呼ぶ。

レオニ−ド 「すまないが、少し頼まれごとをしてくれないか?」

パリス 他のまれ事?

レオニード 「うむ、実はこの住居は友人の物でね。元々保管庫として製作されたところに、私が住まわせてもらっていたのだよ。」

ジン …それって、宝物庫守る魔獣の代わりにノーライフキング置いたって事?

ハークス それは本当に友人か?

レオニード 
「いやいや。友人の好意を邪推するのはよくない。」

(一同笑)

パリス オレからの忠告は保証人の印鑑は押すなって事だな。(笑)

ハークス なに、ノーライフキングでも護衛にならない事は、その友人も十分理解しているんだろう。(笑)

レオニード 「でだ、まあ私もここを去るわけだが、友人の保管していた物をこのまま放置するわけにもいくまい。保管する程度には危険なものなのだからね。でだ、君達にそれを取ってきてもらいたいのだよ。」

パリス オレ達に危険になれという事か?

レオニード (目をそらす)

一同 おい!!(笑)

レオニード 「まあその辺は冗談だ。もちろん、中の罠などを回避する合言葉コマンドワードを教えておくから、それほど危険なことはない。とはいえ、誤作動などの危険もあるから、用心に越したことはない。そういう意味でも君達のほうがなれているだろう?」

ジン …モンスターレベル15ならどんな罠も意味ないと思うけど。

レオニード 
「君達は大事なことを忘れている。」

一同 ?

レオニード 
「実害はないという事と、怖いという事は別の問題なんだ。」

(一同爆笑)

ハークス 
自慢げに言うなあああああ!!!

パリス 
とことこんヘタレだな!お前はあああ!!!

GM というわけで、レオニードは君達を奥へと案内する。居住区の奥に、厳重そうな扉がある。レオニードは、扉の前に立つと君達のほうを振り返る。

レオニード 「ここだ。今解除のコマンドワードを唱えよう。『(下位古代語)我は汝の友にして汝の言葉を託されし者なり。さあ、扉よ開け。』」

GM その言葉に反応して扉は静かに開いていく。扉の向こうは通路が伸びているね。

レオニード 「さっきも言ったが、私は入ったことはない。罠や守護者はこれで動きを止めているはずだが、誤作動ということもある。十分に注意してくれ。」

ウィン ところで、保管されているものって何なの?

レオニード 「それは私にもわからない。とはいえ、そんな大掛かりなものではない。何かのマジックアイテムだと思う。」

ハークス 他のマジックアイテムと間違えたらどうするんだ?

レオニード 「それは安心していい。ここは保管所だ。罠と守護者以外、価値あるものは置いていない。」

ジン うう…得るものはないのね。

レオニード 「まあ、その辺は我慢してくれ。引っ越すにあたって不要な物などは処分するつもりだから、そこから十分な謝礼はできるはずだ。もっとも後払いだがな。」

ハークス 仕方ない。行くか。

GM おっと、レオニードが一組のマジックアイテムを差し出すよ。

レオニード 「これは、遠隔地に音を運ぶ魔法のアイテムだ。一組になっていてね。片方の音をもう片方に送る。私が一つ持っておくから、もう一つを君達が持ちたまえ。」

GM といって、その片方を差し出す。

パリス 誰が持つ?

ハークス やっぱりオレでしょう。魔法使いだし。

ジン 食べないでよ。(笑)

ハークス 魔法の品を食えるか。(笑)

GM さて、通路の中はほのかな明かりがともっている。



て、この迷宮基本的には一本道です。
1)悪魔の石像(何を模したかセージ判定失敗。真相は後述)がある広間。
2) 急な下り坂になり、折りきったところに無数の穴のあいた柱が一本たっている。その向こうはまた急な登り坂。
3) 正方形の部屋。床はチェス版のように白と黒のタイルが交互にひかれており、部屋の四方に弓を構えるケンタウロスの石像。
4) 左右に分かれた道。右側は2mほどで行き止まりとなり、行き止まりの壁に雄牛の首の石像が飾られている。左側は20mほどで扉に突き当たる。

遺跡内の中を説明したせいで、PC一同は「何かいやな予感がする…というか、絶対普通じゃおわない…」という予感を感じています。


<ゴーレムの間>
GM 扉を抜けると大きな円形のホールです。真正面に同じような扉が一つあります。

ハークス ほかには?

GM 扉の前に2mを超える人型の物体が扉を守るようにたっている。

ハークス <怪物知識>ね。「8」…『14』

GM それは分かるね。フレッシュゴーレムだ。モンスターレベルは7。

ハークス えっと下位古代語で合言葉だよな(GMから渡されたメモを取って)『我は汝の友にして汝の言葉を託されし者なり。さあ、扉よ開け。』…(気が付いた)ってそういうことか!!!!(笑)

GM ハークスが下位古代語で合言葉を言うと、一瞬の沈黙のあと、フレッシュゴーレムのギランと光って次の言葉があふれる。

フレッシュゴーレム 
「コマンドワードと対象が一致しません。警戒レベルが1ランクあがります。認証にあったコマンドワードをお願いします。」

パリス 対象認識能力付!!高性能だ!!

GM 入ってきたドアのほうから「ガシャンガシャン」と、鍵のしまる音が聞こえる。

ハークス 例の通信機でレオニードに通信するぞ。「おい!!レオニード!!対象限定付のコマンドワードってなんだ!!どうすりゃいいんだ!!」

GM では向こうから返信がくる。

レオニード 
「なに!?対象認証か?わかった私がそっちに…うわあ!!パリン(何かが割れる音)。うを!?これはまずい。ボグン(くぐもった爆発音)。ぐはぁ!!ギギー(何かがきしむ音)なんとぉ!?ガシッ(何かをつかんだ音)。ぐににに…あ!!ああああ!!ガシャンガシャンガシャン(何かがたてつづけに割れる音)。ブクブクシュワー(何か薬品が科学反応する音)。の、のおおおおおおお!!!!(悲痛な叫び)。ズガァァァァン(大きなものが倒れる音)……

GM ツーツーツー…(笑)

(一同爆笑)

パリス (うつろに笑いながら)わかってた。オレこうなることわかっていました〜。

ハークス 通信機を地面に投げ捨てて踏みにじっておこう。(笑)

ウィン 私、TRPGしていて気がついたことがあるの。

ジン 何?

ウィン 
TRPGってNPCを頼りにしちゃいけないんだよね。(笑)

GM 
NPCはでしゃばらない。マスタリングの基本です。

パリス 
サポートぐらいはさせろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

(一同笑)


さて、第二部最初の戦闘はフレッシュゴーレムとの第一戦。
エルフがゴーレムにナチュラルに武器でダメージ与えておりますが、パリスの攻撃はそれほど振るわず。ウィンの高い命中で確実に倒す戦いとなりました。

戦闘シーン1−1「Vsフレッシュゴーレム」


GM さて、ゴーレムは倒れてピクリともしない。

ハークス さて、もらうものもらって帰るか…

パリス このまま回れ右して帰ってはダメかね?

ハークス 侵入者と認められた以上、どうせ帰り道の部屋のトラップは起動しているって事だろ。

GM (ニコニコ笑ってる)

ジン 
うわ!!マスターがいい笑顔してる!!(笑)

パリス んじゃ、ゴーレムの守っていた扉を調べるよ。罠感知「9」『16』

GM 罠はないと思った。でも鍵がかかっている。

パリス <鍵開け>…うほ「3」で『10』にしかならねえ。(笑)

ハークス さっきの戦闘のダイス目はどうした?(笑)

パリス 罠相手だと気合が入らなくって…再挑戦『15』

GM それで鍵は開いたね。



<宝物庫>
GM ここは正方形の小部屋だ。壁に装飾はまったくなく、中央に台座があり、その上に指輪が一つ置かれている。

ジン 指輪?

GM 銀色をした指輪だ。それ以外は何もない。

パリス 罠発見『15』

GM 罠はないと思ったよ。

ハークス <センスマジック>隠れた魔法生物がいてもこれでわかる。「7」で魔法発動。

GM 指輪から魔力を感じる。

パリス 誰が指輪を取る?

ハークス レオニードは簡単に魔力は発動しないといっていたけど…レオニードだらかなあ…

(一同笑)

パリス じゃあ、取ってくるか。

ハークス 一応<カウンターマジック>で精神抵抗+2にしておこう。

GM パリスが指輪をつかむが、指輪は特に無反応だね。(内心:最初につかんだのはパリスか…ま、指輪発動のチャンスはまだあるさ。)

パリス ………………

一同 ?

パリス 
…………いとしいしと。(笑)

(一同笑)

GM 違うわ!!

パリス だって、名作をプロットにしたんだろ。(笑)

GM 事実だがそういう効果はないよ。(笑)

ハークス 一応鑑定しておくか。『17』

GM (内心:きた!!)

パリス 「11」で『14』だ。

ジン 「6」で『10』だね。

GM ではハークスは指輪の内側に何か文字が掘り込まれているのがわかる。でも、古代語ではないね。

ハークス 読めないの?

GM ハークスには読めない文字で掘り込まれている。

ハークス 上位古代語でも下位古代後でもない?古代王国の品じゃないのか?

GM そして、ジンが指輪を鑑定しようと触った時、指輪が赤い光を放ち始める。

ジン ほえ?

GM そのまま、銀色の指輪はうっすらと赤い光を帯びる。

ハークス で、文字が浮かぶわけだな。

GM 元から彫ってあるよ(笑)

ジン で?ボク精神抵抗とかいるの?

パリス 今度はジンを攻撃できるのか…(笑)

ジン 
なんかうれしそうだ!!!

(一同笑)

GM いやいや。赤い光を帯びただけ。特に他におかしなことはおこらないよ。

ハークス なんか伏線張ってるぜ。

GM キャンペーンですから。(笑)

パリス ま、その辺は帰ってレオニードの判断を聞こう。戻ろう。

GM (さて、ダンジョン脱出シナリオ開始〜)



<牛歩の間>
GM では、君達がドアを開けるとまっすぐな通路です。通路は20mほど進んで右に枝分かれしており通路はその先5mくらいで行き止まりになっている。

ハークス で、行き止まりに雄牛の顔の彫刻だな。

GM うん。

パリス 
そういえば、安全だからって詳しく調べなかったな。(笑)

ハークス 盗賊の心得を忘れるな盗賊。

パリス 
大丈夫。戦士の心得は一言一句もらさず覚えている。(笑)

ハークス 
何が大丈夫なのかわからんが、それは忘れてもいいよ(笑)

ウィン じゃあ進むか。隊列は私とパリスが前でハークスとジンが後ろね。

GM 了解了解。では、10mほど進んだところで<危険感知>をしてください。

パリス <罠感知>じゃないの?

GM <罠感知>は能動行動だからね。レンジャー技能の<危険感知>でどうぞ。

パリス 「6」で『9』

ウィン 「4」で『7』

GM 平目で出るレベルかよ。まあ、ムリだね。君達は床がかすかに沈んだ気がした。そして、カチリという何かスイッチの入った音が聞こえる。

パリス ゲッ。

ウィン 敵かな?(笑)

ジン うれしそうだ。(笑)

GM うむ。まず、枝分かれした脇道の入り口に鉄の格子が下りる。そして、通路の先の行き止まりの壁が、左右にゆっくりと開く。

ハークス その先には雄牛の化け物?

GM いいカンをしてらっしゃる。正確には、雄牛の彫像をそのまま頭にした雄牛の彫像だ。高さ1.5m大きさ2.5m

ジン でか!?

GM 牡牛が一歩足を踏み出すと、その体が真っ赤に灼熱し始める。

ハークス バルログ!?

GM 灼熱だよ。全身が真っ赤になる。

パリス 
バーサーカーモード!!!まずい、光って唸る!!(笑)

GM 唸らねえよ。まあ突進系攻撃だがな。石の雄牛は目を真っ赤にすると、君達のほうに突撃してくる。


オリジナルモンスター「ブロンズブル」との戦闘です。
ブロンズブルは回避が低い代わりに防御点が高いと、このパーティーでは、強敵となる…はずだったのですが、データ上でクリティカル無効を忘れていたため、クリティカルで大ダメージを食らいます。ええ、奴のクリティカルです。

戦闘シーン1−2「青銅の牡牛を受け止めるか?


GM さて、鉄格子だが牡牛を倒すとゆっくりあがっていくよ。

ハークス よし、進むか。



<ケンタウロスの間>
GM 扉の向こうは正方形の部屋だ。床はチェス版のように白と黒のタイルが交互にひかれており、部屋の四方には大きな台座が置かれ、その上に石でできたケンタウロスの像が置かれている。

パリス その像も動くんだろ。

GM もちろんです。君達がドアを開けると、すでにスタンバイしていたケンタウロスが石の矢を放ちます。


 さて、この部屋には転倒の罠が仕掛けられており、石像に攻撃を仕掛ける一行を邪魔するのですが、一行は詳しく調べもせずに、対処だけして特攻。
 転倒すること前提で敵を弱くしたため、そこそこ消耗させるだけで終わりました。

戦闘シーン1−3「石の人馬に跪け」


<触手の間>
GM さて、道は下り坂になっている。そのまま進むと、その先で水がたまって通路をふさいでる。

ハークス 水?

GM うむ。無色透明というには程遠いが、にごった水だ。

パリス げ・・・水って事は泳ぐ必要があるって事だ。使える武器を限定されるし。

一同 ふむふむ

パリス 確か防具はソフトレザーまで。

ウィン 
(大声で)そんなぁ!!!!

(一同笑)

ハークス 
そこで驚くなよ。あと、生命力ラウンドしか泳げないんだっけか?

GM うむ。後、水中では命中と回避判定にー2のペナルティがかかる。

パリス …このパーティーはシャーマンがいないから<ウォーターブリージング(水中呼吸)>も<ディクリーズ・ウォータープレッシャー>もないんだよな・・・

ジン 
エルフは要るけどね(笑)

(一同笑)

GM (内心:まあ、この水は精霊力のない『死んだ水(=自然ではない水)』なんだけどね・・・)

ハークス 水は普通の水?

GM (普通じゃないけど)ただの水。特に体に異常をきたす薬品ではないようだよ。っていうか、500年もたったら薬って劣化したりしないのかな?

パリス まあいいんじゃない。ポーションだって毒だって効果ある見たいだし。

ジン (キャラクターシートを見て)あ、ボク水中呼吸の指輪持ってる。

GM え?

ジン ほら、古代遺跡で見つけた4つの指輪の一個。(第9話参照)

GM (内心:うを、ほんとに水中呼吸の指輪渡している!?当然これは精霊魔法じゃなくて、水中呼吸の指輪だから精霊力関係ないじゃないか…)

ハークス 誰かもぐって偵察に行ったほうがいいんじゃないか?

パリス となるとオレだな。

ウィン 
む!?

(一同爆笑)

ハークス 
なに変なライバル心を出してるんだこのエルフは(笑)

パリス まあ、行きたきゃ行ってもいいけど。絶対なんか罠があるよ。

ウィン むう。

パリス 水中で使える武器はダガーか…確か、装備してるとダメージ減少にボーナスのつく魔法のダガーがあったな。(第6話参照)それに、ウィンのもってる保護の指輪もつけて。ダメージ減少7。これで防具なしでも何とかなる。

ハークス 俺の鎧つけていくか?ソフトレザーだから水中でも大丈夫だぞ。

パリス …どう考えてもLとLLLくらいサイズ合わないと思うんだけど。マスターいいの?

GM まあ、ルール的には問題ないからね。

パリス OKOK。んじゃ。もぐりますか。

GM ハイハイ、水はかなり濁っていて5mくらい先しか見えない。

パリス シャーマンの<インフラヴィジョン>ではむりか。無理だな。闇じゃないし。じゃあ、警戒しながら進むよ。

GM オッケイオッケイ。では<不意打ち判定>と行きますか。パリスは警戒しているからペナルティーは-2になります。

パリス 警戒しててもペナルティか。

GM 警戒していようと水中で、さらに視界が悪い事に変わりはありませんから。こっちは「10」だけどペナルティあるから…『11』

パリス …「7」だ。こっちは『11』

GM では、不意打ちはないね。しかし、視界が悪いので5mまで近づいたパリスは敵の攻撃範囲に入っっていた。パリスをウネウネと動く触手が襲いかかってくる。

パリス 触手!?どんな触手?

ウィン タコ?タコ?

GM ドルアーガの塔のローパーみたいな。吸盤はないよ。

ウィン わたし今、タコ料理にはまってて…(以後脱線のため中略)

GM タコじゃないって(笑)こちらの攻撃。パリスは三回回避して。

パリス 『13』,『14』、『14』。

GM では、全部避けた。すごいな−2のペナルティ入れたか?

パリス うむ、『8』と『9』しか出なかった。急いで戻るね。

GM では、パリスが戻ってくる。

パリス カクカクしかじかで話すね。

ウィン 塩もみに一票。(笑)

GM 
だからタコじゃないといってるだろう。

ハークス 
そうだ、食べる系のネタはオレのものだ!!

パリス 
おまえも、何わけのわからない所で『こだわり』見せてるんだああああああ!!

(一同爆笑)

ハークス さて、水中呼吸の指輪があるから、これは魔法を使えるオレかジンが持つとして、ウィンとパリスで触手斬り飛ばすでいいか?

ウィン 鎧は?(泣)

ハークス
 置いて行け。倒したら取りに来ればいいだろ。(笑)

ウィン 
許すマジ。(笑)

パリス 指輪とダガーでダメージ減少1点づつ減るから、前衛のオレとウィンでもとう。オレは自前の銀のダガー使うからオレが指輪でウィンが魔法のダガー。万が一通常武器無効だったらまずいからな。

ウィン わたしの方が回避力高いから鎧(=ソフトレザー)はパリスでいいよ。

ハークス …事前に魔法かければ別に中はいってまで魔法使い事もないな。<プロテクション><ファイアウエポン>をウィンとパリスに。


※ウィンの持つ魔法のダガーに<ファイアーウエポン>はかかりません。ルールミスでした。


ジン じゃあ指輪はボクが持つね。

ハークス 何かあったら貸せよ。

ジン 今までの経験上ないと思うけどね。(笑)


て、結構余裕綽々で始まった水中戦闘。
最初のパリスのクリティカルで敵の生命力の大半を奪ったのですが、途中でジンはキュアウーンズで1ゾロを出し、一気にピンチへ。
 ジンが敵の攻撃で昏睡してしまい、回復がなくなったものの、何とか敵を葬りました。
『この戦闘の教訓:強打の使用は用量用法を守って正しくお使いください』

戦闘シーン1−4「水中と触手と」


ハークス 昏睡してるジンはどうする?

パリス レンジャーの<応急手当>で直そう。これで生命力1の状態に戻る。

ジン 気がついていいのね。じゃあ、皆に<キュアウーンズ>もちろん自分にも。

ハークス 精神力が危なくなったから、オレの魔晶石をジンに渡しておこう。こっちにはまだ使い魔がいる。



<悪魔の間>
GM さて、その部屋に入ると一匹の化け物が待っている。

ハークス 今度はなんだ?悪魔の石像か?

GM 正確にはハズレ。石像ではない。悪魔だ。赤銅色の肌をした人型。特徴は長い尻尾を体に巻きつけている。前に見た(第9話参照)サルバードによく似ているけど、それより強そうだ。

ハークス …

悪魔 「(下位古代語)指輪を取ってきたようですね。結構結構。早速ですがその指輪を渡していただきましょう。」

ジン …だれ?

悪魔 「おっと、名乗りを忘れていましたね。私はレパルド。魔法使い(カストゥール人)から
上位魔神と呼ばれています。」

ハークス (驚く)上位魔神!?

魔神レパルド 「ええ、あなた方の持っている指輪を手に入れたのは私なのですよ。それは私が持つべきものなのです。」

パリス じゃあ、何でお前が持ってないんだよ?

魔神レパルド 「残念なことに、私を支配していた魔法使いに取り上げられてしまったのですよ。もっとも、その魔法使いはもういませんがね。」

ハークス 指輪なんか持ってないとか言えるかな?

魔神レパルド 「ムリですな。私が石像の呪縛から解ける条件が、指輪がなにものかに奪われた時です。さあ、渡していただこう。」

パリス そもそも、この指輪はなんなんだ?

魔神レパルド 「ふむ。ま、いいでしょう…」

GM (キャンペーンのネタをここでバラすわけには行かないな)

ウィン 
教えてくれるみたいだ。(笑)

パリス 
結構いい人だ(笑)

魔神レパルド 
「あなたたちを殺して奪えばいいのですから。」

(一同爆笑)

パリス 畜生。所詮は悪魔か。(笑)

ウィン ねえ、上位魔神って強いの?

ハークス 10レベル以上だな。

ウィン お〜。

ジン 嬉しそうだよこの子。(笑)

GM と、君たちが切迫して構えた時。迷宮の出口の方から声が聞こえる。

声 「お〜い。誰かいるのか〜」

GM 入り口から現れたのはもちろんレオニードだ。

レオニード 「ああ、よかった声がするから。来て見たんだが…」

GM と、レパルドを見てレオニードは固まる。

(一同笑)

GM そして、魔神もレオニードを見て固まる。

魔神レパルド 
「(裏声)魔法使い!?…ノ、ノ、ノ、ノ、ノーライフキングゥゥゥ!?

(一同爆笑)

ジン あ、気がついたらしいね。

GM ノーライフキングの知名度は13ですからな。ちなみにレパルドは知名度16で上位魔神では平均的。

魔神レパルド 「マナよ。我を彼我の地へ運べ。<テレポート>」

GM 魔神はすばやく魔法を唱えると姿を消す。

ハークス おう、助かったか。

GM でもって…

一同 ?

GM 
レオニードが固まったままの姿で後ろに倒れる。バッターーーン。

(一同爆笑)

パリス 
ホントにこれに助けてもらってよかったのか?

ハークス 
いいんじゃない。結果的には。(笑)

パリス 
……このままレオニードにとどめを刺すってアリかな?

ハークス 
やめろ。賛成したくなるだろ。(笑)

(一同笑)

ジン じゃあ介抱するね。

GM まあ、そんなことしないでも気がつくけどね。

レオニード 「い、今、なんかすごい化け物がいた!!」

パリス 安心しろ。お前以上の化け物はそうそういない。15レベル。(笑)

ハークス もう転移したよ。

GM それを聞くとレオニードは安心したようだ。

レオニード 「そうか、それはよかった。君たちの通信があった時に薬品棚が倒れてね。」

パリス あ、そうなんだ。

ジン 
あれ?薬品棚が倒れたらここら一帯汚染区域になるんじゃないの?(第9話参照)

GM (しばし考えて…)

レオニード 
「(しみじみと)危ないところだったぁ…」

(一同爆笑)

ハークス 
何で、さっき止めさしておかなかったんだろうな。(笑)

パリス 
やめろよ。今からでも遅くはないとか思っちゃうだろ。(笑)

(爆笑継続)

GM さて、レオニードは君たちを元の居住スペースに案内するよ。居住スペースは散々たる有様です。まあ、整理する手間はなくなったことは君たちも理解できます。おそらく無事だった出あろう荷物は残り少数です。

ハークス 荷物整理が早くなったと見るか。それとも俺達への報酬が減ったと思うべきなのか…

レオニード 「大丈夫。大半がディア(ハークスの父)に贈与する本や薬品だ。」

ハークス ならいいや。

GM レオニードは何とか無事な箱や椅子などを君達ように差し出す。

レオニード 「ところで、保管品の方はどうだったのかな?まだなら、私も行くが…いや、怖いから君達に護衛してもらって…」

ハークス まあ、ちゃんと持ってきたよ。

パリス しかし、勘弁してくれよ。合言葉は他人が使えないなんて…

レオニード 「いやいや。そんな高度な判断力を持たせているなんて、私も知らなかったのだよ。ところで保管していた品なんだったのかね?」

ジン 指輪なんだけど。なんか、動き出しちゃって…

GM それを聞くとレオニードは困惑の表情を浮かべる。

レオニード 「なんと。それは困ったな。危険なものである可能性が高いんだぞ。」

ジン 触っただけで動き出すなんてわからないよ。

レオニード 「さわっただけ?おかしいな。安置するほどの物がそんな安易に動き出すわけはないのだが…見せてくれ。」

GM レオニードは指輪をしげしげと眺める。

レオニード 「ふむふむ…赤く光っている。なるほど、発動しているのか。…どれ…万能なるマナよ…」

GM レオニードが呪文を唱え終わり改めてその文字を読み始める。
瞬く間に、病的なまで青いアンデットの顔に、びっしりと冷や汗が浮かぶ。

レオニード 「…これは、まさか…」

GM そういうと、レオニードは君たちに指輪を返し。置いてある荷物を背負うと、シュタッと右手を上げる。

レオニード 
「では、私たちはこれから地下深くにこもる。では、さようなら。」

一同 
ちょっとまてええええええ!!!

(一同笑)

ハークス 事情を話せ。事情を!!!

レオニード 「わかったわかった。いいか。
これは巨人の指輪だ。

一同 (しばし沈黙)…は?

ジン つけると巨人になる?

レオニード 「そんな生易しいものではない。この指輪は、かつてカストゥール王国の軍勢をたった二人で退けた巨人の持ち物なのだよ。」

一同 はぁ?

レオニード 「カストゥール王国時代。魔法使いは多くの異種族を支配した。その中で、最後まで抵抗した種族が巨人族だ。その中で、部類の強さを持った二人の巨人がいた。我々は雲の巨人と嵐の巨人と呼んだ。その力はカストゥールの魔術師でも対抗できない巨人だ。膠着状態になった戦局を打破したのが、召還魔術師アズナディールの発見した悪魔召還だ。奸智に長けた悪魔がこの二人の信頼の証である指輪を盗み、二人の巨人は仲たがいをした。結果、巨人族の戦線は崩壊したのだ。

パリス ああ、さっきの上位魔神ね。

ハークス …んで、それがなんだというんだ?

レオニード 「その指輪は、悪魔によって盗まれた指輪だ。そして、指輪の力が動き出している。それは裏切りの証だ。これまでは指輪をなくした故に、相手の不義理を怒っていたもう一人の巨人は今、完全無欠の裏切りの証を感知し怒り狂っている。おそらく、その指輪を狙ってくるだろう。

ハークス ちょっとまて、たかが触っただけだぞ。その程度で発動する指輪かよ。

レオニード 「触ったことが問題なのではない。誰が触ったかが問題なのだ。」

ジン ほえ?ボク?

ハークス ドワーフが触るとまずいのか?

レオニード 「いや。種族は関係ない。」

ウィン え?人間に寝返ったと誤解されたからじゃないの?

ハークス …種族じゃない?

パリス (気が付いた)…となると…え?ってことは……まさか…

ウィン …性別?女?

レオニード 
「そうだ。彼女が触ったことにより指輪の力は発動した。嫉妬深い妻は夫の浮気をした証拠を手に入れるべく怒り狂って奪いにくるだろう。

ハークス ちょっとまて!!(笑)

パリス ただの夫婦喧嘩か!?(笑)

レオニード 
(深刻な顔で)「カストゥール末期の軍勢に対抗していた夫婦の喧嘩だぞ、どれくらいの被害になるかわかったものではない!!」

ハークス 
くっだらねええええええええええ!!!!

パリス 
何でお前達はもう少しまじめに災厄おこそうとしないんだああああ!!!

(一同爆笑)


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