SWリプレイ 第二部
第四話「本日のメインイベント」



PC紹介

ハークス 使い魔&魔晶石を追加武装した移動式自動回復系魔力の塔。尽きない精神力。
ジン プリースト技能所持の遊び人。無限の回復を今ここに、切れない回復。
ウィン 戦斧に板金鎧。ミスマッチの漢前。エンターティナーの表看板。森の乙女の重戦士。
パリス 地価迷宮の忍者が帰ってきた。バスタードソードで命を狩るシーフという名の堵殺人。


主要NPC

レオニード 前回派手に暴れた(比喩表現)せいで今回はおとなしい。アレクラスト最強の男。


GM  さて、前回の経験点を渡そう。1163点だ。結構がんばったからね。

パリス これでオレも6レベルだ。

ウィン む。

パリス ふふふふ。負けねえぜ。

ジン ボクはプリースト技能のためにためておくか。ファイター取りたいけど。今は我慢。

ハークス オレは…3000点でセージ技能を取ろう。これとればソーサラー技能が安く取れる。

GM  了解。これで全員5レベル以上か。強くなったね〜。

ハークス 強く…なったのか?

(一同笑)



GM  さて、君達は巨人の指輪を穏便に返還すべく旅を続け、ついにロマールに到着しました。ロマールは指輪の持ち主がいる巨人の国「ドゥーデント」に最も近い人間の国家です。ちなみに中原地方最強の国家でもあります。

パリス 近年隣国を併合したアレクラスト唯一の国家だからな。

GM  ロマールの特筆すべきものは剣闘士が命がけで戦う「闘技場」と、合法違法お構いなし人身売買だってここでは合法の「闇市」です。最近ではアレクラスト最大の裏組織「盗賊ギルド」が反逆者の背中の毛を計るということで有名になっています。

(一同笑)

ハークス 特筆すべきところはそこかよ。

GM  さて、君達はファンドリアを抜けロマールの王都ロマールに到着しました。ちなみに、忘れているかもしれませんが、君達はハークスの父親ディア・ホーネイ氏よりロマールの知人宛の紹介状と、ラムリアースの冒険貴族ロバート卿から贈呈品としての「封印の壷」を預かっています。

ハークス 中身不明の壷か。さて、どこに行くか?

ウィン 
(即座に)闘技場!!

(一同笑)

ハークス 
何でじゃあああああああ!!!

ウィン 
エルフとしては絶対無視できません。(笑)

パリス 
エルフだからこそ敬遠しろ(笑)。

ジン まずは無難に宿屋じゃない?レオニードもいるし。

GM  うむ。レオニードは、いつもどおり、昼寝て夜起きる健康的な生活をしているよ。(笑)

ジン 健康的…

GM  
夜中に勝手にウロウロ徘徊とかしたほうが良かったか?(笑)

パリス 
寝てろ。昼も夜も。(笑)

ハークス まずは、宿屋を探して休むとしよう。何処かいいところある?

GM  うむ。君達は冒険者の店「風の魔術師亭」を紹介される。昼頃になるけど、結構混雑しているね。君達が泊まる部屋はあるよ。

ハークス では、飯を食ってから出かけますか。まずは4人前。

パリス わかってるよ。俺達は各自で頼むんだろ。(笑)

ハークス デザートにもう一人前。(笑)

GM  一人前3ガメルね。



パリス さて、どうするか。アレクラスト最大の盗賊ギルドに顔を出しておこうかとも考えたが、ドゥーデント行くなら、わざわざ挨拶に行って上納金払う意味はないな。必要になったら行けばいいんだから。

ハークス ところで、紹介状の宛先書かれているの?いったい誰を紹介されてるわけ?

GM  うむ。まず、ハークスの父親ディア・ホーネイ氏からの紹介状は、彼が冒険者時代に懇意となった店
『奇跡の店』と書かれているね。(笑)

パリス 奇跡の店かよ!!


※ソードワールド設定のひとつ。(SW小説『ロマールの罠』『死せる神々の島』等参照)マジックアイテム販売の聖地とも言われるロマールで信用できる冒険用の品や魔法の道具を扱う正当派冒険者御用達のお店。現在二号店をオランに出店中。


パリス もう一つは?

GM  ロバート卿の紹介状には、『ロマール貴族デュナス公』となっているね。 

一同 ?

GM  (あ、やはり知らないか。まあ、知名度は微妙だしな。)


※こちらも、古いソードワールド(&ロードス島戦記)ファンなら知っているマイナーキャラクター。出展が『アイテムコレクション』とSW公式資料ではないためちょっと微妙。闘技場の有名人『剣匠ルーファス(ロードス島のカシュー王の若かりし頃)』の敵役(?)。
でしたが当時より20年ほど立っている為、代替わりしています。別人別人〜♪


パリス まあ、「奇跡の店」でいいんじゃないか?そこで公爵の事は聞けばいいんだし。

ハークス だな。

ウィン 闘技場は?(笑)

ハークス 
忘れろ(笑)

ジン 奇跡の店なら魔法の武器とか置いてるかもよ。

ウィン 仕方ない。我慢するか。

GM  では『奇跡の店』に移動します。街の比較的はずれのほうにある歴史を感じさせる商店です。

ジン では、入るとしようか。たのも〜。

ハークス そういって入ってひどい目にあったことを忘れたか。(笑)(第一部第二話参照)

GM  まあ、今回は何も飛んでこないけどね。店内は所狭しと品物が並んでいる。すべてに魔法がかかっているというわけではないが、明らかに魔法の品や見たことのない古代の工芸品が並んでいる。店内には一組の中年の夫婦がいて、君達が入ってくるとにこやかに挨拶するよ。

店主「いらっしゃい。新顔だね。何をお探しかね?」

パリス あれ?奇跡の店ってハゲ親父じゃなかったっけ?

GM  ふっふっふ。調査は怠っていないさ。その親父はオランに移住したのだよ。今は、その息子夫婦が運営しているのだ。(SW小説「死せる神々の島」「ロマールの罠」参照)

パリス ああ、そんな設定もあったな。

ハークス あれ?オレの親父の紹介状って、この夫婦宛じゃないよな。

GM  奇跡の店の親父がロマールをでたのはここ数年の間だよ。

ハークス あ〜、まいいか。一応紹介状を渡してみよう。

GM  紹介状を受け取ると、夫婦はすまなそうに頭を下げて、先代がオランに行ってしまった事を告げる。もちろん、この夫婦ができる限りのことはするとは言ってくれるよ。

ハークス あ〜。それじゃぁ、ドゥーデントに行きたいという話しをするけど。

店主 「ドゥーデントですか?ホーネイさん。それは無理ですよ。」

ハークス なんで?

店主 「ちょっと前なら、少しばかりの交易があったんですが、数年前にロマールが軍隊を派遣しましてね。今は封鎖されて、人食い巨人が闊歩しているって話ですよ。」

パリス あ〜封鎖されてたっけ?たしかSW小説「自由人の嘆き」で。

GM  そんないらない所はしっかり調べてきました。(笑)

ジン で、どうしよう。

ウィン 
中央突破(笑)

ハークス 
無茶言うな。第一オレ達は巨人討伐に来たんじゃないんだぞ。(笑)

パリス ドゥーデントに詳しい人を紹介してもらえないか聞いてみよう。

店主 「ドゥーデントに?う〜ん…ドゥーデントに攻め込んだ傭兵隊なら少しはわかるかもしれないな。…そういえば、ドゥーデントに道ができた時、何とかって賢者が仲介したって話だ。名前は…すまん、覚えておらんわ。魔術師ギルドなら記録が残っているかもしれない。」

ハークス まあ、いいや。そうだ、デュナス公爵って知ってるか?

店主 「デュナス公…ああ、古くからのロマールの大貴族の一人ですね。」

ハークス 何か、面白い話とかない?

店主 「そうですね。デュナス公は先代から剣闘でも有名ですよ。何人も腕のいい剣闘士を抱えておられますよ。歴代のチャンピオンとか。今でも大きな大会では必ず上位に入るとかで。そちら方面でも名士の一人ですよ。」

店主の妻「先代のころは、いろいろ血なまぐさい噂もあったんですよ。目障りな剣闘士相手に怪物を戦わせたとか。まあ、最近ではどこの闘技場もそういうのは珍しくはないんですがね。」

パリス ああ、デュナスってアイテムコレクションのキャラか。たしか…『デステスト』の。

GM  思い出したか。(笑)

ハークス あ〜。あの…そんなところに中身不明の封印の壷もって行くのかよ。(笑)

ジン 絶対何か騒動が起こるね。

ウィン 闘技場関係者なら問題なし。(笑)

パリス ありまくりだ(笑)。

ハークス まあ、問答無用で行く必要があるんだがな。そうだ、奇跡の店なら魔晶石でも買っておくか。

GM  まあ、その程度の魔晶石ならいくつも置いてあるよ。

ハークス 何か面白いマジックアイテムとかある?

ウィン 魔法の鎧!!

GM  ルールブックを見てね。ちなみに、エルフの着れる板金鎧はないよ。(笑)

ウィン ちぇ〜

ハークス (リストを見て)高いな。

GM  うむ。調べてみたんだが魔法の道具ってサラッと万単位なのよ。

ジン 何も買えないな。

GM  まあ、闇市を回れば欲しい物はたいてい売っているということで。

ハークス ま、魔晶石だけでいいか。2点と3点のを買おう。

GM  お金を減らしておいてね。



GM  さて、買い物は一通り終わったね。どうする?

パリス デュナス公に封印の壷を届けるの

と、魔術師ギルドにドゥーデントに詳しい人を紹介してもらうのと、どっちかって事か。

GM  そろそろ夕方になると思ってくださいな。

ハークス となると…貴族のデュナス公爵の所だな。

ジン なんで?

ハークス 
夕食が出る(笑)

ジン それかい(笑)

GM  では、デュナス公の館に移動しましょう。上流階級街にある大きな屋敷に到着しました。

ハークス では、門番に紹介状を渡そう。

GM  うむ、最初君たちの姿をいぶかしんでいたが、紹介状のロバート卿の印章を見せると中に通される。豪華な玄関ロビーに案内される。いくつもの絵画や美術品が飾られているね。

ジン 豪華なのね。

GM  うむ、さりげなく著名な美術家の作品を置いたりと、さり気にセンスがキラリと光ってるよ。やがて、執事が現れると公爵が君たちを呼んでいる。と迎えに来た。

パリス 壷は?もってていいの?

執事 「旦那様に直接お渡しください。」

GM  というと、一礼して一室に案内される。その部屋は、どうも私室らしく落ち着いた雰囲気の部屋だ。部屋にある机に一人の青年が座っており、君達が入ってくると迎えてくれる。

青年(以後デュナス公)「ようこそロバート卿の使いのものよ。遠路はるばる良くぞ参られた。」

パリス では早速、壷を渡そう。「ラムリアースのロバート殿より預かっていた品です。」

GM  デュナス公は壷を受け取ると、慎重にそれを調べる。

デュナス公「…うむ、確かに。使者の方々お役目ご苦労。たいした事もできないが今晩は我が館で疲れを癒したまえ。異国からの客人として迎えよう。」

GM  と、豪華な寝室をあてがわれ、夕食にも呼ばれるよ。

ハークス ほほう、夕食ですか。(笑)

GM  それほど量はないけど、珍しい材料を使った料理です。さて、君達が料理に舌鼓を打っていると、デュナス公が話しかけてきます。

デュナス公「ロバート卿の手紙より、君たちは素晴しい冒険者と聞いているのだが、
何か珍しい武勇伝というのはないのかね?

(一同笑)

ハークス 武勇伝?(笑)

ジン どれの話だろう?(笑)

ハークス 
無難な話をすればいいんじゃないのか?

ジン 
(本気で悩む)……どれ?

(一同笑)

パリス 
口外できるまともな話がねえ!!(笑)

GM  
おいおいおいおい!!色々あるだろ!?(笑)

パリス 機密に関するからユニコーンの森関係はダメ。レオニード関係も当事者いるしダメ。ロバート卿関係の話だってそうだし。ファンドリアも…アレは話していいのか?

ハークス ある意味はなしてはまずいような気がする。隣国だし。

GM  
…ほんとに話せる事がない!!

(爆笑継続)

パリス ああ、アレだな古代遺跡にでももぐった無難な話があったろ。マンティコアの出てくるやつ。アレの話をしよう。

ジン ラーダ神殿の依頼とかあったよね。ラーダの司祭としてあまり公言してほしくないけど。(笑)

GM  (内心:ううむ。本当にまともに公言していい話がないな…)

デュナス公 「なるほど、すばらしい冒険を繰り広げたようだな。あのロバート卿が信頼するわけだ。」

ジン 
なぜだろう。その評価を純粋に喜べない。(笑)

パリス そういえば、今回持ってきた壷って何なんだ?

デュナス公 「うむ。あれは封印の壷と言ってな。古代王国の遺物だ。ロバート卿がロマール遊興の折、当家の領土に出る怪物を退治してくれてな。その怪物の住処となっていた遺跡にあったものらしいのだ。」

ウィン ちなみに怪物って?

デュナス 「最初の報告では妖魔だった。が、いざ退治に出かけるとその背後に恐るべき魔獣がいたとか。その魔獣の住処であった古代遺跡にあったという話だ。」

ハークス 
そのころから遊びに行ったらそんな騒動に巻き込まれていたのか…(笑)

デュナス公 「あの時も、卿といっしょに出かけた護衛の者もたいそう疲れておったな。

(一同笑)

デュナス公 「まあ、私としても、ロバート卿の功績と武勇を称える意味もあって、その壷をロバート卿に差し上げたのだ。」

ジン で、今回ソレを譲ってもらったと。

デュナス公 「うむ、何が封印されているか気になってな。何せ、私の領地からの出土品だし。」

ジン 開けちゃだめですよ。(笑)

デュナス公 「もちろんだ。その辺のことはロバート卿にも念を押されたよ。私としては、ある程度調べたら魔術師ギルドにでも渡そうかと思っている。」

ハークス 
おお、良識派だ。

GM  
ロマールは人口多いからな。

(一同笑)

パリス 
その言葉を聴くと良識派が少数だと聞こえてくる(笑)

ハークス 一応、ドゥーデントの事を聞いておくか。

ジン ドゥーデントに詳しい人の事もね。

デュナス公 「残念ながら、ドゥーデントに関して話せることはない。ただ、ドゥーデント侵攻時に捕らえた巨人が闘技場で戦うこととなり、人気を博したとの事だ。私は領地で用事があり見れなかったのだが。実に残念だ。」

ウィン その巨人はどうなったの?

デュナス公 「お恥ずかしい話なのだが、闘技場側の管理の問題で逃げだれてしまったらしい。あの時は、巨人が観客席にまで上がって、さらに魔法を使って逃げ出したとの事で大混乱となった。闘技場が一時期閉鎖することになり。主催していた貴族達に責任追及が着たりと色々あったようだ。」

GM  と、そんな感じで、やがて夜も更けます。デュナス公は晩餐をお開きにして自室に戻るよ。君達にもくつろぐように言うけどね。一泊くらいは部屋を貸してくれるけど。

ハークス うし、では今日は泊まるか。宿代もったいないけど。いい機会だし。明日魔術師ギルドでドゥーデントに詳しい人のことを調べるとしよう。



GM  では次の日です。魔術師ギルドでは特に問題なく『マーフィン』という賢者のことを教えてくれます。魔術師ギルドには加盟していない賢者の一人ですが、巨人の研究に関してすばらしい論文を発表したとか、ドゥーデントとの交易にも一役かうといった功績で名誉教授(賢者)の称号を魔術師ギルドが与えたりしてたんだけど、ドゥーデント侵攻に真っ向から反対して、貴族に直談判したりしたが聞き入れられず、侵攻後は気落ちしてロマールを引き払って隠遁したそうです。

ジン 今はどこにいるの?

GM   ドゥーデントへの道沿いにある「フェルダー」の先の村の外れに小さな庵を建てて暮らしているそうです。ここから徒歩で6日。馬なら3日。

ハークス なんだ、ドゥーデントの途中じゃん。それじゃ、用意してさっさと行こう。



GM  では、3日後にひなびた村に着きます。地図的にはロマールの最南端の村になります。街道が出来た頃はにぎわったのですが、ドゥーデントが封鎖されてからは見る影もありません。村人に聞くとマーフィンさんの家を教えてもらえます。

ハークス 酒場でメシ食ってから行くか。

ジン マーフィンさんにたかるんじゃないの?(笑)

ハークス こんな辺鄙なところにする隠者に、いきなり押しかけて10人前も食事を作らせるのは酷だろう。(笑)

GM  何人分食べる気だ君は。さて、マーフィンさんは60代後半の白髪に髭の老人です。意味たちの来訪に少し悲しそうな顔をするね。

マーフィン 「ようこそいらっしゃいました。」

ハークス 奇跡の店の主人よりドゥーデントの巨人にお詳しいと聞きまして。

マーフィン 「見たところ冒険者のようだが。ドゥーデントへ行かれるのかね?やめたほうがいい。ドゥーデントの道は封鎖されている。」

ハークス 何とか行く方法はないのですか?

マーフィン 「お前達が向かうのは巨人の国だ。そして、人間がそこに攻め込んだのだ。街道の封鎖のみで人間に被害がないのは、巨人達の見せる最大限の配慮に過ぎん。」

ハークス そういうわけにはいかないのだがな…じゃあ、ドゥーデント半島の事だけでも教えてくれよ。

マーフィン 「ことわる。かつてワシは不用意に広めたドゥーデントの情報によって、ロマールは侵攻した。なあ、これ以上厄介事を持ち込むな冒険者よ。知れば行けると思うようになるし、知らねば行こうとは思うまい。」

パリス どうする?事情を話して詳しく聞いてみるか?

ジン そうだね。考えてみればそれほど秘密にする話でもないよ。

ハークス まあ、問題ないだろう。指輪のことを話すよ。

GM  ほう。するとマーフィンは、ひどく驚いたようだ。そして指輪を見せるようにいう。

ハークス それじゃあ渡すね。ま、男だし問題ないだろう。

GM  では、マーフィン老はそれを仔細眺めると、ゆっくりと息を吐いて指輪を返してくれる。

マーフィン「なるほど、ドゥーデントには巨人の夫婦の話が逸話として残っているが、これが…」

GM  そういうとマーフィンは窓の外を見て目を細める。

マーフィン 「そうなると、もうあまり猶予はないようじゃ。半月ほど前より、ドゥーデンとの山に暗雲が立ち込めておる。この季節になかった嵐じゃ。今の話からすると、なるほど…」

GM  と、悲しそうに首を振る。

マーフィン 「しかし、どちらにしろそれを理由に道を開いてくれはすまい。少なくとも、この道を進んで生きて帰れる可能性は皆無だぞ。」

ウィン ためしに進んでみようか(笑)

GM  (そうなりゃ8レベル巨人と戦闘だ。)

ハークス ドゥーデントの詳しい内情を聞いてもいいか?

マーフィン 「ふむ、そのような理由があるならお話しよう。ドゥーデントにはいくつかの人間の集落が点在している。巨人を神とあがめている者たちじゃ。そして、彼らの守人と呼ばれる偉大な巨人が住んでおる。守人に認めてもらえれば、ドゥーデントで襲われても安全じゃ。守人が名誉と誇りをかけて守ってくれる。」

ジン で、どうすればその守人に会えるの?

GM  そう聞くとマーフィンは途方にくれてため息をつくよ。

マーフィン 「…ドゥーデントの集落に行くしかない。しかし、道はすでに閉ざされた。」

パリス 道以外を進むのは?

マーフィン 「それは危険じゃ。森林の奥や山岳地帯を縄張りとする巨人がいるし、そういった辺境の巨人は、ドゥーデントの人間すら食料と見るほど凶暴なものもいるという。」

パリス 八方塞だな。

マーフィン 「ふむ…しかし、わずかな望みに賭けるなら、海路じゃ。」

ハークス 海路?

マーフィン 「ロマールから東に向かう船はドゥーデント半島を越えねばならぬ。だが、半島は巨人の領土ゆえ船が停泊することができず。また、半島周辺は大小さまざまな島があり海賊がでたりと難所でな。遭難した船乗りがドゥーデント半島の漁師に助けられたという話を聞いた事がある。侵攻後に関係が悪化していないかわからぬが、あるいは望みがあるかも知れんぞ。」

ハークス ここから船は出てるのか?

マーフィン 「ここは漁業の村だ。だが、ロマール最大の港町フェルダーなら、遠洋航行船があるはずだ。」

ハークス (地図を見ながら)通過してるじゃん。

GM  だね。

パリス じゃあ、もどるか。

GM  (内心:話の関係上、ちょっと無駄な時間をすごしてほしいのだよ。)



GM  では、フェルダーに到着します。

ハークス 船乗りを探してみよう。酒場か。

GM  うむ。港に程近い酒場は昼だというのに活気にあふれているね。

パリス 中に入って情報を集めよう。船乗りにいっぱい奢って、ドゥーデント方面の情報を持ってる人を探すね。

GM  (1D6を振って「5」か)5人目くらいで、老船乗りにであったよ。奢るなら1杯2ガメルで10ガメル減らしてね。

パリス 盗賊ギルドの情報に比べれば安いものさ。

船乗り 「おらぁ昔オランに行く船の船乗りだったんだぁ」

ジン …(しみじみ)なんでGM は下戸なのに、そういう酔いどれキャラやると上手いんだろうね。(笑)

GM  
超巨大なお世話です(笑)

パリス (笑)さて、ドウーデントについて聞きたいのだが。

船乗り 「ドゥーデント!?おらぁドゥーデントに言ったことはねぇぞ。オレ達はドゥーデント沖の小島で補給して一気にエレミアに行くのさぁ。」

パリス 遭難した船乗りがドゥーデント半島で助かったという話を知らないか?

船乗り 「ああ、知ってるぜ。船乗りじゃなくて元冒険者だって話だぜ。今じゃドゥーデント沖の補給所で酒場の親父をしているよ。あそこで唯一の酒場さ。」

ジン ご同業なんだ。

実は元船乗り 「おらぁ船を下りてもう7年になるが、今でもあそこにいると思うぜぇ。」

パリス 東行きの船って次はいつ出るんだ?

元船乗り 「そりゃ難しいぜ。ロマールからの商船の大半は西行きのテンチルドレン方面だけだ。海路でエレミアやオランに行く船なんて、大きな商会か、貴族でもなきゃ持ってねぇよ。」

ハークス そんなに、東回りの船便がないのか!?

GM  ドゥーデント半島自体には海路として確立されている補給所はないんだ。小島群に補給所があるといっても、補給用の大量の食料を生産する面積はないよ。半島がインドくらいの大きさだと推測して。最悪、無停泊で行くには大型船が必要だろ。まだこの時代はガレー船が主流だからね。


※当時は帆船が最新技術の船でした。 「ロードス島戦記」参照


パリス 護衛として雇ってもらうとか?

GM  不可能ではないけど難しいね。それくらい大きな所だと長期になるから専属の護衛がいるだろうし。それに、君達ここでは無名だよ。

ハークス 大商人にコネ…はないな。

パリス 貴族にコネ…が、あるわけだ、しかも、行きがけに厄介な物を押し付けた…

GM  ニヤリ(『奇跡の店』経由でも、困っている商会の依頼とかあるんだけどね。)

ジン うわ、GM がいい笑顔してる。(笑)

ハークス 仕方ないロマールに戻ってデュナスに聞いてみよう。

GM  では、ロマールに戻るともう夕方です。一度、君達がロマールの宿屋に戻ると、親父が君達を見て手を振るね。

宿屋の親父「おかえり。ちょうど良かった昨日あんたらあてに手紙が来たぜ。デュナス公爵様からの手紙だ。あんたらが出かけていつ戻るかわからないって話したんだが、それでは手紙だけでもっていうんだから、あんたら、何をしたんだい?」

パリス 
…ああ、シナリオの先が読める。(笑)

ジン 
自分達が持ち込んだ厄介事を自分達で解決するんだね。(笑)

パリス 
うむ。問題は、その厄介事の種を他の誰かが大事に育ててしまっているという事が問題なのだ。解決するのはオレ達なのにだ。



GM  君達が来るとすぐに奥に通される。

デュナス公 
「じつは困ったことになった。」

パリス 
(1)壷の封印が解けた。(2)壷が盗まれた。(3)壷を壊した。

デュナス公 
(即答)「(2)!!」

GM  (自作自演の自分SE)ピンポンピンポンピンポーン。

(一同笑)

ハークス 
お前はマトモなNPCだと信じていたのに・・・

GM 
無茶を言うな(笑)

ハークス 
無茶か!?今のオレの願いは無茶だったのか!?

パリス (疲れたように)で、取り返せばいいのか?

デュナス公 「いや、犯人はわかっている。近くにあった金目のものではなく、封印の壷を盗んだ時点でな。」

ジン 犯人がわかってるなら。普通に取り返しちゃダメなの?

デュナス公 「認めたくないが向こうもロマールの貴族なのでな。確たる証拠もなく騒ぐのは問題だし。なまじ証拠があっても、この程度のことで弾劾すると、こちらの名誉にも傷が付く。」

ジン しかし、なんで封印の壷なんて盗んだの。

ハークス それに、オレ達が持ってきたのが10日前後だ。何で、その犯人は封印の壷があることを知っているんだ。

デュナス公 「うむ。これには深いわけがあるのだ。最近の闘技場のあり方について疑問を持ったことはないか?」

ハークス 疑問?

デュナス公 「先日来たばかりであったな。
最近、よく闘技場でゴブリンなどと剣闘士の試合が組まれているのだ。

ジン そんなのあるんだ。

パリス まあ、良くあるわな。

デュナス公 
「堕落していると思わんかね?」

(一同笑)

デュナス公 「いいか、モンスターとは化け物だ。身体能力、特殊能力が文字通り人間の範疇を超えている。ソレ故の化け物。ソレ故に怪物。ならば、人間ではないというだけのアドバンテージで闘技場に出す意味が果たしてあるだろうか?獣というだけで犬や猫を出す意味はない、獣ならば獅子を!虎を!と望むのが正しい闘技場のあり方なのだ。」

ハークス んで。なにがいいたいの?

デュナス公 「つまり、わざわざモンスターを出すならザコ戦闘ではなく、白熱したボス戦闘を見せるべきなのだ。」

ジン なるほど。わかったよ。

GM  ?

ジン この人も剣闘狂いの父親の血を継いでいるんだね。(笑)

(一同笑)

デュナス公 「そういうわけで、怪物戦の第一人者として、下らん試合を一掃しようとしているのだ。だが…」

GM  と、デュナス公は眉をしかめる。

デュナス公 「
それを快く思わない奴がいてな。

ハークス ??ザコ戦闘もいいじゃないか。と?

デュナス公 
「いや、『真のモンスタープロモーターは自分だ。』と主張する者だ。」

ハークス 
そっちかぁぁぁぁぁぁぁ!!

(一同爆笑)

パリス 
あの長ったらしい講釈はなんだったんだ…(笑)

デュナス公 
「ディクス伯爵というのだが、私もそんな武官上がりのがさつ者に目くじらを立てるほど愚かではない。が、ロバート卿からの封印の壷はなかなか珍しい一品でな……ディクスの奴を呼んで見せびらかしたのだ。

パリス 
あほかああああああああああああああ!!!

(一同笑)

デュナス公 「あの壷には少なくない金額を出しているんだ。魔術師ギルドにただで持ち込むことを考えれば、少しくらい自己満足を満たしてくれてもいいじゃないか。

パリス 
なんで、自己満足を満たした後のことを考えないかな…

デュナス公 「まあ今はこの後の事を考えるとだ。遠からぬ未来、封印された化け物が闘技場に現れることはほぼ間違いない。が、あの壷には制御ができるような生易しい化け物が封印されているわけではないのだ。先の巨人の時の例がある。たびたび闘技場の安全性を疑われる事件が頻発しては、闘技場の栄光の歴史に傷が付くだろう。」

ハークス で、取り返すんじゃなければ、オレ達にどうしろというんだ。

デュナス公 
「封印された怪物を闘技場で退治していただきたい。」

ウィン 
(即座に)喜んで(笑)

パリス 
なんか、こいつの心の吟線に触れたぁぁぁぁ!!!

(一同爆笑)

ハークス 
この男!!なぜこのパーティの弱点を!?(笑)

ジン 
そういえば、虎視眈々と狙ってたもんね(笑)

ウィン 
いや〜。くるべきときがきたって感じ。

パリス 
なにこの一大事に、全力でわき道にそれることを渇望してるんだぁぁぁぁ。

デュナス公 「実は、例のディクス伯爵が前々からやたらと突っかかってきてな。まあ、お互いの秘蔵の怪物の試合を出して、真のモンスタープロモーターはどっちか決めようという魂胆なのだろう。」

ハークス 
しっかり受けてたってるのかよ!!

デュナス公 「まあ、そういうわけで封印の壷を見せびらかしてプレッシャーを与えようと思ったのだがな。」

ジン 
しっかり盗まれてるじゃん。(笑)

デュナス公 
「うむ、一生の不覚だな。」

パリス で、向こうはその壷の怪物を出してくるのか?

デュナス公 「いや、ディクソンが闘技場に送り込む怪物はミノタウロスだ。こちらも、ソレ相当の剣闘士を出そうかと思ったのだがね。」

ウィン ダメじゃん。

ジン 封印の壷でてこないじゃん。(笑)

デュナス公 「うむ、そこで、君達が必要になるのだ。君達が、あっさりディクソンの怪物を倒して「弱い。もっと強いやつはいないのか!!」と侮辱するのだ。今のディクソンにミノタウロス以上の怪物はいない。あの単細胞の事だ。後先考えずに、封印の壷の怪物を出すことだろう。」

ハークス 本当にうまくいくのかよ…

デュナス公 「安心していい。奴を馬鹿にして怒らせる事に関しては、私は誰にも負けん。」

ジン 
…もしかして、真のプロモーター対戦も、この人が提案したんじゃない。(笑)

デュナス公 
「そんなことはない。突っかかってきたのは確かに向こうだった。」

ハークス 
『突っかかってきたのは』向こうなのね。(笑)

デュナス公 (視線をそらしつつ)「……」

一同 …

デュナス公 
「…策謀術数の世界とはまことに恐ろしい物であるな。」

パリス 
どこがだああああああああ!!!

(一同笑)


デュナス公 「しかし、その前に、君の実力を見せてもらいたい。」

GM  というと、君達を広間に招く。そして、広間の石柱のひとつを拳で叩くと柱の隠し部屋がバカンと開き、中から竜牙兵が姿を現す。

デュナス公 「侵入者撃退用の護衛だが、こいつと戦ってもらいたい。知っているとは思うが、この骸骨は魔法で作られた熟練の戦士だ。これに勝てるくらいの腕がなければ、はなしにならん。」

ハークス ドラゴントゥースウォリアーか。楽なもんじゃない。

パリス 一匹?

GM  一体。(内心:まあ、デュナス公も、君らのレベルが5〜6だなんて知らないからね〜。楽勝で倒して頂戴。)


というわけで戦闘です。
楽勝でした。
シーン4-1 「竜牙兵はすでに雑魚」


デュナス公 「すばらしい。想像以上の腕前だ。」

ハークス まあ、ミノタウロス程度なら何とかなるだろうな。

デュナス公 「うむ。期待している。勝利した暁には一人1万ガメルの報酬を出そう。」

パリス あ、報酬の話してなかった。

ハークス 
オレ達その為にここきたんじゃん。(笑)

ウィン え〜。いいよお礼なんて。こっちがしたいくらいだよ(笑)

ジン こらこら。(笑)

(一同笑)

ハークス デュナス公に報酬はいいから、東行きの船を持っていないか聞いてみよう。

デュナス公 「船?ふむ、残念だが、私の領土に海はないので所有はしてない。が、船を持つ友人なら大勢いる。私が頼めば多少の無茶も聞いてくれるだろう。」

ハークス ドゥーデント半島の補給所まで、乗せてほしいんだ。

デュナス公 「南の諸島か。その程度なら問題はないだろう。何か用でもあるのか?」

パリス 古代遺跡があるとでも言っておこう。巨人の指輪のことを言うと面倒なことになりそうだ。

ウィン 
ねえねえ。

一同 ?

ウィン 
カシュー王ってここでミノタウロスと戦ったんだよね。

パリス カシュー…っていうかルーファスね。

GM  うむ、しかもオーガーと連戦してるけど・・・なに?

ウィン 
闘技場でミノタウロスと一騎打ちしていい?(笑)

GM  
エェェルゥゥフゥゥゥゥゥ!!!

(一同爆笑)

ウィン ミノタウロスのレベルが6レベルなら。私でも勝てるよね。

ハークス まあ、互角の戦いができる計算だが、攻撃を食らうと痛いぞ。

ウィン 大丈夫。私には板金鎧がある。(笑)

ハークス ああ、あるな。不思議に高性能な…

ウィン 
でしょ。ここでひとつエルフの実力をロマールに響き渡らせてやろうと思う

パリス 
それは明らかに間違った情報だぁぁぁぁ!!!

(一同笑)

ハークス スポンサーさんの方はどうなのよ。

GM  (内心:う〜ん。実力的には問題なし。ミノ1体なのに、PCは4人で「弱い」というのは、ちょっと矛盾している気がしたが、これなら矛盾は解決するな。)

デュナス公 
「……いいな。」

ハークス は?

デュナス公 「
『エルフの乙女Vsミノタウロス』。客が呼べると思わんか?」

(一同沈黙後に大爆笑)

ハークス 
見たい!!っていうか、他では絶対見れない。(笑)

パリス 
いかん。本気で金を払っても見たいなその戦い。(笑)

ジン 
唸るバトルアックス!!(笑)

ハークス 
明らかにミノの方が強そうなのに…(笑)

パリス 
色!金!暴力!!全てのエンターテイメントがここに詰まっている(笑)

ウィン では、それで決まりって事で。

デュナス公 「うむ。試合は5日後。それだけ時間があれば、知人の船に都合をつけるには十分だ。」

GM  一応、闘技場のルールね。サプリメント『ロマール』にある闘技場戦闘からとるけど、一部観客が興ざめするような魔法は却下。判断基準は『見栄えがするか』です。

ハークス 補助魔法や回復魔法は?

デュナス公 「力量を競ってこその闘技場を提唱する私としては、戦闘中の補助魔法や回復魔法も禁止にしたいのだが、諸君らは冒険者であるゆえに特例として認めよう。」

GM  サプリメント「ロマール」の闘技場を読むと、アイテムコレクションの時代の違いを感じる。(笑)

パリス まあ、決定的に出版された時代が違うからな。(笑)


GM  さて、君達は安全上のため闘技場に軟禁されます。公爵お抱えなので最上級待遇ですよ。何かやりたいこととかある?

ウィン 
(しばし考えて)…剣闘士と戦っていい?(笑)

パリス 
お前少しは落ち着けぇぇぇぇぇ!!!!(笑)

(一同笑)

GM  さて3日目になるとデュナス公の使いの人がやってくる。

ハークス ?

デュナス公の使い 「旦那様より解読したプレートの写しを持ってまいりました。」

ハークス おお、そういえばそんなものもあったな。

GM  (内心:やはり忘れてたか。マスターも出すの忘れてたし)君達に渡された羊皮紙にはこうある。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
汝、鱗を持つ者。
汝、四肢もて駆ける者。
その叫びは心を砕き。その血は肌を焼く。
鋭き爪で肉を裂き。鋭い牙で魂をすすらん。
汝、魔にあらず、さりとて獣にあらず。
その血肉にいたるまで忌まわしきものなり。

汝、この世にあらざるものなれば、
九つの鼓動と黄金の一つにおいて
ここに封じ込めよう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

GM  とかかれている。

パリス 混沌の化け物か。<怪物知識>するか?

GM  いいよ。でも、詳しい外見わからないのと断片的な情報なので−2でお願いします。

ハークス 「7」で『14』。

GM  まだわからないね。

ハークス 魔法を使うようなことはないが、精神攻撃とかありそうだな。

GM  さて、そんなことをしているうちに当日になります。君達は闘技場に案内されるよ。

ハークス あれ?オレ達は全員出場していいの?

GM  一応、今日の試合は
「歴戦冒険者vs凶悪なる怪物」になっているからね。ちゃんとサブタイトルに「森の乙女vs牛頭魔獣 エルフの秘技がいまここに!?」とか銘打ってる。

ジン いまいちなサブタイトルだね。(笑)

GM  うるさいわい。時間がなかったんだよ。さて、前座が着々と終わり君たちの番です。

闘技場司会 「さて、ここで皆様の前に出ますのは、異国の地の冒険者。対しますは、3人の剣闘士を食らった人食い巨人。オーガー!!」

ジン へ?オーガー?

GM  と、出てくるのはオーガーですね。

ジン なんで?

GM  うむ、そのころ貴賓席では…



デュナス公 「…あれは、オーガーですか?」

ディスクン伯爵 「デュナス公。失礼ですが、あのような素性の知れない山師に、我輩の秘蔵の怪物と戦う資格があるのか、はなはだ疑問でしてねぇ。まあ、あの怪物にやられるようなことがあれば、出し惜しみしている貴方のご自慢の剣闘士を出していただけるわけでしょう。」

デュナス公 …(ジェスチャーで「やっちまえ」)



ハークス どうやら前座らしい。

ウィン 楽勝楽勝。

パリス いやいや、お前はメインイベントがあるんだから。ここはオレの出番でしょう。

ウィン え〜

パリス オレだって6レベルなんだぞ〜。っていうか、俺にも戦わせろ。

ウィン ちぇ〜。

ハークス なにか、魔法の支援いるか?

パリス う〜ん。 <プロテクション>と<ウィークポイント>だな。<ファイアーウエポン>は微妙なんでナシでいいや。闘技場らしい戦いってやつを見せてやるぜ。(笑)

GM  (なぜだろう。めちゃめちゃ生き生きしている)


というわけで始まった前座試合ですが。
パリスの放った<強打>が…
シーン4-2 「一・撃・必・殺!!」



デュナス公 「伯爵。ご存じないようなので教えて差し上げよう。彼らは、無知な人間が山師と呼ばれる冒険者なのですよ。剣闘士が剣闘士と戦うように、冒険者は誰よりも怪物と戦ってきているのです。出来ることなら、次は
下らぬ妖魔でなく、まともな戦いを(強調)見せていただきたいですな。」

ディスクン伯爵 「……(部下に)おい、ミノタウロスを出してやれ。」



闘技場司会 「ではお待ちかね。本日のメインイベント。東門より、古代遺跡の番人。牛頭の魔獣。流血のモンスターミィィノォォォタウロォォォォォス!!!」

GM  東門よりミノタウロスが出てくるよ。

闘技場司会 「西門より、妖精族の戦士ウィィィン!!」

ウィン (ニコニコしながらダイスを握る)よ〜し。張り切っていこうか〜。(笑)

ジン めちゃめちゃやる気だ。(笑)

ハークス <プロテクション>かけるか?

ウィン 
魔法は無用。実力で勝負!!(笑)

ジン 
男らしい!!(笑)

GM  (内心:おいおい、大丈夫か!?)

ウィン 
命をかけた戦いに魔法は野暮ってものさ…

(一同笑)

パリス しまった…その手があった…

ウィン 
ふっふっふ。老いたなパリス。見ているがいい。私は今こそ貴様を越える!!

パリス 
なんか仲間に勝ち誇られたああああああああ!!!

(一同爆笑)

ハークス 今まで越えてなかったのか。(笑)

ジン まあ、微妙だったけどね。

パリス う〜む。ザコには強くボスには弱い。いかん。このままでは典型的な解説&見せ場設定キャラになってしまう。

GM  でははじめようか。


史上初。エルフvsミノタウロスの近接勝負ですが、GMの予想を上回りウィンはミノタウロスを圧倒します。(なんで!?)
哀れ。ミノタウロスは見せ場もないまま終わりかと思った時、ウィンは・・・
シーン4-3 「メインイベント!!」



デュナス公 「…これで終わりですかな?」

ディスクン伯爵 「……」

デュナス公 「私としては、物足りないのですが。冒険者
の戦いを見たかったのだが・・・」

ディスクン伯爵 「これはモンスターとの戦いではありませんのでな。」

デュナス公 「おやおや。博学と名高いディスクン伯爵ともあろうものが何をおっしゃる。今貴君の前で戦ったのはエルフですぞ。森の妖精は誰がどう見ても人間ではないとおもいましたが。」




ハークス お〜い。オレ達は戦う為に来たんだぞ。もっと強い敵はいないのか!!

パリス オレは雑魚としか戦っていないぞ!!オレには獲物がいないのか!!

ウィン ドラゴンだ。ドラゴンを出せ!!

ジン ラーダ神官としては、ここで挑発するのはどうだろう。でもみんなノリノリだね。(笑)



デュナス公 「やれやれ。これでは彼らに私が怨まれてしまいますな。わざわざ遠方から私を頼ってきてくれたのに。ディスクン伯爵。失礼ですが、ここから先は私の出すモンスターで場を盛り上げましょうか。残念ながら彼らは貴君のでは満足できないようだ。」

ディスクン伯爵 「ま、まちたまえ。同じ後援者の奴隷を戦わせるのはルール違反だ。」

デュナス公 「仕方ありません。対戦相手の力量を見誤った私の不覚。その
尻拭いに私が秘蔵の怪物を提供いたしましょう。何、貴君はそこで座っておられれば結構、本物の怪物というものをお見せしましょう。」

ディスクン伯爵 「ま、待て。わ、私にももう一匹秘蔵の怪物がいる。それを出そう。(部下を呼ぶ)」

部下 「………しかし…」

ディスクン伯爵「いいからやれ!!…デュナス公。ご安心ください。お手を煩わすまでもない。決して期待を裏切りませんぞ。」

デュナス公 「…そうですな。貴君は常に期待をうらぎりませぬからな。」



GM しばらくすると、対戦者出場ゲートから物凄い悲鳴が聞こえます。

謎の声 「ぎゃあああああ!!!」

GM 次に対戦者のゲートから巨大な何かがこちらに向かってきます。

一同 ?

GM 現れたのは全長10m近い馬のような生き物です。

パリス 黒王号!!(笑)

GM 大きさ的に近いけれど、全身がうろこで覆われており、トカゲのような尻尾が生えており、足も蹄ではなく鋭い爪です。口にあたる部分には髭のような短い触手が生えており、そこにぐったりした男が加えられている。

ジン 誰?

GM 封印の壷から出してくれた人。<怪物知識>していいよ。

ハークス 『11』にしかならねぇ。

ジン 「7」で『11』

パリス 「10」だ『14』

GM 分からないね。不確定名「混沌の怪物」で。混沌の怪物は加えていた男を放り出すと恐ろしい悲鳴を上げた。

怪物 「KIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII!!」

GM その悲鳴が君達の頭に響きます。精神力抵抗の判定をしてください。

ハークス ゲッ。例の心を砕く叫びか<カウンターマジック>しておきたかったんだが…まいっか。『15』

パリス 精神に来るなら「勇者の冠」の効果もいいんだよね。あ「11」が出た『20』

GM 効果は加えていいのだが、勇者じゃなくて
「聖者の冠」だ。(笑)

パリス 
いや、その名前に抵抗が…(笑)

ジン 6ゾロ

ウィン あちゃ「4」。『12』だ。

GM 12だと足りないね。朦朧として攻撃と回避に−4ね。いなみに、その悲鳴は観客席にも被害が出ている。怪物は周囲を見回して一番近くにいるのが君達だと気がつくと、ドスドスと近づいてくる。

ハークス さて、本命とイキマスか。

GM あ、ウィンは生命力全快にしていいよ。


そして、本日のファイナルバウト。
混沌の怪物の攻撃力は馬鹿にできず、複数攻撃に精神攻撃とカウンターアタックと、耐久面に弱点をつく怪物でしたが、対処が分かってしまえば補助魔法と回復魔法による連携と、彼ら特有の攻撃により、パーティー内でドラマを生み出したりしながら勝利をつかむのでした。
シーン4−4 「混沌の咆哮」


GM その一撃で化け物は地面に倒れ伏す。咆哮の効果で観客たちは昏倒し静寂が包む中、闘技場にひとつの拍手が大きく響き渡った。

デュナス公 (拍手しながら)「見事だった冒険者諸君。実に、見事。」

GM  デュナスの紋章をつけた兵がわらわら表れ、観客席で救援活動を始める。君たちにも治療用の闘技場付神官が近づいてくるよ。

ハークス 全部わかっていたのかよ。

デュナス公 「予想をしていただけさ。あのレリーフは私が持っていたのだぞ。」

GM  というと、魔法の指輪や護符を見せてニヤリと笑う。

ジン あ、そっか。奇跡の店とか闇市でその辺のアイテムを買っておけばよかったのか。

GM  ニヤリ。まあ、混沌の怪物の情報を出したのが闘技場だったのでどうしようもなかったけどね。

ハークス どの道金がなかったよ。

GM  デュナス公から前金受け取ればよかったのに。

ハークス あ〜。そういう考えもあったな。



GM  さて、数日後、デュナス公の知り合いの所有するオラン行きの船に乗せてもらえます。船着場にはデュナス公も見送りに着てくれる。

デュナス公 
「諸君らには大変世話になった。ディスクン伯爵の奴も、あの事件のおかげで小さくなっておるよ。いや愉快愉快。」

ハークス 
…でもこれって確信犯だよな。(笑)

パリス まったくだ。

デュナス公 「船長にはすでに話が通っている。多少の無理は聞いてくれるように取りはからってもらった。是非、ロマールによる時には来てくれ。歓迎しよう。」

ウィン 
また闘技場に出してもらえる?(笑)

パリス 
そこ、嬉しそうにするな。(笑)

デュナス公 
「よろしい。ウィン殿にはデュナス家公認『デステスト最終兵器』の称号を与えよう。」

(一同笑)

ウィン 
やった〜。

パリス 
喜ぶな。モンスター扱いだぞ。(笑)

ハークス 懲りてないなこの男。(笑)

GM  それと、君達の乗ってきた馬や馬車はデュナス公が責任を持って預かってくれるよ。

デュナス公 「ついでに、デュナス家の紹介状を渡して置こう。ロマール国の船なら十分な支援を受けられるはずだ。わかっていると思うが、他国で使うときは十分気をつけてくれよ。」

GM  さて、船は出港の合図を出すね。君達が乗り込むと、錨が上げられ船はゆっくりと港から漕ぎ出していきます。…というところで今回のシナリオは終了。

一同 お疲れ様でした〜


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