SWリプレイ 第八話
「魔なる神を屠る者なり〜前編〜」

…おお、真面目なタイトルだ!!


ハークス 有り余る精神力と、弱点看破に長けた「賢(さか)しき者」
ジン 軽率な知識神の神官。
ウィン 板金鎧のエルフ。『緒屠雌』と書いて「ヲトメ」と読む。
パリス  エルフの戦士とツートップを飾る盗賊。


GM ひさしぶり〜。

ハークス マジ久しぶりだな。

ウィン …半年以上もなかったんで消滅したのかと思ったよ。

GM すみませ〜〜ん(陳謝)。年始から年度末過ぎるまで仕事が忙しくって、余裕なかったねん。ちなみに、更新用の没ネタだけが増えに増えて…

パリス ま〜た、余計なことしてるのか?

GM うむ。いい感じにネタだけが増えてね。更新するかどうか…。更新したらまたそれをサポートしなきゃならないし…

ジン 泥沼だね。

GM ふっ。恐らく、このSWリプレイも、あと2回くらいで一段落するはずだ。

パリス そ〜いう、予定だけの状態が一番危ないんだよ。



GM さて、前回の吸血鬼レオニード君のピンチを見事に救った君達は、経験点1028点をえます。何か成長させる人?

パリス シーフ技能を4にします。これでウィンに遅れをとることはなくなった。

ウィン むむ。

ハークス なんかパーティー内でライバルがいる。

ジン よきかなよきかな(笑)


GM 後の成長はないね。んじゃ、また2D6日経過しました。

ハークス またか「7」一週間(笑)

GM さて、君達は、実はまだルーエンに戻ってません。ジンとハークスの故郷「バリエン」でジンの実家に居候しています。という訳で生活費の70ガメルのみの出費で結構です。

ジン 実家なら生活費出してよ。

GM 働かざる者食うべからず。が家訓ですから。

ジン 本人の知らないところで、家訓が出来ていく。

GM ご都合主義はTRPGの基本です(誤解)。さて、先の事件は街の運営とかにもそこそこ影響があって、後始末とか、証人として君達はここに在留していたのですが、そろそろ一段落しようかな〜というところです。

ジン なおの事生活費の支給を……

ウィン
 あ、はいはい。お金溜まったんで、プレートメイル買いたいです。

GM
 なにいいいいいいいいいい!?

ジン あ、ボクもプレートメイル買う。

パリス ほほう…。なら私も必要筋力が5低いバスターソードと、筋力の3低いハードレザーを買うか。

ウィン ふふふふふ。今日のこ日の為に貯めに貯めたの。しかも!!ただのプレートメイルではない。元の必要筋力が5も低い最高品質なの!!ドワーフの村だし。

GM おお、ないといえる根拠がない…皮鎧はないかも。

パリス ガーーーーン!!

ジン 
でもプレートメイルって1週間で出来る?。

GM 
厳密に言うと無理。下手すると一年くらい掛かる。

ウィン 
ええええええええええええ!?

GM 職人さんだって君一人を相手にしているわけではないからね。複数客と同時進行で、さらに採寸、寸法あわせと色々あるぞ。

ウィン 1年後・・・

GM まあ、規定どおりのなら…(声がだんだん小さくなる)…既存の手直しとかで…早くできるかも…

ハークス 無理だな最終的必要筋力9の鎧なんて、必要筋力24の鎧よりも注文率ねぇよ。

ウィン ガックリ…

GM (う〜む・・・キャンペーン前ならそれをネタにシナリオ作れたが…仕方ない、このままってのもアレだしな。)ま、いいよ。ジンのパパが口利いて、ちゃんとしたのを作ってくれたて事で。

ウィン ホント。わ〜い。

GM でも代金はまからんぞ。

ウィン うんうん。おお、エルフのキャラクターシートについにプレートメイルの文字を書き込む日が来た。

ハークス 魔法のバトルアックスに、プレートメイルか…どこから見ても戦士だな。

ウィン フフン(満足)

パリス か〜な〜り。華奢だけどね。

ウィン 戦士だも〜ん。

GM 金さえ払えば装備はいいよ。じゃあ始めるね。装備を整えた君達がそろそろ出かけようかな〜とおもっている所に、一人の来客があります。シオン君です。

ハークス ?何のようだ?

シオン 「え、この前の人質救出のお礼を渡しにきたんだ。」

ハークス おお、そういえば、そんなものもあったな。

シオン 「え!?言わなければバレなかった!?」

ジン へ〜。そ〜ゆ〜事言うんだ。バトルアックスを磨こう。

パリス 不幸な奴。(笑)

GM ついでに、彼の隣には冒険者らしい一人の女性が立っている。

ハークス ?なんだその女は?彼女か?

シオン 
「そういう恐ろしい事は、冗談でも言わんで…ヘグッ

GM 
ゆがんだシオン君の顔と、彼の背中で隠れて見えない女性の右腕とに、何か恐ろしい因果関係をヒシヒシと感じた。

(一同笑)

パリス (しみじみと)つくづく不幸な奴…

GM まあ、そんなこんなでシオン君がまず謝礼金の5000ガメルを渡してくれる。

シオン 「で、今回はまた別に話があるんだ。」

ハークス ま、仕事の依頼だろ?

シオン 「ああ、こいつはオレの冒険者仲間でエミリア。マイリ−の神官戦士だ。」

ハークス ほう。

パリス 見事なインビジブルアタック(見えない攻撃)の主なわけだ。(笑)

GM 紹介されると彼女は君達に一礼します。

エミリア 「始めまして。マイリ−の神官戦士のエミリア・ハーキュリーズです。さて、皆さんに仕事を依頼する前に、ちょっと実力を測っていいですか?」

ハークス シオン。信用されてねぇな。

シオン 「信用してても変わんねぇのさ彼女は。」

エミリア 「じゃあ、強い方。立ってもらえます?」

(パリスとウィンが顔を見合わせる。)

ウィン …ジリジリジリ(何か間合いを計っている)

パリス …ハー…フー…(呼吸を整えている。)

ジン なんか緊迫した空気が!?(笑)

GM やれやれ。

エミリア 「一番敵を倒した人でいいです。」

パリス んじゃオレ。

ウィン 絶対追い抜く。

ジン だから何でファイターがシーフをライバル視してるんだろ。(笑)

ウィン アイデンティティですから。(笑)

GM さて、パリスが立ち上がると彼女もすくっと立ち上がり、腰に下げていたレイピアを抜きます…

エミリア 「マイリーの加護を!!」

GM 
と言って攻撃。『強打』ダメージ+4です。

パリス 
なにいいいい!!!「手加減攻撃」ですらないのか!?

GM 全力攻撃という奴です。『13』

(一同爆笑)

パリス 「7」『13』うお!?ギリギリ!!

GM  それは避けたね。

エミリア 「うん。あなたなかなかやりますね。」

パリス 
殺す気かああああ!!!

エミリア 「あら。死ななかったじゃないですか。」

パリス 死んだらどうする気だったんだよ。

エミリア
 「ご安心ください。葬儀はマイリー式でおこないます。戦いの野に行ける事でしょう。」

パリス 
マイリーの神官が他人を死後の世界に追いやるなあああああ!!

エミリア 
「何をおっしゃいます。マイリー神官は勇者を戦いの野へ導くのが仕事です。」

パリス 
それは殺すという意味じゃねえええええ!!!

エミリア 
「そうです。マイリーの与えもうた試練です。」

パリス 
ただの殺戮行為だああああああああ!!!

(一同爆笑)

GM シオン君が言うね。

シオン 「こ〜ゆ〜仲間なんだ。」

ハークス お前も苦労してるな。

シオン 
「まあね。でも、一応実力は伴っているから。それに、悪い人間ではないよ。」

パリス 
あいにく、オレの人生で、いきなり殴りかかってくる人間は、悪い人間なんだがな。

シオン 
「悪意はないんだよ。」

パリス
 これで悪意があったらただの異常者だ。

(一同笑)

シオン
 「ま、他人をだますような事はしないから信用していいぞ。」

パリス 
それは素直に死ねと言うことか?

シオン 
「そう深く突っ込まないでくれ。これでも苦労してるんだ。」

(一同爆笑)

GM さて、実力も掴んだ事でエミリアさんは話し始めます。

パリス 
何事もなかったように!?

エミリア(無視)「依頼というのは遺跡探索なんです。」

ハークス 遺跡探索…なるほど、この二人では神官と戦士かいないもんな。

エミリア 「ええ、それで魔法使いや盗賊を雇おうと考えたんです。」

ジン 
うちのパーティーに盗賊なんていたっけ?(笑)

パリス 
はて。いたかな?

(一同爆笑)

ハークス 
貴様じゃああああああ!!

パリス 
だって、シーフ技能使うより撃墜回数の方が多いんだぜ。もういいよ。オレ戦士で。

ハークス 
だから納得するなああああ!!!

パリス ま
て、盗賊として間違っているかもしれんが、暗殺者としては間違っていない。ほら、万事オッケイ。

ハークス 
盗賊として間違っている時点で致命的だああああああ!!

パリス まあ、戦力として役に立つよオレ。

ウィン 盗賊として役に立つといわないあたりが。(笑)

エミリア 「わかりました。では明日の朝に出発するので用意をお願いします。遺跡まではここから1日。報酬は遺跡で見つけたものを我々とそちらで半分づつでいいでしょうか?」

ハークス 前金はなしか。ま、さっきの謝礼金があるからな。その遺跡ってどんな遺跡?

エミリア 「元々あの当たりは鉱山だったんですけど、3年前に廃坑になった坑道の奥です。遺跡の情報はその鉱山で働いていた坑夫から聞いたものなんですが、5年くらい前に、空洞を見つけて、そこに建物があったと言うのです。」

ハークス バリバリ古代遺跡だな。

エミリア 「はい。最初は冒険者や魔法使いに話そうとしていたのですが、その遺跡が見つかってから、鉱山内で化け物を見たという噂が広がりまして、数日後には行方不明者が出るにいたって、怖くなった坑夫たちが、その道をふさいだのです。」

ウィン ふむふむ。ホラーチックだね。で、その化け物って?

エミリア 「大きな獣のようです。黒い毛が落ちていたり、鉄のトコロッコをペシャンコにされたらしいです。」

ウィン お、強そうだ。

エミリア 
「でしょう。マイリー神官としては萌える設定ですよ」

(一同笑)

パリス 萌えるのか(笑)

ジン しかも設定って、ゲームかい。あ、ゲームか。

ハークス まあ、戦闘バカならならこっちに二人もいるし、依頼を受けよう。古代遺跡だからマジックアイテムだってあるはずだ。

パリス おお、必要筋力10の魔法のバスタードソード。

ハークス だから、そんな通常の規定外の剣が転がっているかって…あ、エミリアさんはどれくらい強いの?

GM ファイター3のプリースト2の神官戦士。ちなみにシオン君は3レベルファイター。

ハークス 精神力の電池が出来たな。

パリス お前が補給受けてる時点で、オレ達死んでる可能性高いぜ。人間魔力の塔。(笑)



GM さて、次の日になりまて、待ち合わせ場所にチャッチャと到着。そして出発。特に何事もなく鉱山跡に到着しました。
 さて、鉱山内ですが、当然地図がありません。<冒険者レベル>+『知力ボーナス』で目標値以上だと、目的の場所が見つかります。ちなみに目標値は『16』1日ごとに目標値はさがって行くよ。


〜〜〜〜〜〜〜〜GMの内心〜〜〜〜〜〜〜〜
GM ふふふ。ここで無駄な時間を使えば、彼等の食料が尽きる。更に、彼等は愚かにも油をそんなに持っていない。ふふふふふ。ハークスが<ライト>を使えばそれだけ精神力が減る。1点2点が明暗を分けるのはD&D以来のTRPGの鉄則さ。



〜〜〜〜〜〜〜〜そして現実〜〜〜〜〜〜〜〜
ジン 知力ボーナスね。んじゃ<インスピレーション>で成功にする。

GM (顎カクーン)は?

ジン ラーダの特殊魔法だよ。

GM 
……(微妙に長い沈黙)……。君たちは目的の坑道についたよこんちくしょう。

(一同笑)

GM 坑道には「立ち入り禁止」の看板が立っている。エミリアさんが、「コレが言われた看板です」と教えてくれました。しかし坑道には1つおかしな点があります。

一同 ?

GM 埋められているはずの坑道に、人一人くらいなら通れる道が出来ているのです。誰かが掘ったようで坑道の脇には、掘り出された土が持ってある。

パリス 先客か?いつごろの掘り返されたかわかる?

GM わからない。まあ、2、3日前って事はないね。

ハークス 
んじゃ、これで遺跡探索終了ってことで。おつかれ〜。

GM 
帰るなあああああ!!

エミリア 「おかしいですね。この遺跡が見つかったという話しは聞いた事がなかったのですが…。」

ジン お宝担いで、首都で豪遊してるんじゃない?

エミリア 「にしても。遺跡の情報を売るくらいはしませんか?」

パリス まあ、骨のずいまで金にする職業だからな。冒険者って。(偏見)

エミリア 「もう一つ可能性があるとすれば…」

ウィン 
入ったきり出てきてないということも…

ジン そういや、黒い獣とか出てくるんだよね。トロッコぺしゃんこにする。

(一同沈黙)

ハークス 
………ん。じゃ、おつかれ〜。(笑)

GM 
だから帰るなあああああ!!



GM さて、坑道の奥は広い半円系の空洞です。空洞自体が、薄く光っているため、明かりいりません。中央に石作りの塔が建てられており、その周りには、バリケードみたいな大小様々な柵が転々と立っています。

ハークス 柵?

GM はい。石を積み重ねた石垣の出来そこない見たいなものです。大きさは高さ2.5m程と一律なのですが、横幅は5m〜10m以上と様々です。

パリス なんだこりゃ?

GM さあね。(ふっ。本当はここにいた『ヘルハウンド』の奇襲用の障害物だけど、もう関係ないね。)

ウィン じゃあ、あたりを警戒しながら塔に行こう。
獣〜ケモノ〜(笑)

エミリア 
「獣〜ケモノ〜」(笑)

(一同笑)

ハークス (二人を)なんか捜してるぜ。(笑)

ジン 二人とも花も恥らう乙女ですから。(笑)

ハークス 
最近の乙女は獣を求めて徘徊するのか(笑)

パリス 
世も末だ…

GM さて、塔の近くまで行くと、君達は奇妙なものを見つけます。

一同 ?

GM 塔の前に、大きな獣の死体があります。

ウィン 
ケ〜モ〜ノ〜〜〜!!

GM 
騒ぐなあああああ!!ちゃんと戦う敵はいるから。で、扉の脇に一体のガイコツが立っています。君達がそれを見ると同時に、その骸骨も動き出します。

ハークス オレ知っててイイのね。

GM うい、そのガイコツは『竜牙兵』です。一流戦士の技量を持つ恐るべきゴーレムだ。


一流剣士の腕を持つドラゴントゥースウォリアー5LV戦士と同等の腕を持つ彼だが…、考えてみれば4LV戦士二人に3LV戦士二人にボコられたら、さっさと終わるって…
もう一匹出してもよかったかな〜なんて考えるほどあっさり勝利しました。

戦闘シーン8−1「VS戦闘マッシ〜ン。」

GM さて、再度説明するけど、塔の前です。竜牙兵の死体のそばには、大きさ3m位の獣の死体があります。

ジン 白骨?

GM 骨ですね。しかもバラバラになっています。

ジン あれ?餓死じゃないの?

GM もし魔獣が餓死したら遺跡守護する大半のモンスターが死んでいるね。通常、魔獣は餓死しないのだそうだ。理由は知らないけど。、なんかそういう風に作られているのだろう。(笑)

ハークス 骨か…腐敗すらしてないの?

GM うむ、関節のコリコリした所も、綺麗になくなってる。

パリス コリコリ?

GM 好きなんだよね。フライドチキンの軟骨の所。(笑)

ハークス 聞いてね〜よ。

ウィン むう、獣退治が…

ハークス 違うって〜の。

エミリア 「今回最大の目的が。」

ハークス (ツッコミ)ちょいと、まてい。

パリス 仕方ない。遺跡探索をしよう。扉の鍵&罠調べ『16』。

GM 罠はないし。鍵もかかってないね。でも開かない。

パリス 魔法の鍵か?ハークスまかせた。

ハークス 無茶言うな。古代王国の鍵は、目標値20とか素敵にいっているんだぞ…ま、消費1だし。かけて
みるか。<アンロック>達成値は…意味ね〜「11」がでて『16』

GM ほう。すると鍵が開いたね。

ハークス おや?

パリス もしかしたら、鍵を掛けたのは、先客かもしれんぞ。

ハークス なるほど<ハードロック>か。

パリス うし、じゃあ隊列組んで入ろう。戦闘はオレとウィン。真ん中にハークスとシオン。最後尾がジンとエミリアね。

GM ういうい。さて、扉を開けるとホールになっている。といっても、そんなに大きくはない。正面と右側の壁に扉がある。

パリス 床に埃とかは?

GM (お、鋭い)部屋の隅とかには埃が積もっている。でも、中央や扉の所には、埃は積もってないね。

パリス ふむ。誰かいるということか。

ハークス パリス。一応聞き耳立てておけ。

パリス OK。んじゃ、両方の扉の<聞き耳>&<罠感知>。正面の方から<聞き耳>が『13』『12』。<罠感知>が…右側は1ゾロと『13』。


さて、こうして一行は、古代遺跡の探索に入ったのだが…
 一階のホールと階段のある居間で、カストゥール時代以降に、この遺跡に来た人間の痕跡を発見し、二階へ上がる。
 二階では、最近使われた形跡のある数個の部屋と書庫を見つけた。
 パリスが毒針に引っかかったり(生命力抵抗には成功した)。
 ジンが、ベッドイミテーターに押しつぶされそうになったりとしながら探索を続ける。
 そして、客室一個には、骨になった人間の死体と、何かの獣の毛(セージチェック失敗)を発見。他の部屋ではファラリスの聖印を掘り込んだペン(壊れている)を見つけ、先に来た者が暗黒司祭である可能性を考慮し始めた。
 最後に書庫を覗いたが、そこにアイアンゴーレムがいることに気がつき、探索を断念。
 そして、一番奥の扉を開けると……


GM 部屋の中は円形のホールだ。床にはびっしり魔法陣のような模様が刻み込まれている。
 まず目を引くのは中央にある花の蕾のような物だ。大きさが5m近くもあるその巨大な蕾からは、一匹の魔獣の顔と獅子の右前足だけが抜き出ている。まるで、食虫植物に捕らえられた虫が、最後の瞬間に気がついて抜け出そうとしているような姿だ。魔獣の目は閉じられており。今はピクリともしない。
 蕾の周りには、高さ1m半程の卵みたいな物がならんでいる。その卵は、根のような物で中央の蕾につながっていた。
 最後に、その蕾と卵の周りを、50cmくらいの小人が一人ちょこまかと動いている。
 やがて、その変な小人は、君達に気がついて振り返る。

小人 「おお、ご主人様お帰りなさいまし。みてください。今できるところです。これならきっと完成しますぞ。」

ジン ご主人様?

GM そういうとテクテクハークスに近づいて来るよ…って、下位古代語の会話できるのって、ハークスだけか?

ハークス なるほど、不完全なホムンクルスで、主人の認識能力が欠落してるのか。

パリス そういうや、公式プレイでもあったな。なぜか魔法の使えないドワーフを主人とあがめる古代王国の魔法生物。(笑)

GM まぁ、その辺は別として、その小人はテコテコ近づいてくる。<モンスター知識>を2回やってね。

パリス 「10」で『13』

ハークス 「10」『14』

ジン 「5」『8』

GM ふむ。この小人だが『ホムンクルス』だ、向こうのつぼみに収まってるのはどうやら『マンティコア』だね。

ハークス ご主人様ね…

小人 「ええ、先日ご主人様にいただいた魔獣の生命力で、もう間もなく簡易悪魔の1体目が生成されます。」

ハークス いや、いらねえって。

小人 「は?ご主人様?先日ご主人様がファンドリアのために、この技術を完成させろとおっしゃったではありませんか。」

パリス は?ファンドリア?

ハークス カストゥールの話じゃないの?

ホムンクルス 「は?カストゥールの国名が変わったのでしょう?現にこうして魔獣を使役されておられる。」

ウィン なるほど。あれだね。

ハークス ??

ウィン 私等より先にファンドリアの誰か来て、なんか色々やってったんでしょ。

パリス あ、だから、ヘルハウンドが死んで、竜牙兵があったのか。

ジン う〜ん…となると、そのファンドリアの人はどうなったんだ?

ハークス 聞いてみればいいか。前に来たとき、どこに行くとはいってなかったか?

ホムンクルス 「はて。ちょっと出て行くと言って出たのではありませんか?」

ハークス ううむ。何か手がかりでもないかな。

ホムンクルス 「ご主人様。ご自分の研究成果は書斎に記録して閉まっていたはずですが?あそこは書物の持ち出し禁じられておりますから、紛失の恐れはありません。」

パリス 2階の書斎か。あのアイアンゴーレムのいる。

ハークス なるほど、持ち出そうとすると、あのゴーレムがそれを止めるのか。

GM (うし、手がかりは全部出したな。)するとだ、魔獣を収めた例のつぼみが、大きく脈打ちます。

ホムンクルス 「御主人様。簡易悪魔が誕生します。」

GM と、蕾の近くの卵がバカッと割れて、悪魔が一体姿をあらわす。ホムンクルスは、嬉しそうにその悪魔に駆け寄ると、あちこちをチェックしはじめた。

ホムンクルス 「…四肢の欠損はなし…パーツの不具合は…」

GM と、突然、魔獣を収めた蕾の横を突き破って、巨大なサソリの尻尾がホムンクルスを直撃する。

一同 !!

GM 完全に無防備だったホムンクルスはそのまま壁に打ち付けられ、ピクリともしない。変わりに、マンティコアの両腕が、自分を抑える蕾をズタズタに引裂く。

マンティコア 「おのれクロムウェル!!ワシを生贄にするとはぁ!!許さんぞおお!!」

GM と咆哮を上げる。とはいえ、なんかかなり衰弱している。

マンティコア 「ぜはあ…ぜはあ…」

パリス チャンスか。

ウィン バトルアックスを構える。

GM うむ、するとマンティコアのほうも君達を見る。

マンティコア 「力が足りん。血と肉になってもらうぞ。我が命で作られた異界の者よ、血と肉の契約をもて、あいつ等を殺せ。ラマス・ディナ・ビリファウスド・デ・ファラリス」

GM と、君等の知らない言葉を唱えると、簡易悪魔が君達の方に向かう
…って、なんか、悪魔とは名ばかりのゴーレムみたいだね。

(一同笑)

GM 
仕方ないだろ。こいつ等の性格とかの詳細なデータ知らないんだから。(笑)


 さて、5LVモンスターのマンティコア。強いと思って色々スリリングになるシチュエーションを考えたのだが、それが裏目に出る。瀕死のマンティコアは弱い。弱いから瀕死とも言うのだが、マンティコアが回復する前に、遠距離魔法二回であえなく死亡。残った感悪魔もあっさりと…。次はもっと強い敵を出そうと心に決める。
シーン8-3「瀕死とは死にかけているという事なり」


パリス あっさり終わった。

ハークス フフン。作戦勝ち。

GM ……まぁ、進めよう。残念な事に、この激戦で部屋の装置はボロボロですね。吹き飛ばされたホムンクルスも完全に生命活動を停止しています。

ジン かわいそうに。ラーダ式で祈りをささげておこう。

ハークス ふむ。んじゃファンドリアからの先客について調べるか。どうせここにはもう何もないんだろ。

GM まあ、ざっとみた所、壊れた魔法装置だけだね。

ハークス んじゃ、書斎に言って見るか。何か手がかりがあるだろう。

GM ほいほい…じゃあ書斎につきました。部屋の奥には3mの鉄の人形が立っています。

ハークス 持ち出さなければオッケイっと…本を探すね。

GM うい。では「<セージ技能>+知力ボーナス」で判定して。

パリス え!?シーフの探索じゃないの?

GM 別に隠された戸棚探すわけじゃないからね。どういったジャンルの、どういった内容別に分けられているかは、<セージ>スキルの出番だよ。あと、下位古代古代語読み書きできないと判定できないよ。

パリス セージ1レベルあるのでオッケイ。

ジン 伊達にラーダの神官ではないよ。

ハークス 言わずもがな。

ウィン 
………ない。

(一同爆笑)

ハークス 
エ〜ル〜フ〜。

ウィン 戦士ですので。

GM まあイイや。じゃあ判定して目標値は『12』

ハークス 『12』成功。

パリス (サイコロ振ろうとして)もういいか?

GM いいよ。幾つか手がかりになる文献を見つけた。中身は当然下位古代語でかかれているね。ざっとまとめると、ここは、魔術師『ヴァストナージ』という魔術師の研究所だそうだ。


 
カストゥール王国の召喚師の開祖『アズナディール』の高弟『ヴァストナージ』は、師の見つけた召喚魔法の欠点を見つけた。
 それは取扱の難しさ。悪魔の召喚には厳密な手順があり、それを間違えると召喚した悪魔の制御が出来ず。また、召喚しても、悪魔からの誘惑に屈すれば、行き着く先は破滅である。
 より高位の悪魔召喚に没頭する師匠を横に、彼は悪魔召喚をもっと便利にしようと研究を開始。
 しかし、研究は難航。厳密かつ精密な儀式魔法ゆえ、手を加えられる所が余りにも少ない。
 何度かの危険な失敗の末、『ヴァストナージ』は、別部門の友人に力を借りることにした。<付与魔術師>の『サクファイス』。<死霊魔術師>の『レオニード』という二人の魔術士。運良く設備の整った『サクファイス』の研究施設を譲ってもらえたので、そちらで研究を続ける。


GM と、書かれています。

ハークス 今、最後にどっかで聞いた事のある名前が出たな。

パリス ああ、どっかで聞いた名前だったな。…ところで、その別の研究施設の情報って載ってないの?

GM ないね。ほとんど日記みたいな物だったから。もちろんこの後の記録も残ってない。

ハークス 他の本は何?

GM 悪魔召喚や、魔法や儀式の基礎に関する書物ばかりだ。さっきもホムンクルスが言ったけど、 本の持ち出しは禁止されているからね。

ハークス アイアンゴーレムと戦う気はないよ。

GM まあ、写す事は可能かもしれないけど。時間がかかる事は請け合いだね。

ウィン となると、手がかりは一つだけか。

ハークス ま、手がかりがあるだけましか。

パリス ういうい。じゃあ戻るか。

GM シオン君とミリィさんはどうするの?事情はなしてついてきてもらう?

ハークス う〜ん。止めとこう。レオニードの事を知る人間は少ない方がいい。

パリス まあ、この遺跡をラーダ神殿なり、魔術師ギルドなりに知らせて、それで報酬を受け取ってもらおう。オレ達は急がなきゃならない。

ジン そなの?

パリス ファンドリアの奴等が先を越している。あの簡易悪魔とか量産されたらかなりヤバイ。中原のミリタリーバランス崩れる。

GM 少なくとも、悪魔召喚は「禁忌」の魔法だからね。

ウィン そうなんだ。なんか大事件な雰囲気だね。

ジン その割に、全然お金になるものがほとんどなかったけどね。

パリス まあ、先客も、わざわざ残しておいてやる義理はないからな。

ハークス 何、別の研究所の情報を手に入れればいいのさ。

GM ういうい。では、これでまず第一話目は終了という事で、おつかれ〜。

パリス ホントに続くのかよ。

GM おう。……たぶん。

パリス おひ…


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