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青春の罠

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大特集 「青春の罠」

1978年のリバイバルドラマである「青春の罠」は、お母さんと娘が並んで座ってあれこれ話しながら見ることが出来るドラマ。娘が母に1978年当時とはどう違っているのかなどを聞きながら見るという微笑ましい光景も見られ、世代を超えて人気を得た。

1978年に放送されると、視聴者の注目を一身に受けながらも、当時は保守的な傾向が強く「未婚の母がモラルに反する。」「ドンウの拝金主義が社会を混乱させる」などの世論の風潮で途中終了せざるを得なくなったということはあまりにも有名。その1978年にMBCで放送された「青春の罠」は、どんなものだったのだろうか。

      配役    

ユニ役・・・イヒョチュン

ドラマのヒットに伴い、ユニの髪型に憧れて真似をする人が多かった。未婚の母でありながら、いかに清純に見せようかということにとても苦労した。

ドンウ役・・・イジョンギル

視聴者がまだドラマと現実の区別を上手くできなかった時代で、ドンウへの非難は直接イジョンギルに向かった。ロケ中に観光客から殴られたこともある。

ヨンジュ役・・・キムヨンエ

人の恋人を奪うという役で、やはりイジョンギルと同様相当の非難を受けた。当時としては、ヨンジュのキャラクターは新しすぎる女性の姿であった。

ヨングク役・・・パククニョン

ユニにとっては王子様のような存在であったために、若い女性を虜にした。少し悪ぶっている反面でもとても優しいヨングク役の成功の為にその後パククニョンの演じる役はそのような役が多かった。

      当時の批評   

<朝鮮日報 1978年9月3日時TV論評中の批評>
 

MBCの青春の罠は世の中はこんなものだとは思ってはならないドラマである。社会全般に拝金主義が横行していて、いくらこの頃の若者立ちが日和見主義者だとしても、このような素材を家庭内に移していかなければいけないのだろうか?

娘まで持った男性主人公が金持ちの娘と結婚するという大筋の展開は、道徳的にみてタブー視されてきたものであり。それを持ち出したのはそういうものを公認しようとしているのであろうか?作者のキムスヒョンは、さっぱりとした台詞で興味を惹く展開で病んだ若者達の群像を暴いて見ようということだが・・・。

社会論理と価値観を崩壊させる逆機能的な面を露出させるということは社会問題にもなる。放送論理委員会がこの問題を解決しないならその存在理由が薄くなるであろう。このドラマは視聴者達の関心を集めるに値した十分な要素を持っているが、あまりに常識的に無理があるストーリー設定を視聴率に執着して傍観できないようだ。良い点より悪い点が多い時、欠点を修正することは勇気であり、恥ではない。

視聴者達はユニがかわいそうで、ドンウを悪い男だと悪口を言いながらTVの前に集まったが、一部の保守派世論が、当時としては破格的であった人物設定を受け入れるにはまだ力不足であったようだ。
結局その世論に負けるかたちで、第20話にユニがドンウをいよいよ窮地に追い詰める中、ドンウが「このままで終わりはしない」という言葉を放つというかたちの中途半端なエンディングを迎える。

その後、映画化もされた。映画のエンディングは、追い詰められたドンウが自殺により死亡。ユニはドンウの死により傷を受け、ヨングクの元を去って行くというもの。このエンディングの評価が良くなかったのかどうかは判らないが、興行的には思わしい結果を残せなかった。

1999年にリメイクされた「青春の罠」は、1978年のドラマ版と映画版の集大成ともいえる。1999年版には、それまで登場しなかったドンウの漁村の家族や、ヨングク達の産みの母、また痴呆症の祖母が加えられて、さらに奥の深いドラマに仕上がっている。

symble_asterisk_blue.gif「愛の群像」との視聴率対決

1999年1月26日同時刻に「青春の罠」と「愛の群像(原題・私達は本当に愛したのだろうか)」の放送がスタートした。この2作品はドラマ王国MBCと歴史がまだ浅いものの「砂時計」、「ミスターQ」とヒットを飛ばしてきたSBSがお互い力を注いだ作品である。また、ベテラン女流シナリオライターで『言語の魔術師』といわれるキムスヒョンの「青春の罠」と、「MBCベスト劇場」やKBSの「嘘」などで名前が知られるようになった若手の新世代女流作家で『鬼才』といわれるノヒギョンプライドをかけた対決と大いに騒がれた。ドラマの内容を見ても、キャラクターに違いがあるものの、イジョンウォン演じるドンウとペヨンジュンが演じるジェホはどちらも自分の野心の為に女性をその手段と考えることが似通っていることも興味深かった。

初めは人気俳優ペヨンジュンを起用し、キムへスとユンソナとの三角関係を繰り広げた「愛の群像」が若干好スタートをきったのだが、放送3週目に「青春の罠」が逆転。そのままどんどん視聴率を伸ばし、ユニとドンウの関係がどのように終末を迎えるのかに興味が集まった最終話には50%を越えた。24話で終わった「青春の罠」はそのままの勢いを「トマト」に引継ぎ、全44話の「愛の群像」を最後まで苦しめた。

「青春の罠」ヨンジュ役のユホジョンと「愛の群像」のギルジン役のイジェリョン夫妻は、くしくもその2作品に別々に出演することになった。これは急遽決まったキャスティングの為にお互いまったく気がつかつかなかったことで、後からイジェリョンが「あ!俺達競争する番組に出るよ」と気がついた。ユホジョンは「オッパ(イジェリョンのこと)が好きなノヒギョン作家の作品に出たことは良い事だし、私の出たドラマの視聴率が高くてもオッパにすまないという感情は無いです。違う時間のドラマだったらオッパの出たドラマも反応がとても良かったはずだっただろう」と語っている。

symble_asterisk_blue.gif人気シナリオライター「キムスヒョン」とは

『言語の魔術師』といわれるほど、キムスヒョン作家の作り出す台詞は美しく印象的だ。「青春の罠」の中にもユニのドンウに復讐を告げる言葉「あなたを壊してしまうだろう」、チョングァンニョルがユニに言う言葉「僕を利用しなさい。利用されましょう」という台詞など印象的な台詞が随所に見られる。キムスヒョン作家の過去の作品は大きく分けて「喜劇型」と「悲劇型」がある。「喜劇型」にはシートコムの「ママ パパがいいよ」や「風呂屋の男達」などがあるが、悲劇型のほうが評価が高く「愛と真実」、「愛と野望」、「裏切りの薔薇」、「青春の罠」の後に再びSBSと組んでヒットを飛ばした「火炎」などがある。

symble_asterisk_blue.gif開始直前のキャスティング変更

なんとドラマ放送2週間前に当初キャスティングされていたドンウ役のキムミンジョンとヨンジュ役のイスンヨンが揃って辞退した。イスンヨンは不法運転免許取得の謹慎が解けたばかりで復帰第一作となるドラマだったのだか、世論からは「まだ十分に反省できていない、時期早々である」と言われ、またキムミンジョンも歌手活動をする上でのイメージを大切にするために女性を裏切るドンウ役はリスクが大きいと判断したと推測される。話題の恋人同士の2人揃っての降板ということで、急遽それに負けないほどの代役探しに追われることになった。
結局、ドンウ役は「ホンギルドン」でチョンセホン監督と出会ったイジョンウォンが「ホンギルドン」終了後の休業していたのを取りやめて急遽合流。ヨンジュ役には今まで清純派の演技が目立ったユホジョンが選ばれた。映画撮影を終えてかけつけたシムウナも合流して、大急ぎで撮影をしたが、放送は一週間遅れになってしまい第1回目から「愛の群像」と真っ向勝負という形になった。

symble_asterisk_blue.gif撮影現場のチームワークと緊迫

 急なキャスティング変更になったにもかかわらず、撮影スタッフは「ホンギルドン」からチョンセホン監督と呼吸を合わせたドリームチームで、監督の「アクション!」の一声でどんな撮影をしたいのか判るほどチームワークが良い。しかし反対に練習現場はとても殺伐としている。キムスヒョンは小さな失敗も受け入れず、細部にまでこだわりを見せる。その為週に1度2話分行う台本読み練習では、「今日はどんな指摘を受けるのだろうか?夕方までかかるのではないか」と出演者達は戦々恐々していた。キムスヒョン作家と演出家と出演者だけしか入ることのできない練習室においてはキムスヒョン作家が年齢関係なく演技についての厳しい批評を行った。3時間の予定が夕方までかかることのある練習。あまりの厳しさに3時間が30時間に感じるほどの殺伐とした雰囲気。練習室から出るときは、出演者の顔が緊張と興奮で赤くなるほどであったという。

その厳しい練習に耐えた甲斐があって大成功に終わった「青春の罠」。SBSはその功績に対してドラマ終了後謝恩パーティーを開いた。SBSの会長は「ひきつづいて中年の罠、老年の罠も作って、永遠に視聴者の関心をとらえましょう」(・・・寒い(^-^;)と語り、チョン監督に激励金、キムスヒョン作家に感謝杯を、出演者達に記念杯を贈呈した。

 symble_asterisk_blue.gifシムウナ子持ち疑惑?

 映画とはまた違った姿と完璧な演技を見せたシムウナは、この作品で1999年SBS大賞を受賞。特に娘のヘリムに対しての愛情溢れるシーンは評価が高かった。ヘリムを入浴されるときにお尻を噛むシーンに視聴者たちは「本当は子供がいるんじゃないか?」と思った程だ。シムウナは映画で高い評価を得ていて、ドラマには出演する気はほとんど無かった。しかし監督が「ファイナルジャンプ(原題・最後の勝負)」と「M」で呼吸を合わせたチョンセホン監督であることと、シナリオがキムスヒョン作家であることから出演を決めた。撮影前に1978年の「青春の罠」の脚本を読んだシムウナはユニに感情移入し、だんだんとユニ自身になっていった。あまりにユニの気持ちになりきっていたので自宅に帰って時々涙することもあったと話している。

symble_asterisk_blue.gifシムウナのファッションは?

 ドラマがヒットすれば、そのキャラクター達が身につけたものまでヒットするというのが最近の傾向である。当然「青春の罠」においてもシムウナを中心にそのファッションが注目された。

シムウナが主に身につけたブランドはグッチと韓国のデザイナーのチチュニの「ミスティコレクション」である。スタート直後、視聴者から「裕福でないユニが高級なものを身につけるのは変だという批判を受けた。その為製作陣はすぐユニのファッションをつつましいものに変えた。とにかくシムウナが身につければ、それが注目される。放送されるやいなや「今日のあのシーンで来た服はどこのものなのか」という問い合わせが殺到するほど。まるで「歩く広告」のようだ。

チチュニはシムウナが「愛したら」に出演した時からシムウナをバックアップし、「白夜」の時もほとんどの物を提供した。ドラマ以外にも、シムウナが公式な場に出るときに着るドレスもほどんどチチュニのものである。チチュニは「シムウナは清楚できれいなイメージなのでどんな服を着てもよく似合う。おとなしいニットからセクシーなドレスまで多彩な面を演出できるから服を作る側としてもやり甲斐を感じる」と語っている。

 


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