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輸出促進の方法(2003.6.1)


〜 輸出を始めるに際して 〜
(2003.3.21)
 
 

輸入促進から再び輸出振興の動き

1980年代に大幅な貿易黒字幅の拡大と海外との貿易摩擦の回避の為日本の通商政策は輸出振興から輸入促進に変わったが、近年の貿易黒字幅の減少(貿易黒字幅は1999年から3年連続して減少している)や国内消費不振からの脱却のために再び輸出振興の声も出てきているようである。

過去においては確かに日本国内における消費不振や在庫の増大を輸出でカバー出来た時期もあったが、当時より為替は円高になり、人件費を含む製造コストも上昇しているなどで輸出環境は厳しくなっている。単に既存の自社製品を輸出しようとしても難しい場合が多い。

日本企業も生産拠点の海外移転や多国籍化を行っているので、グローバルな観点からの国際的なマーケティングが大切になってきている。 

自社製品の市場性の調査

初めて輸出を手がけようと言う場合は、国際市場における自社製品のポジションを把握し、自社製品をどこの市場に売り込むのがよいか検討する必要がある。国際貿易の傾向、市場区分、市場規模、市場における競争力の分析、商品の持つ市場性、カントリー・リスクなどの分析が必要。ジェトロ白書(貿易編、投資編)や通商白書なども参考になる。

なお通商白書は下記のサイトで参照できる。

http://www.meti.go.jp/hakusho/

中国などの追い上げが急な輸出マーケットにおいて、日本商品は技術的に或いは品質的に競争力のあることが求められる。品質的に非常に優れているとか、特許を持っているなどの場合は、細分化された市場にそのような差別化された商品を輸出できる可能性があるはずである。私の中国の友人で日本食品の輸入をやっている人がカップラーメンを例に挙げて言っていた。現地では日本のメーカーが中国で現地生産を行った製品も売られているが、価格が10倍も高い日本製の輸入品も結構売れるそうである。これを買う人は中国に住んでいる日本人だけでなく最近増えている中国人の高所得層との事である。色々と難しい面はあろうが物によっては人口が多く成長率の高い中国市場での市場開拓も有望かもしれない。 

インターネット・マーケティング

近年インターネットや電子メールの普及によりインターネットを利用してのマーケティングが効果的になってきている。昔は輸出の売込みをするのにレターと一緒に英文の会社案内やカタログを海外の見込み客に送っていたが、最近は電子メールを見込み客に送りホームページで自社の紹介や商品カタログをオンラインで見てもらう方法が増えている。見込み客の電子メールアドレスを集めてダイレクト・メールを発信するのは実際にファックスや郵便物を送るより迅速、簡単、費用も安上がりである。 

英文のホームページを持つ必要性

インターネットでマーケティングをしようとする場合に英文のホームページがないと折角メールで連絡しても説得力のあるメールにならない。輸出をしようと思ったら先ず英文のホームページを作って、検索サイトや貿易関連の掲示板などにPRをすべきである。 

輸出取引先の探し方

1.インターネットでYahooなどの検索エンジンや貿易関連BtoBのサイトの利用

Yahooなどの利用は業種別の企業を探すのに便利である。その他Trade Leadと呼ばれる貿易関連BtoBのサイトが幾つかある。いろんなタイプがあり無料のものも有料のものもある。「売ります」、「買います」の掲示板に書き込んだり、自社の輸出希望製品の広告を掲示したり、サイトによっては自社のホームページのリンクを張ることも出来る。 

アリババ・ドット・コム( http://www.alibaba.com/ )

は世界最大規模のビジネスマッチングサイトで、登録企業は世界200カ国、約100万社が登録していると言われる。1999年に設立、同年香港に上場。同社にはゴールドマン・サックスやソフトバンクも出資している。

これらのBtoBのサイトのリンクを集めた下記のようなホームページもある。

WORLD'S TOP 100 FREE TRADE LEAD SITES

http://www.5five.tv/tradeleads.htm 

日本にもこのようなBtoBのサイトはあるが、下記もそれらに属する。

http://www3.jetro.go.jp/ttppoas/indexj.html (ジェトロのTTPP

http://www.wtcjapan.ne.jp/ (世界貿易センターの貿易掲示板) 

2.トレード・ダイレクトリーの利用

各種のダイレクトリーはジェトロのライブラリーで閲覧が可能である。地域別のもの、業界別のものなど色々ある。本になったもの以外にCDやホームページのデータベースとオンライン化も進んでいる。有名なダイレクトリのひとつであるKompassは世界70カ国の170万社、2,300万製品やサービスが参照できると言っているが、データベースは下記のURLでアクセスが可能である。

http://www.kompass.com/kinl/index.html 

なお、業界別のものに詳しいものがある。例えば米国の食料品の場合Thomas Food Industry Register というダイレクトリーがあるが、40,000社のプロフィールが含まれている。

 殆どの場合これらトレードダイレクトリーの出版社は有料ではあるがオンラインで業者名簿を閲覧することが可能なホームページを持つところが多くなってきた。

 3.各国の商工会議所への問い合わせ

日本商工会議所に海外の商工会議所の名簿があるとのことなのでそこで連絡先を調べてもよいが、下記のサイトから世界各国の商工会議所を検索できる。例えばアメリカの場合、州や郡、市の名前からその地域の商工会議所が検索可能で、そこから住所や電子メールを取得して問い合わせを行うのも便利である。

http://www.worldchambers.com/ 

商工会議所に自社の紹介や自社製品の輸入に興味ある会社を紹介して欲しいという問い合わせを出すと会員向けの会報に載せてくれる場合がある。 

4.業界誌の活用

各国でいろんな業界誌が発行されているが、そこに掲載されている広告から見込み客を探し連絡することも可能。業界誌によっては、業界の関連業者リストを掲載しているところもあり、購読しなくてもそういうサイトから連絡先を入手することが可能である。

例えば、米国の自然食品や健康食品の業界誌にThe Natural Food Merchandiser と言う雑誌があるが、そのホームページ(下記URL)には業界の関連業者名簿が掲載されており便利である。

http://www.newhope.com/

5.見本市、展示会への出張・参加

展示会に参加すればかなりの見込み客を把握することが可能で、会場で商談がまとまることもある。参加しなくても出張で視察すれば出展者のリストが入手できるし、他社製品や全体の商品動向などもチェックできて極めて有効である。世界の展示会の情報は下記のジェトロホームページの下記のアドレスでチェックできる。

http://www.jetro.go.jp/fa/e/wfair_hp/main.html

6.イエローページなどの利用

ジェトロのライブラリーに世界各地の職業別電話帳があり閲覧可能である。インターネットでもイエローページのサイトがあり職業別で企業が検索できる。電話番号と住所以外にメールアドレスやホームページのアドレスが記載されているものもある。

http://www.yellowpages.com/

http://www.superpages.com/

http://www.yellow-page.net/ 

7.在日外国公館や在日外国貿易機関などへの問合せ。

但し、これら在日外国機関は自国商品の日本への売り込みには協力的だが、日本からの輸出には力の入らないところもある。

 自社での直接輸出が増大傾向

昔は貿易商社経由の輸出比率が高かったが、近年メーカーの直接輸出が多くなってきた。インターネットの発達で海外との直接的なコミュニケーションが益々取りやすくなっている。中抜きにより利益が増えること以外に海外の企業と直接やり取りを行うことで海外の事情を直接把握できると言う利点がある。

 

アウトソーシングの活用

初めて自社での輸出を行う時に、文化や習慣の異なる海外との交渉には戸惑いがあるかも知れない。また、英語の能力も十分でない場合もあるかもしれない。新たに経験者を雇用したり、社内研修などで人材を育成するのが難しい場合は、貿易コンサルタントやジェトロの認定貿易アドアバイザー、貿易実務代行業者などにアウトソーシングすることで費用を抑えて実質的な自社輸出を行うことが可能になる。


 

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