メルボルンで手に入る食材

こちらでは何を食べているのか良く聞かれることがあります。 基本的には日本で食べていたものと余り変わりがありません。

手に入る食材が日本と多少違うので、料理も少し違ってくるかもしれません。 メルボルンは世界各地からの移民が多いので各地の食材が入手可能です。 私達に馴染みが深い中華料理については、中国系やベトナム系の移民が多い為に、中華食材を売っている店が集まっている場所が3箇所ほどあります。私は自宅から比較的近いRichmondという場所の中華街によく買いに行きます。また、日本料理の食材もこういう中華街にも売られており私は2週間に一度は出かけています。
自宅で料理するものは日本食が中心です。日本料理の食材も大体のものは手に入りますが、生鮮野菜や鮮魚は入手困難な物もあります。

右の写真はシティーと呼ばれる市内の中華街の一角です。ここには中華料理店は多いですが中華食材店はそれほど多いわけではありません。「福音堂」と書かれている建物は中国人の為のキリスト教会で100年以上 に建てられ、現在は文化財に指定されています。

野菜:                       

日本で売られている野菜は大体のものは手に入ります。ただし、三つ葉、みょうが、柚子など私が好きな香りのあるのもはなかなか入手出来ません。みょうがは自宅で栽培している日本人もいるようです。日本食材店でもたまに売られていることがあり数週間前に久し振りに生のみょうがの香りを楽しみました。

柚子や三つ葉は手に入りません。柚子などは多分柑橘の木に挿し木をすれば出来ると思うのですが、こちらでの需要が大して無いのでやろうとする人がいないのだと思います。日本で乾燥した柚子を売っているのでこれを日本から持ち 帰り、吸い物などに入れて大切に使っています。

牛蒡はたまに日本食材店で売られていることがあります。でもいつもあるわけではなく、尚且つ日本の価格と比べてかなり高いようです。因みに日本は最近ごぼうを海外から輸入しています。2003年の輸入統計に拠ると、合計6万トンほどの輸入がありますが、オーストラリアからは100トン輸入されています。輸出用に栽培されたごぼうの輸出向けにならない規格外のものが日本食材店に流れているのではないかと想像しています。

白菜、大根などはこちらのスーパーなどでも売っているところもありますが、私は中華食材店で買っています。中華食材店ではその他里芋、もやし、春菊、、芥蘭(Chinese Broccoli)、空芯菜、青梗菜、オクラ、ゴーヤ、蓮根、銀杏なども売っています。また、冷凍野菜ではレンコンの輪切り、栗の皮を剥いたものもあります し、水煮筍やザーサイの缶詰なども売られています。

ジャガイモ、人参、玉葱、胡瓜、ねぎ、かぼちゃ、ブロッコリ、ピーマン、アスパラ、さやインゲン、キャベツなどの一般野菜は普通のスーパーやマーケットで買います。ブロッコリやピーマン 等どれもサイズがかなり大きいです。

キノコ類ではマッシュルームのほか最近では椎茸、えのき、シメジ、鮑茸などもマーケットで買えるようになりました。但し日本の値段と比べるとマッシュルームは安いですが、その他の生鮮キノコは馬鹿馬鹿し いくらい高くて余り買う気になれません。これから秋の盛りになると野生のキノコが出回りますが早起きして市場に行かないと売り切れてしまいます。私が好きなのはアミタケ(網茸)の種類です。私の田舎の信州では「じこうぼう」と呼んでいました。傘にぬめりがあり 、味噌汁に入れも大根おろしで食べても良く、マーケットに出るのは短い期間ですが今から楽しみです。

生鮮魚介類

こちらで売られている魚介類の種類は多いのですが、一般的に日本と比べて新鮮さに欠けます。これは多分漁船から小売店に至るまでの物流過程における扱い方に問題があるのではないかと思います。また、生き締めなど処理をしていない為に 、日本のような鮮度保持が出来ていないのではないかと思われます。 こちらでは生で食べることが殆ど無いので消費者も日本のように新鮮な品質を求めていないのかも知れませんが、我々日本人にとっては残念な話しです。

鯛や縞アジなど高級魚もありますが一般的に大味で身も柔らかです。私は青味の魚が好きなのですが、鯖は油が乗っておらずパサパサした食感です。また、アジも有る事は有るのですが 、なかなか鮮度の良いものに行き当たりません。ただし値段が安く先日も6匹買って350円くらいでした。これは開きにして塩をして干魚にしました。鰯は一種類だけですがあります。これは醤油で甘辛く煮付けたり3枚に下ろした 切り身を揚げて南蛮漬けにすることが多いです。

鯛やシマアジは鮮度の良い時には三枚に下ろして刺身にする事もあります。先日、シマアジの比較的鮮度の良いものが入手できたので2匹を刺身に2匹をなめろうにして楽しみました。なめろうが上手く出来たので菊水酒造の生原酒を日本食材店に買いに行き久し振りの旨い日本酒を楽しみました。

最近鮭やバラマンディと呼ばれる美味しい白身魚が養殖されるようになってきてフィッシュマーケットなどで売られています。鮭はアトランティック・サーモンというノルウェーやチリから輸入されているものと同じ種類です。最近は日本にもオーストラリア産のアトランティック・サーモンが輸入されているようです。 こちらでは刺身で食べたりスモークサーモンに可能されたりしています。養殖が始った初期の頃は脂が乗りすぎていて刺身にしても旨くない時がありましたが、最近は程よく仕上がっているようです。

貝類ではポピュラーなのはオイスター、帆立、ムール貝などでしょう。

メルボルンで売られているオイスターは殆どが日本の物と同じ種類のパシフィック・オイスターと呼ばれるものです。タスマニアや南オーストラリア州で養殖されたものが売られています。殻付きの新鮮なものにレモン汁をかけてよく冷えた白ワインと一緒に食べるのがいいですね。以前はシドニー・ロック・オイスターと言う小型のものが一般的でした。この種類はもともとオーストラリア原産のものでニューサウスウェルズ州で養殖されていますが、味は日本のものよりもっとクリーミーで味の濃いオイスターです。

帆立貝は日本のものより小型のものが一般的です。殆どが加熱用で殻を取り赤い卵巣が付いた状態で売られています。我家では 、焼きソバや焼き飯の具に使ったり野菜炒めに混ぜたりして使います。

ムール貝は殻が黒い色のものと緑色のものと2種類あります。イタリア料理など地中海料理ではよく使われますが、我家では鍋に入れたり帆立同様、パエリアに入れたりして使います。

鮑についてはオーストラリア人は食べないのでマーケットには出ませんが、日本や東南アジア中国向けの輸出用に漁獲されています。ライセンスを持ったダイバーしか獲れませんが、鮑の浜値は非常に高くライセンスの相場も非常に高くなっているそうです。メルボルンが面しているポートフィリップ湾の海岸でも昔は鮑が採れて、私たちも25年ほど前の最初の駐在の時には鮑獲りを楽しんだのですが、10数年前から自然保護の為に湾内では鮑を獲ってはいけないことになっています。 最近知人が湾内ではない外海で獲った鮑を頂きました。味噌漬けにしてグリルで焼いて食べましたが思わず日本酒に手が出ました。

アサリに似た貝でPipiという貝があります。酒蒸しにしたり味噌汁に入れたりしますが日本のアサリほど旨みがありません。

その他私が酒の肴に好きな貝でサザエの種類と思われるのですが、角が無い巻き貝があります。直径4、5センチくらいですからサザエより少し小さいのですが、殆ど角の無いサザエといった感じです。中華街の魚屋さんでないと売っていないのですが、これを醤油とみりんで煮たり壷焼き風に焼いたものを竹の串でくねくねと曲がったはらわたまで取り出して食べるのが楽しみです。

海老蟹類

ロブスターはこちらではSouthern Rock Lobster と呼ばれており、日本の伊勢海老よりかなり大きいものが売られています。一匹1キロ以上あり鬼殻焼きなどにしても日本料理の一人分の皿には乗り切らないと思います。我家では滅多にしませんが生きているロブスターを買って来たときはこれを刺身に捌くのは私の役割です。 先ず刺身を楽しんでから、頭や足の部分をオーブンで焼き、ミソ等も堪能した後、味噌汁や鍋に入れて更にもう一度別の味を愛でることが出来ます。

蟹の種類も豊富です。ブルー・スイマーと呼ばれるわたり渡り蟹のような蟹やクイーンズランドに住むマッド・クラブと呼ばれる殻の厚い蟹がポピュラーです。マーケットには余り出ませんがキングクラブと呼ばれる大きな爪を持った10kgくらいまでなる蟹もあります。
 

乾物類など

米はオーストラリアで生産される「コシヒカリ」を使っています。10キロ入りが20豪ドルくらいですから、一キロ160円くらいです。日本より大分安いですね。大豆、椎茸、昆布、湯葉、胡麻油、胡麻ペ ースト、紹興酒、搾菜、腐乳、中華香辛料 などは中華食材店で手に入ります。東南アジアからの華僑も多いことからタイ料理やマレーシア料理のエスニック香辛料、また韓国人経営の食材店ではキムチや各種韓国料理の材料が手に入ります。イタリアやギリシャからの移民が多いことからこれらの料理の材料も多いのですが、なかなか使いこなせません。

自家製食品

こちらで納豆は冷凍されたものが日本食材店で売られているのですが、我家では手作りの納豆を毎朝食べています。市販の大豆約500gを洗って10 時間水に漬け圧力釜で蒸します。これを 熱湯消毒したステンレスボウルに移して市販の納豆を大匙2杯ほど混ぜ合わせ、アルミホイルを張り、フォークの先などで穴を開け専用バスタオルに包み、給湯タンクの上に一昼夜置けば美味しい納豆の出来上がりです。

どぶろく造りも楽しみです。蒸した米を熱湯消毒したガラス広口瓶に入れ水を加え米麹、イースト、ヨーグルトを少々加え、朝夕かき混ぜながら3日も経てば出来上がりです。どぶろく造りについては知人のこちらのHPにも詳細が書かれています。

エアーショー

食べものに関係ないのですが、先日メルボルンの近郊で開催されたエアーショーに行ってきました。場所は家から車で40分くらいのアバロン・エアポートという場所です。飛行場の周りの広大な場所に各種の飛行機やヘリコプターが展示され、上空では編隊飛行やアクロバット飛行や第二次大戦中に使われたゼロ戦などの戦闘機、最新のF16戦闘機、B52爆撃機から昔旅客機に使われたプロベラ機なども披露され楽しい経験が出来ました。

写真の左はジェット戦闘機の編隊飛行、右下はオーストラリア空軍で使われた輸送機です。

B52戦略爆撃機はグアム島から飛んできたそうです。但し、空港には降りずに上空を2、3度旋回してまた帰って行きました。

また、F16戦闘機は在日アメリカ空軍から送り込まれたものですが、アナウンサーも米軍から派遣された人でどうも米軍も商売でやっているような印象でした。

展示されている飛行機は軍事用も商用もありました。
この国は国土が広く長距離の移動には飛行機が不可欠で商業用にも国内路線では大型機からセスナのような小型機もまで多く使われています。また、農業や医療用ヘリなどの需要もあることからこのようなショーが開かれるものと思われます。一般の見物客も多く、近くの牧場を借り上げた専用駐車場には何千台もの車が駐車していました。日本ではこのようなエアーショーを開けるような場所はないと思います。土地が十分あるオーストラリアだから都会の近郊でこのようなショーを開催することが出来るものと改めて感心しました。

 

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