混声合唱組曲 遥かなものを

作詩 伊藤 海彦  作曲 大中 恩

3.峠

のぼりつめ のぼりつめ
展(ひら)ける空の この碧さ
峠の空の この碧さ
ふりむけば なつかしい道
みわたせば あたらしい道
        ・・・・・空をよぎり まのあたり
            放たれた矢のように
            おちてゆく
            鷹よ一羽・・・・・

出発と 到着と
ひとつにむすぶ この碧さ
峠の上の この碧さ
傾いた陽ざしのなかに
のぞみ観る 遠いキレット

雲のむれ ふりわけて
空を刺す 山の切尖(きっさき)
忘れよう
いままでの ながい道
忘れよう
いままでの 小さな日々を
遥かなもの
あの碧い彼方のために