走れコータロー
作詩 池田謙吉  作曲 池田謙吉・前田伸夫  編曲 青島 広志

<青島先生の解説>
 何という脳天気な曲!と、発表された当時は思っていましたが、このメロディーには明らかに
アメリカのウエスタン音楽の影響が感じられます(というより、そのものです)。ピアノパートの
右手はフィードル(ヴァイオリン)やバンジョーを模しています。このピアノパートは恐らく大変で、
練習曲として用いることもできるでしょう。
 かけ声の男とナレーターは、個性豊かな人を選ぶこと。とくに後者のセリフは当時、子供たちが
こぞって真似、丸暗記して暮らすの人気者になろうとしたものです。
<F>からは競馬を見ている人々の乱痴気騒ぎです。ソリストたちは<K>からも、ちゃんと自分たち
で作曲して歌うこと。
 スラップスティック・ギャグの演出を加えると更におもしろいでしょう。

これから始まる 大レース
ひしめきあって いななくは
天下のサラブレッド 四歳馬
今日はダービー めでたいな

 *走れ走れ(走れ)コウタロー
  本命穴馬かきわけて
  走れ走れ(走れ)コウタロー
  追いつき追いこせ引っこぬけ

スタートダッシュで出遅れる
どこまでいっても はなされる

ここでおまえが 負けたなら
おいらの生活 ままならぬ

 (*くりかえし)

<セリフ>
エーこのたび、公営ギャンブルを、どのように廃止するか、という問題につきまして、
慎重に検討を重ねてまいりました結果、本日の第4レース、本命はホタルノヒカリ。
穴馬はアッと驚く大三元という結論に達したのであります。各馬ゲートインから
いっせいにスタート。第2コーナーをまわったところで、先頭は予想どおりホタルノ
ヒカリ   さらに各馬一団となってタメゴロー、ヒカルゲンジ、リンシャンカイホー、
メンタンピンドライチ、コイコイ、ソルティーシュガー、オッペケペ、コウタローとつづいて
おります。第3コーナーにかかったところで、先頭は予想どおりホタルノヒカリ、
コウタローは大きくぐっとあいて。さあ、最後の直線コースに入った。あっ、コウタローが
ぐんぐん出て来た。コウタロー速い。コウタロー速い。トップのホタルノヒカリけんめいの
しっ走。これをコウタローがひっ死に追っかける。コウタローが追いつくか、ホタルノヒカリ
が逃げきるか。コウタローかホタルノヒカリ、ホタルノヒカリかマドノユキ、あけてぞけさは
分かれゆく。

ところが奇跡か 神がかり
いならぶ名馬を ごぼう抜き
いつしかトップに おどり出て
ついでに騎手まで振り落とす

 (*くりかえすし)