女声のためのシャンソネット
                      I(愛) より                

                      3.思い出をつづる歌

                      作詩 関根 栄一  作曲 湯山  昭

                       山鳩が ないていた
                            山の いただき 霧のなか
                            あの時 なにを 話したか
                            それが おもいだせないよ
                            あの時の ことばたち
                            ことばたちは どこへ

                            沢がにを つかまえた
                            谷の ながれは 音たてて
                            あの時 たしか きみもいた
                            そして みんなみんないた
                            あの時の ことばたち
                            ことばたちは どこへ

                            よろこび つづき
                            ことば ことば
                            ことばたちは
                            消えてゆき
                            ただ 歌だけが なぜかいま
                            ただ 懐しく 湧いてくる
                            思い出 つづる
                            歌よ 歌よ

                            山百合が 咲いていた
                            夏の おわりの 山のみち
                            あの時 山に さよならの
                            歌を うたい降りてきた
                            あの時の あの歌が
                            思い出を つづる