男声合唱組曲
よこはま
作詩 武鹿 悦子  作曲 田頭 喜久彌

3.石だたみ

波のように 石だたみが寄せる
石の波ひたひた
石の海はるか
ゆきくれてふと 幻の馬車の轍(わだち)の音を聴く
明治の女のほそい足くび
重い衣摺れ
憧れにひたひた 寄せる石だたみ

戻り梅雨に 石だたみが濡れる
石の波ひたひた
石の海はるか
濡れそぼちふと
       走り去る馬車の朧ろな影を見る
気づけば緑にかわるシグナル
急ぐ人波
侘びしさのひたひた 寄せる石だたみ