混声合唱組曲
「富山に伝わる三つの民謡」
作詞構成・作曲 岩河 三郎  入力 友人H  加工 tuusic

こきりこ

雪が降る 雪が降る
しんしんと 雪が降りつづく

山また山にかこまれた
奥深い谷合いの村 五箇山の里に
雪が降る

合掌造りのわら屋の里に
歌いつがれたこきりこの歌が
今日も聞こえる
こきりこの歌が 雪の中から聞こえて来る

デデレコデン デデレコデン
デデレコデンデン デデレコデン

  『こきりこの竹は 七寸五分じゃ
   長いは袖のかなかいじゃ
   マドノサンサモ デデレコデン
   ハレノサンサモ デデレコデン』

  『踊りたきゃ踊れ 泣く子をいくせ
   ささらは窓のもとにある
   マドノサンサモ デデレコデン
   ハレノサンサモ デデレコデン』



デデレコデン デデレコデン
デデレコデンデン デデレコデン

こきりこの歌は
けわしい山道を 逃げかくれして来た
平家の落武者たちが つれづれに
声をひそめて歌ったものか

こきりこの歌は
人里はなれたこの村に 流された人の
ため息のしらべか・・・・・

ルルルルル ルルルルル
ルルルルル ルルルルル

  『マドノサンサモ デデレコデン
   ハレノサンサモ デデレコデン』

  『向いの山をかづことすれば
   荷なわが切れてかづかれぬ
   マドノサンサモ デデレコデン
   ハレノサンサモ デデレコデン』

デデレコデン デデレコデン
デデレコデンデン デデレコデンデン
デデレコ デデレコ
デデレコ デデレコ デーン

<岩河三郎先生の解説>
 小・中学校の教科書などにものっている一番ポピュラーな富山県五箇山地方の民謡ですが、場面を冬にして、この奥深い山里にひっそりと建つ合掌造りのわらぶきの家の中からこの歌が聞こえてくるという筋にしました。
 歌っているのは平家の落人たちで、やさしいメロディーながら、やはり武士の匂いが感じられるので、この落人たち思いをはせてこの歌の源泉を彼らの悲しいため息ではなかったのかと、ささやくように歌います。そして最後にもう一度、もと歌を高らかに歌い上げるのです。