混声合唱組           
                      筑後川  より
                       作詩 丸山 豊  作曲 團 伊玖磨
 

                      T みなかみ   

                       いまうまれたばかりの川
                       山の光は
                       小鳥のうぶ毛の匂。
                       若草と若葉のかさなりは
                       天へつづくみどりの階段。
                       阿蘇外輪の春。
                       熔岩の寝床で
                       いま生れたばかりの川
                       すがすがしい裸の愛が
                       頬をあからめて歌いだす。
                       素足でげんきよく走りだす。
                       さあ遠い旅行がはじまる。
                       けものの白い骨を
                       狩人の墓を洗い
                       森のくらさをおそれずに
                       滝の高さをおそれずに
                       さあ未知のくにぐにへの旅行がはじまる。