混声合唱組曲
港の心
作詩 江間 章子  作曲 池辺 晋一郎

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Ⅳ. 港の心

むかし翅をひろげた蝶の
かたちの村だったという
小さな漁村だったという
いまは巨大なビルディングが
たちならぶ港です
世界の人に親しい港です

いままで どれほど多くの人が
この港から汽船に乗って去って
行ったことでしょうか
長い汽船の旅を終えて
上陸したでしょうか
これからも そうでしょう
巨きな汽船が美しいすがたで
桟橋に憩っています
クレンがひびくなか
やさしく風が吹きます

きょうも海から届く言葉
千年あとまで親しいおつきあいを
波に乗って届く言葉
きょうも波に乗って
港に届く言葉