童声・混声合唱と2台のピアノのための
日本の四季
瀧 廉太郎の作品による
 
三善 晃 構成・編曲

これは瀧 廉太郎の作品16曲(作曲・編曲)を、春から春まで一年四季の
メドレーの形に編曲・構成されたもので、編成には女声・男声・童声と2台
のピアノを用い、それらを曲によって組み合わせたものです。

6.箱根八里
作歌 鳥居 忱  作曲 瀧 廉太郎

1.箱根の山は天下の険(けん) 函谷関(かんこくかん)も物ならず
  万丈(ばんじょう)の山 千仞(せんじん)の谷 前に聳(そび)へ後(しりへ)にさゝふ
  雲は雲は山をめぐり 霧は谷をとざす
  昼猶(なお)闇(くら)き杉の並木 羊腸の小径は苔(こけ)滑らか
  一夫関(いっぷかん)に当るや万夫も開くなし
  天下に旅する剛毅(がうき)の武士(もののふ) 大刀(だいとう)腰に足駄がけ
  八里の岩ね踏み鳴す
  斯(か)くこそありしか 往時の武士

2.箱根の山は天下の阻(そ) 蜀(しょく)の桟道(さんどう)数ならず
  万丈の山 千仞の谷 前に聳へ後にさゝふ
  雲は山をめぐり 霧は谷をとざす
  昼猶闇き杉の並木 羊腸の小径は苔滑らか
  一夫関に当るや万夫も開くなし
  山野に狩する剛毅の壮士(ますらお) 猟銃肩に草鞋(わらじ)がけ
  八里の岩ね踏み破る
  斯くこそありけれ 近時(きんじ)の壮士