女声合唱曲集「春のマドリガル」
そんなお婆さんなら わるくない
作詞 安西 均  作曲 服部 公一

日曜たんびに孫が来る
メザシみたいに並んで来る
走って 騒いで 泣いては 食べて
孫の名前はこんがらがっても
けっこう用は足りるもの
   寂しいけれど 暖かい
   冬の日だまりのような
   そんな暮らしができるなら
   お婆さんになるのも わるくない

働き者でヒゲが濃く
かわいい嫁と並んで来る
歌って 笑って 飲んで 話して
カレーライスをねだって食べる
いくつになっても子供みたい
   ストーブ燃える 賑やかな
   冬のお部屋のような
   そんな暮らしができるなら
   お婆さんになるのも わるくない

年のせいだか忘れもの
このごろ少しひどすぎる
あそこに いや待て こっちの隅かな
それとも向うの おやまァ すっかり
お爺さんを忘れてた!
   今日もいちんち忘れてた
   寂しいことも忘れてた
   そんな暮らしでよいのなら
   お婆さんになるのも わるくな