男声合唱組曲
よこはま
作詩 武鹿 悦子  作曲 田頭 喜久彌

7.山下ふ頭

岸壁に立つと
波がずずんと腹にしみる
ずずん ずずんと日が暮れる
貨物船にともるまるい灯り(あかり)に
クレーンは止り マリンタワーは背のびする
マリンタワーは背のびする
激しい風の中

山下銀座の岸壁は
大型機械がくろぐろと深い眠りに就いている
新らしづくめのふ頭には昔の汗の匂いはない
大桟橋に繰り返す船出のテープの別れにも
昔の涙はないように

百年 港のうつろいに
ずずん ずずんと波は寄せ
ずずん ずずんと世はすすむ
貨物船が鳴らす低い汽笛に
街の灯は燃え マリンタワーは背のびする
マリンタワーは背のびする
激しい風の中