五線譜1   

    音楽編集に便利な設備

 
  ダンス音楽のCDを材料に、速さや長さを調整して、踊りやすい音楽に料理するための 便利な道具をいろいろ紹介します。


1. CDプレーヤー

   普通のCDプレーヤーは再生速度が一定のものがほとんどで、CDの演奏が速いからといって、簡単に遅くしたりすることはできません。 しかし、特殊なCDプレーヤーを使えば速度調整が可能です。 再生速度を変える機能を PITCH CONTROL と言い、コンポーネントステレオ用のCDプレーヤーでは、デンオンのDCD-1550ARにその機能がついています。 変動幅は原曲の速度に対して±12%で、0.1%刻みで設定可能で、数値が表示されます。 数年前にTEACでも出していて、私も持っていましたが、今では見かけなくなってしまいました。 再生速度を速くすると音程は上がり、遅くすると音程は下がります。あまり遅くすると女性のボーカルの声が男性のように低くなるのが困ります。 ところが、再生速度を変えても音程が変わらないプレーヤーが見つかりました。 パイオニアの CDJ-700S や CDJ-30 がそうです。 変動幅は±10%ですが、MASTER TEMPO機能を使うと、音程はそのままで速度を変えられます。 それでも、あまり遅くすると演奏やボーカルが間延びした感じになるので、せいぜい-7%程度が限度です。 私はCDJ-30を使って、種目ごとに最も踊りやすい速度に調整し、MDに録音したり、コンピュータにサウンドカード経由で取り込んでCDを作成したりしています。 また、パイオニアの X-RMX99 というミニコンポには2台のCDプレーヤーがついていて、MASTER TEMPO機能があり、リミックスのためのミキサーもついています。 高機能ですがメカに弱いと使いこなすのが大変かもしれません。


2.再生速度を変えられるCDラジカセ

  CDとカセットテープの両方ともスピード調整ができるCDラジカセがビクターから出ています。 発売されたころダンスビュー誌にも取り上げられていました。 サークルの練習では、初心者向けに遅めに再生できるので便利です。 ただしスピード調整すると音程も変わります。 スピード調整はダイアル式で、速度の変動量の表示が無く、正確とは言えません。 音質はパーティーで使うにはやや淋しいかも。


3.再生速度を変えられるカセットデッキ

  コンポーネントステレオ用のカセットデッキで速度調整のできるものがSONYから出ています。TC-WR965S、TC-WE825S、TC-WE725の3種です。 PITCH CONTROL は標準速度から±30%の幅で変更できます。 しかし、音楽として使えるのはせいぜい±10%程度です。 これも再生速度の変更によって音程が変わります。 調整はダイアル式のため正確に変動幅を指定することはできません。 使い方はCDから1度テープに録音し、これを速度調整して再生し、別のテープやMDに録音するという手間のかかるものです。こんなのもありますというだけで、あまりお奨めではありません。


4.MDレコーダー

  最近はミニディスクレコーダーが進化して、いい装置が各社から販売されています。 MDのメリットはなんといっても一度録音した後で不要な曲を消去したり、追加した曲を途中に挿入したりできることです。 再生を繰り返しても音質の劣化はありません。 また、かけたい曲に自由に飛ぶことができます。 ダンスパーティーの音楽を担当する人にとって必須の装置といえると思います。 装置の種類も多いのですが、同じディスクを再生しても、ホールのアンプに接続して大音量にして聴くと音質の差がかなりあります。 小型のポータブル式の装置はコンポーネントステレオ用のMDデッキに比べて音の透明度が劣っているように感じます。
    録音はCDプレーヤーからデジタル信号のままMDレコーダーに送って録音できます。 ただし、CDによって記録されている音量が異なるため、録音の際はレベル調整をしなくてはなりません。 7万円を超える少し高級なMDデッキになると、デジタル録音でレベル調整する機能があります。 この機能が無い装置では、アナログ録音のモードにして、レベル調整します。 MDデッキでもの再生速度を変えられるもTEAC社であります。MDで速度調整できて、音程が変わらない装置が発売されないものかと 思うのですが。



5.CDレコーダー

 CDに音楽を直接録音する装置です。発売当時10万円を超えていましたが今では買いやすい価格にまで下がってきています。
 パソコン無しでもCDを作成出来るので、コンピュータが苦手な人や、CDを安く作りたい人にはおすすめです。 1回録音したら修正出来ないCD-Rと、繰り返し録音出来るCD-RWがあります。 CD-Rはファイナライズ処理をすれば他のCDプレーヤーでも再生ができますが、CD-RWは普通のCDプレーヤーでは使えないので、この装置を会場に持って行かなくてはなりません。 
 この装置にはMDほどの編集機能はありません。 1曲だけを消したり、順番を入れ替えることはできません。 MDに編集して完成した音楽集をCDに変換するという使い方がベストでしょう。


6.パソコンとCD-R

  パソコンにCD-Rをつけると、音楽CDが作成できます。 今ではパソコンを買うと標準で装備されてくるくらいになりました。
私はWindowsのマシンにプレクスターの8倍速のCD-Rを付けて使っています。 ダンス音楽CDをCD-R装置にセットしCDの内容をCD2WAVというフリーソフトでWAVE形式で吸い出し、ハードディスクに記録します。 この場合は原曲に最も近い形で記録されます。 これを配列を考えて、CD-Rに焼き込むとパーティー用の音楽集がCDで作れます。
 もし、再生速度を変更したい場合には、PITCH CONTROL機能の付いたCDプレーヤーからパソコンのサウンドカードの入力端子を経由して録音します。私は音質を重視するため、録音にはUSB接続の外部サウンドシステムを使っています。IO DATAのD2VOXです。パソコンのノイズの影響を受けにくいので高音質です。また、WAVEファイルの編集ソフトのTime Stretch機能を使って速度を調整する事も可能でCool Edit 2000を使っています。 サウンドボードに付属するソフトを使って録音レベルの調整や、フェードアウトの処理なんかもできます。
 
 この装置を入手したことで私のダンス音楽の追求の道のりは一応の完成を見たと言えるかもしれません。
 もちろん音質にこだわればきりがなく、装置も高価のものになっていきますが、ダンスのための音楽としては十分なレベルだと考えています。


7.デジタルメトロノーム

  
小型のカード式のメトロノームがあると、演奏速度を測定するのに非常に便利です。 セイコーのDM-20は名刺サイズで、胸ポケットに入れて一定のピッチでリズムを刻むので、それに合わせて踊ることもできます。 最も踊りやすいテンポを見つけるのにずいぶんと使いました。CDを作成した後、音楽の演奏速度確認にも使えます。  


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