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  ニセアカシア   クレマチス   マランタ   シャクヤク   コバンソウ
 
シラン   ミノムシ   エゴノキ   ユリノキ   イラガ   サルナシ
 
ラベンダー   ヒレハリソウ   柱状節理   自然   大桂   ラムズイヤー
 
ウツギ   ミツバチ   ハナウド   ラナンキュラス   

ニセアカシア

 ニセアカシアの花が高い木の枝から藤の花のように真っ白な花房を垂れ下げて甘い芳香を放っている。
 ニセアカシアはマメ科の落葉高木である。
 ふつうアカシアと呼ばれている木はたいていこれである。
 別名ハリエンジュとも呼ばれるが、ニセアカシアは気の毒な名前である。
 学名から言うとロベニア属であるため、ニセを嫌ってロベニアと呼ぶ人もあるようだ。
 北アメリカ原産で、17世紀ごろヨーロッパに渡り、公園樹や街路樹として世界に広まった。
 日本に渡来したのは明治初期である。
 北原白秋の「この道はいつか来た道」や西田佐知子の「アカシアの雨」のアカシアもこのニセアカシアを詠っている。
 真のアカシア属の植物は熱帯地方に分布し、本種とは別で黄色の花が咲く。
 ニセアカシアは良質な蜜源植物であり、花は天ぷらなどにして食べられる。
 ハリエンジュはエンジュに似ていて刺があることによる。
 属名はパリの園芸家ロビンがこの木をアメリカから輸入し、息子がヨーロッパに広めたのを記念して命名されたという。種小名は偽のアカシアの意味である。
 山地でも旺盛に生育増殖し、生態系に影響するため、害植物に指定されている。
 今夜は天ぷらにして、ほのかな甘味と季節の香りを楽しもう。(5/3)

クレマチス

 クレマチスはキンポウゲ科クレマチス属の落葉・常緑つる性植物である。
 別名セイヨウカザグルマともテッセンとも呼ばれる。
 一季咲きと四季咲きがあって、花後の管理が異なる。
 一重の紫や白のクレマチスが朝の光の中できれいに開花している。
 写真は今朝開いた八重咲きの白のクレマチスである。
 昨年水海道の弟のところから持ってきたものである。
 原産地は北半球の温帯である。
 年々改良されて園芸品種も多い、豊富な花色の大輪四季咲き種に人気があるが、最近は原種の趣を可憐に残すベル形の花が注目を集めている。
 1990年の大阪花博以後のことであり、ベルテッセンの名でも親しまれている。
 花の形が異なると、その趣も異なってくるが、それぞれに個性があって面白い。(5/4)

マランタ

 温室の植物を戸外に出しながら、整理をしていたら、いつのまにか所在を示すかのようにひっそりと白い花を開いているマランタが出てきた。
 マランタは花を観賞するのでなく、葉の変化を愛でる観葉植物である。
 我家に来て20数年になるだろうか、よくも枯らさずに持ち続けたものである。
 マランタにあった環境で管理できたということであろう。なかなか見られない花を見て感無量である。
 正しい名前はクズウコン科マランタI.’ケルコベアーナ’である。
 ピカラーの名で出ている、エリスロネウラよりも緑色の部分が多く、暗紫色の部分が少ない。
 葉脈も紅色にならないため、落ち着いた色合いである。
 ブラジル原産の高温多湿を好む植物である。
 繁殖は株分けで行い、中・小鉢で育てると良い。
 越冬のための混雑した温室から開放されて、ゆとりを持って伸び伸びと成長してくれることを望む。(5/4)

シャクヤク

 シャクヤクの花が咲き出した。
 シャクヤクはボタン科ボタン属の多年草でエビスグサとも呼ばれる。
 ボタンと花が良く似ているが、草本で冬に地上部が枯れる。
 中国では紀元前から薬草として栽培されたという。
 ヨーロッパやアメリカを中心に改良され、現在3000種以上ある。
 日本にもヤマシャクヤク(ヤポニカ種)があり、山野草として栽培されてもいる。
 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美人の形容にも詠われるほど、花は素晴らしく観賞用に仕立てられる。
 日本に渡来したのは薬用植物が目的であり、その根は成長が早い。
 ボタンは接木が多いが、台木はシャクヤクである。
 根を乾燥したものは生薬となり、数多くの漢方薬に配合される。
 成分には配糖体のペオニフローリンを含み、腹痛、腰痛、筋肉痛などに用いるほか、婦人薬としても重要な薬効があるという。
 寒さには強いが、高温多湿にやや弱く、日当たりと水はけの良い場所に植えると良い。(5/5)



コバンソウ

 コバンソウは時々路傍で見ていたが、大群落を見たのは鳥取砂丘のラッキョウ畑の周りであった。
 イネ科コバンソウ(ブリザ)属の一年草である。
 ヨーロッパ原産の海岸や砂地に生える帰化植物であるが、もともとは明治に観賞用として輸入されたものである。。
 別名をタワラムギ(俵麦)、ゴウダソウ(合田草)、とも呼ばれる。
 結構道端で見られるが、園芸店でも販売されている。
 属名のブリザはイネ科の草本ライ麦に対する古代ギリシア名に由来するようである。
 種名は「最大の」、または「最高の」の意味がある。
 茎は細く直立し、分枝した小枝の先に長さ1―2cmの小穂をぶら下げる。はじめは緑色だが、熟すと黄褐色となって美しく生花の材料にもされる。
 その形や色からコバンソウ(小判草)の名が出ている。
 野生化しているほどで、丈夫で栽培しやすく、日当たりと水はけの良い場所を好む。
 毎年こぼれ種で生えてくる観賞価値のある植物である。(5/6)

シ ラ ン

 シランはラン科ブレチラ(シラン)属の多年草である。
 属名のブレチラはブレチア属に(Bletia)に似ていることに由来している。和名のシランは紫色のランの意味である。
 原産地は日本、中国、台湾であるが、日本での自生は稀になっている。
 葉は長楕円形で硬い革質、基部は茎を抱く、花はがく片と側花弁と唇弁をもち大型で紅紫色である。
 古くから庭先などに植え込まれて親しまれてきた、非常に丈夫で、病害虫による被害の少ない、生育も旺盛なランである。
 別名をベニラン(紅蘭)とも呼ぶ。
 耐寒性、耐暑性にも強く、日当りがよく、水はけの良い腐食質に富む土質を好むが、夏の直射日光は葉焼けを起こすので、半日陰の場所に植栽するのが良い。
 直立した茎に紅紫色の明るい花をつけるシランは、華やかで上品な花である。(5/7)

ミノムシ

 鱗翅目ミノガ科の昆虫である。
 花をいっぱいに咲かせているエニシダにミノムシがついていた。
 糸でつくった袋の中で、幼虫や蛹が生活している。
 この袋が昔の雨具の蓑に似ているので、この名がある。雌は、脚も翅もない幼虫形のまま、一生をみのの中で過ごす。
 幼虫は、みのの開口部から頭部と胸部を出して移動しながら、葉、花、コケ、樹皮などを食べて育つ。
 成虫は蛾になるが、雌雄ともに翅をもつ原始的なタイプは少なく、大部分は雌は翅が退化し飛ぶことができない。無翅の雌の中には3対の脚のあるものと、脚の退化したものがある。
 オスは昼間活発に飛び回り、雌の放出する性誘引物質によって、雌に到達して交尾する。
 日本には20種あまりが知られている。
 蓑の形から言って種類はチャミノガと思われる。
 清少納言の枕草子41段に、ミノムシの伝説をもとにミノムシが「「ちち よ ちち よ」と はかなげに、鳴く、いみじう あわれなり。」と書かれているが、伝説のようにミノムシは鳴かない。(5/7)

エゴノキ

 エゴノキの花が、道路際の林の縁から枝を張り出し、歩道の上に真っ白に咲いているのが目立つ、こんなにもエゴノキがあったかと車の窓から眺めて驚く。
 新緑に真っ白な花が映える、見事な初夏の花である。
 エゴノキはエゴノキ科エゴノキ属の落葉高木である。
 別名をチシャノキ、ロクロギとも呼ばれる。
 果皮にエゴサポニンという有毒成分を含み、果皮がえごい(えがらっぽい)ことによってこの名があるとされている。属名は安息香を産出する樹木の古代名である。
 かつては石鹸の代用としたり、すりつぶして川に流し、魚を麻酔させて捕るのに使われたりした。
 自然風の趣があり、株立ちなどが好まれて庭木、公園樹、景観樹に利用されている。
 原産地は日本、朝鮮半島、中国である。
 初夏にふさわしい、白い花を咲かせるエゴノキは素晴らしい。(5/8)

ユリノキ

 さきに「ゆく風」のページでユリノキを紹介しているが、きぬ総合公園の野球場を取り巻くユリノキも大きくなり、その中の数本は、今、見事な花をつけている。
 ユリノキはモクレン科ユリノキ属の落葉高木である。
 別名をハンテンボク、チューリップノキとも呼ばれる。
 学名はLiriodendron tulipiferaで、ユリノキは属名の直訳である。
 ギリシア語の「leirion(ユリ)+dendron(木)に由来し、別名は半纏に似た葉形と、花形を表わした英名Tulip treeによる。
 種小名もチューリップの花が咲くことを意味する言葉に由来している。
 原産地は北アメリカで、日本には明治初年に導入され、栽培は北海道南部以南に適している。
 公園樹、街路樹としてよく使われているが、背が高く、台風等の風で倒木が多く風には注意を要する木である。
 秋の黄葉も楽しめる洋風の木である。(5/9)

イラガ

 イラガはイラガ科(刺蛾科)の蛾である。
 イラガ科のガは、多くは丸みのある分厚いはねと、太い体をもつずんぐりとしたガで、成虫は灯火に飛んで来る。幼虫はカラフルな体色で腹脚がなく、ナメクジが這うように、体を後ろから波状に動かして進む。名前の通り刺毛を持ち刺されると痛い。
 写真はイラガの前蛹である。
 幼虫は緑を基調とする派手な体色で刺毛をもち、触れるととび上がるほど痛い。
 幼虫は、ふたつきの小鳥の卵のような繭を作り、前蛹(繭の中で幼虫のまま)で越冬し、翌春、蛹化して6月ごろ羽化する。
 食草はカキ、ウメ、クリ、ナツメなどで、冬枯れのウメの枝などで鳥の卵のような繭を見かける。
 これをスズメノショウベンタゴなどとも呼ぶ。雀の小便タゴ(タゴは水を運ぶ桶)の意で発想が面白い。
 北海道から九州に分布している。
 子供の頃、山栗を取りに行って、クリの葉に居た幼虫に触れ、痛さにとび上がった経験は今も忘れられない。(5/10)

サルナシ

 サルナシはマタタビ科マタタビ属の落葉つる性木本で、猿梨と漢字では書き、雌雄異株か雑居性である。
 このごろ良く栽培されているキーウィ・フルーツと同じ仲間である。
 もっとも、中国産のシナサルナシがニュージランドで栽培果樹として改良されたものがキーウィ・フルーツである。
 サルナシはシラクチヅル、コクワ、ハシカズラとも呼ばれる。
 花はキーウィ・フルーツに似るが小さく、花弁やがく片は5枚、実は緑黄色で2cmほどである。
 果実は甘酸っぱくておいしく、果実酒などにも利用されている。
 サルナシの由来は果実を梨に見立て、サルが食べる梨の意である。
 学名はActinidia argutaで、属名は放射線(aktis)に由来し、柱頭が放射状に並ぶことによる。種小名は尖ったの意味で、葉の鋸歯が鋭く尖っていることによる。
 ハシカズラは、低い山の林内に自生し、つるが丈夫で腐りにくいので、
吊り橋の材料や筏を組むのに用いられることによる。
 盆栽としても栽培されている木本である。(5/11)

ラベンダー

 北海道富良野のラベンダーはまだ早いであろうが、我家のラベンダーはだいぶ咲きだした。
 ラベンダーはシソ科ラベンデュラ属の一年草または多年草である。
 属名のラベンデュラはラテン語のlavo(洗う)に由来し、ラベンダーの香水(Lavender water)の調整に用いられることによる。
 原産地は地中海沿岸、カナリア諸島、インドであり、石灰質に富んだ水はけのよい場所を好む。
 芳香を楽しむハーブといえば、先ずラベンダーが思い浮かぶ。
 花に独特の甘い香りがあり、芳香成分には鎮静作用がある。
 高品質のエッセンシャルオイルがとれるのは、イングリッシュ系やラバンディン系ラベンダーだけである。
 ヨーロッパでは古くから香りを楽しむだけでなく、殺菌、鎮痛などの薬効を火傷やリューマチの治療のために用い、又、砂糖漬けにした花を菓子に添えたり、ハーブオイルやポブリにしたり幅広く楽しんでいる。
 100種以上の栽培種があり、花のつき方、開花期などがそれぞれ違っている。
 夏は涼しく、風通しのよい場所で栽培し、水や肥料は与えすぎると枯らす原因となるので注意が必要である。
 富良野の雄大な景観の中にとけこんだ、甘い香りと紫一色のラベンダー畑は今も忘れられない。(5/12)

ヒレハリソウ

 ヒレハリソウはムラサキ科の多年草である。
 通称はコンフリーと呼ばれている。
 ヨーロッパ原産で各国で薬用などに栽培されるほか、北アメリカやニュージーランドに帰化している。
 茎は葉とともに硬い白毛があり、高さ30―100cm。 枝先に巻いた短い花序を出し、先が5浅裂する紫色、淡紅色などの鐘形の花をつける。
 葉は卵状披針形で、葉のつけ根は茎に流れる。
 日本には明治年間にコンフリーの名で野菜や薬用に導入され、1970年代頃にも健康食品として栽培され、その名残が今も我家では息づいている。
 全国的に、人家付近や牧場などのやや湿ったところに自生している帰化植物である。
 鰭玻璃草は、茎のヒレと白花のものを玻璃(はり・水晶のこと)にたとえた名前である。
 鑑賞するほどの花でもなく、今では利用もされず、雑草の仲間入りをしている。
 これも時の流れか。(5/15)

柱状節理

 三大峡谷の一つ、新潟県上信越高原国立公園内の清津峡を訪れた。
 清津川の湯沢町八木沢から中里町小出にかけての約12km間は切り立った岸壁が続き大峡谷となっている。
 その中でも、8kmは狭い川幅を保ちながら、両側の山地をおよそ500mの深さで侵食している。
 岸壁は、マグマが冷えて固まった火成岩の1種、ひん岩(閃緑ひん岩)でできている。
 マグマが固まるとき、収縮して4―6角柱の棒状の岩になっている(写真)、これを柱状節理(ちゅうじょうせつり)という。
 材木を集めたように見えることから「材木岩」とも呼ばれている。
 この清津峡の柱状節理の岩崖の風景と清流の美しさ、周囲の森林の自然の豊かさなどから、1941年に国の名勝天然記念物に指定され、1949年には、上信越高原国立公園の一部として指定されている。
 1998年落石による死亡事故から、立ち入り禁止になっていたが、環境庁、文化庁、新潟県、地元中里村で検討され、平成8年から渓谷トンネルがオープンし、現在は安全に見学できるようになっている。
 自然の力の偉大さと素晴らしい景観にしばし見とれる。(5/15)

自  然

 左の拓本は良寛の自筆を石に彫ったものの拓本である。
 良寛は宝暦8年新潟県出雲崎町に(1758)生まれ、天保2年(1831)1月6日74歳の生涯を終わった。
 江戸時代の禅僧・詩人・歌人・書家であり、生涯寺を構えず、、無一物に徹し、清貧の思想を貫き、自然を愛し、子供を慈しみ、鞠つきに興じ、多くの逸話を残している。
 拓本は「自然(じねん)」と読む。
 「天に従ふを道と言い、道に従ふを自然という」
 法(のり)の道を志した良寛は、よくこの2字を書き残され石文にもなっているという。
 簡単なこの2字の中に、このような深い意味のあることを考えると、偉大なる良寛の人生観が窺える。
 緑が失われてはじめて自然環境の大切さが認識され、公害が地球上の大きな社会問題となっている現在、「自然」は「みんな生きている仲間」と解釈し、環境を守る指針としたいものである。(5/16)

大 桂

 5月12日、 新潟県南魚沼郡塩沢町の薬照寺を訪ねた。
 薬照寺は寛徳2(1045)年平安時代後期善寿上人を開山一世として現在まで950有余年の歴史を持つ名刹である。
境内に茂る桂の木は、樹齢2000年、日本一の大桂で、高さ30m、幹周り13.5m、枝張り東西17.1m、南北29mの大きさを誇っている。生い茂る葉は、春・夏・秋と色を変え、今なお盛んな樹勢を見せている。
 魚沼地方では月さえる晩秋、この木が落葉し終わると雪が降るといわれている。
 この大桂は昭和48年天然記念物の指定を受けている。
 見事なものである。
 この寺は、終戦後ビルマ国(現ミャンマー国)首相バー・モーの亡命していたことでも広く知られている。
 また、宝物殿があり、有名絵画、彫刻、陶磁器、古鏡、チベット法具等多数展示され文化と歴史に触れることができ、楽しい旅の一時を過ごすことができた。(5/17)

ラムズイヤー

 梅雨のはしりを思わせる曇りや雨の気温の低い日が続いている。
 ムラサキツユクサ、ユウゲショウ、マツヨイグサ、コマツヨイグサ、そしてヤマボウシの花が咲き出した。
 新潟の海岸ではハナウド、オニグルミ、タニウツギの花が盛りであった。
 鉢植えのラムズイヤーも咲き出した。
 ラムズイヤーはシソ科スタキス(イヌゴマ)属の多年草である。
 別名をスタキス、ワタチョロギとも呼ばれ、学名はStachys byzantinaである。
 スタキスはギリシア語のstachys(穂)に由来し、この花の花序の形による。種名のbyzantinaは自生地に由来している。
 ラムズイヤーは言うまでもなく英名で、灰白色の綿毛に覆われた葉の感触や形が子羊の耳に似ていることによる。
 花壇材料やタッジーマッジーと呼ばれる小さな花束や、乾燥させた葉はクラフト材料にもなっている。
 原産地はコーカサスからイランであり、耐寒性は強い。
 全草に毛が密生するため雨に弱く、高温多湿では葉色が出にくい。
 日当りがよく、排水のよい砂質土壌を好む、種からの繁殖もあるが株分けが早い。
 花よりは、幻想的な銀色の葉を愛でる植物である。(5/18)



ウ ツ ギ

 ウツギの花が咲き出した。
 ウツギの花が咲き出すと田植え時期であるという季節感は昔のことで、連休前半に機械によって田植えがすんでしまう今では、赤いたすき姿の早乙女が、早苗を植える田植え感は記憶の中にしかない。
 ウツギは刈り込みにも強く、畑の境界樹に植えられている。真っ白に樹幹に咲く花は人目をひく。
 先に園芸品種のバイカウツギは「青葉」のページで紹介してある。
 ウツギもバイカウツギと同じユキノシタ科ウツギ属の落葉低木である。
 ウツギ類は本種に限らず、枝の髄が古くなると抜け落ち、中空になる。名前はこれに基づく。
 別名をウノハナと呼ぶが、ウツギノハナの省略形とも、卯月(旧暦4月)に咲く花からとの説もある。
 「夏は来ぬ」と歌われるように、ホトトギスとともに夏の到来を告げる風物詩となっている。
 原産地は北海道南部以南である。
 古くは万葉の時代にも栽培されていたようである。
 葉は両面とも星状毛があってざらつく。(5/19)



ミツバチ

 鈴木氏より庭木の槙の枝に大きな蜂の巣ができ、危険で困っているというメールが届いた。
 家内が見てきたようで、小さいハチだという。
 黄色スズメバチあたりかと考えながら見に行った。双眼鏡で観察すると無数のハチがぎっしりと固まっている。ミツバチであることが分かる。
 40cmほどの長さで太さが15cmはあろうか、逆光のためフラッシュをたいて近接撮影したものが写真である。
 成虫を捕獲していないので確実なところはわからないが、現在居るのはセイヨウミツバチが主であることから黄色系のイタリア種と思われる。
 4月から6月にかけて、新しい女王が羽化する頃になると、古い女王バチは、その巣の半分の働きハチを連れて、分封といわれる巣別れをする。
 女王バチの寿命は、飼養のもので1年、自然状態では2―3年もあるようである。
 分封は働きバチの誘導で起こり、多数の働きバチは空中を乱飛したのち木の枝などにかたまる。分封群は他の生活適地へ再移動し、そこに営巣する。
 分封の際逃げ出した集団が、樹洞や壁の隙間、時には木の枝などに営巣することもある。
 しかし、このように野生化した巣は人間の保護がないので、スズメバチなどの外敵の餌食となるか、その他の原因で滅びることが多いという。
 鈴木氏は、例によって庭先にビデオカメラを2台据えてミツバチを狙っていた。何か新しい作品が生まれるのではないか楽しみである。(5/21)
 追記 5/22の午後3時15分、あっという間に羽音を立てて集団で何処へか飛び立ってしまった。

ハナウド

 新潟の出雲崎の海岸にハナウドが咲いていたことは先に記した。
 水海道の鬼怒川高野町河岸でも花盛りで遠くからでもそれと確認できる。
 ハナウドはセリ科の山野の河岸に生える多年草である。
 匂いはよくない。
 茎は開出毛があり、高さ1―1.5mになる。大型の複散形花序を出し、多数の白色花をつける。
 花序は直径20cm以上に広がり、白色5弁の小さな花を密につける。花序の周りの花は外側の花弁が大きい。
 小葉には切れ込みと鋸歯があり、基部は鞘になっている。
 ハナウドはシシウドに似ている大型の草だが、ハナウドの花期は晩春から初夏、シシウドは夏から秋にかけて咲き、ハナウドの花はシシウドに比べて優しい感じである。(5/22)

ラナンキュラス

 この頃よく庭先や道端で小さな可愛い黄色のラナンキュラスのような花を見かける。
 キンポウゲ科ラナンキュラス(キンポウゲ)属のラナンキュラス’ゴールド コイン’である。
 ラナンキュラスは園芸品種で半耐寒性の秋植え球根であるが、ゴールド コインは宿根性で長い匐枝をわきに出し、地面に横たわって節々から根を出して繁殖する。
 花は明るい黄色で1cmほどの径で八重咲きであるが、葉の形からキンポウゲ科の植物であることはすぐに分かる。
 その性質からグランドカバーに利用されている。
 ラナンキュラスは属名ラヌンクルスの英語読みで、ラテン語のラナ(rana・蛙)に由来し、蛙が生息する湿地に自生することによる。種名は鮮やかな黄色の丸い花を金貨に見立てたもので覚えやすい素晴らしい名である。
 ヨーロッパが原産地である。(5/23)

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