月

   つきづ゜きに つきみるつきはおおけれど
            
つきみるつきは このつきのつき

 フウラン   ウスバカゲロウ   シロコブゾウムシ   カッコウアザミ   クロタネソウ
 
シモフリスズメ    黄金地区水没   コーヒー豆発芽   カモミール   菅生パレード
 
コルチカム   国語力   ひつじ雲    ホシホウジャク   中秋の名月   日枝神社祭神
 
フジバカマ   タコノアシ   ミズアオイ   マルバアサガオ   フウセントウワタ
 
アカバナ
                    
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フウラン

 フウランの開花した鉢を水海道の弟から貰ってきた。
 弟の管理はよく他の蘭類も大株に成長し、花つきも見事である。
 フウランはラン科の多年草で、関東から沖縄、そして朝鮮半島に分布している。
 樹幹や岩壁に着生し、草丈は5−15cmで、栽培難易度は普通である。
 とはいっても、一般植物並に扱えばむずかしく、特別の「くせ」の持ち主であることを知れば、最も手のかからない植物であるという。
 花は正面から見ると上に反転気味の3枚の花びらがある。中央が上萼片で両側の2枚が側花弁。左右の下側へ末広がり状に伸びるのが側萼片。中央下側で「舌」のような形状なのが唇弁。唇弁の基部から細長く弧を描くように伸びているのが距で、長い嘴の昆虫が密を吸いるようになっている。
 たぶん、夜間にスズメガの仲間が蜜を吸いにやってくる。
 そのためか、フウランの花は夜間に甘い香りを漂わせる。
 今夜も部屋中に芳香を漂わせている。
 フウランは漢字では富貴蘭と書き、江戸時代に大名たちはじめ、地方の武士や文人達にも愛培され、最も高級な我が国独特の園芸品である。
 したがって、珍しい品種が収集され、番付表や図譜も作られている。
 格調高く典雅なフウランに、しばし魅せられる。(9/8)

ウスバカゲロウ

 脈翅目ウスバカゲロウ科の昆虫で、体も翅もトンボに似ている。
 体長35mm.内外、前翅長35−45mmで体背面は灰色を帯びた暗褐色、部分的に黄色を帯びる。
 顔面は黒色、胸部腹面と肢は黄色、翅は透明、翅脈は黄褐色であるが、褐色部もある。
 縁紋は白色で後翅のものは著しく小さい。
 よく薄暮に飛び、灯火に飛来するが、日中山茶花の枝に羽を休めているところを捕らえ、観察してから自然に帰してやった。
 幼虫は、ご存知の雨の当たらない土や砂地にすり鉢状の穴を掘り、砂の罠でアリを待つ、あのどう猛なアリジゴクである。
 長大な大顎をもち、罠に落ちた昆虫を引き込んで体液を吸っている。
 幼虫からは考えにくい成虫である。(9/7)

シロコブゾウムシ

 シロコブゾウムシを藤の木の手入れをしながら、その枝に見つけた。
 シロコブゾウムシは甲虫目、ゾウムシ科の昆虫である。
 頭部は細長く、前方へ長く伸びた吻を持っているので、ゾウムシの名がある。
 体長15−17mm。体の地色は黒色であるが、全面が灰白色鱗片で覆われる。
 吻は短く、触覚は吻の背面についている。
 上翅は後方に一対の大きな突起を持つ、雌の上翅は後半が垂直に近い形で傾斜するが、雄では緩い。
 成虫はマメ科植物に多いが動作は鈍い。藤もまたマメ科植物である。
 幼虫は、土の中で根を食べて育っている。
 本州、四国、九州に分布している。
 吻の長いのは、植物の組織内を食べ、また、吻であけた穴の中へ細長い産卵管を差し込んで卵を産む面白い昆虫である。(9/8)

カッコウアザミ

 9月上旬は普通8月の夏の続きで暑い日が続く。
 今年は前倒しで早々と秋の到来である。富士山では初雪を観測している。
 庭に咲く花々も一段と引き締まって、色も冴えて鮮やかになってきた。
 台風15,16号も来ている。穏やかに済むことを祈るのみ。
 カッコウアザミも咲き出した。カッコウアザミはキク科アゲラタム属の園芸植物である。アゲラタムとも呼ばれている。
 アゲラタムは、花の色が褪せずに長く咲くことから、ギリシア語の「古くならない」という意味によります。
 メキシコ原産の多年草であるが、寒さに弱く、日本では春蒔き1年草に分類されている。
 沖縄などでは野生化している。
 今咲いているのはわい性種で、鉢植えであるが、花壇の縁取りなどにも良く使われる。
 青紫の花は秋の日によく映える花である。
 日照を好む花であるが、半日陰でも育つ。
 水はけが良ければ土質は選ばない、しかし、肥料には気をつけねばならない。
 チッ素過多で育てたために、よく茂ったが、花がつかない失敗をしたことがある。
 チッ素分が多いと葉ばかり茂りすぎて、花つきが悪くなるので注意が必要である。(9/9)

クロタネソウ

 娘がクロタネソウのドライフラワーを画材に油絵を描きはじまった。
 クロタネソウはキンポウゲ科の細い45cm程度になる直立性の一年草である。
 学名はニゲラ ダマスケナ’ミス ジュキル’と呼ばれる。普通はニゲラで通っている。
 原産地は地中海沿岸から西アジアという。
 ニゲラはラテン語のniger(黒い)に由来し、種の色にちなんでいる。
 葉は羽毛状で明るい緑色をしている。
 夏に多弁で丸い半八重の青い小花を咲かせ、その後に膨らんだ種子の莢をつける。
 根元から切り取ってこの種子の莢のついた茎をドライフラワーとして使い、大変人気がある。
 日照と水はけの良い土を好み、耐寒性に強く−15℃まで耐えられるという丈夫な植物で、英国王立園芸協会ガーデン・メリット賞を受けている園芸植物である。
 現在我家では来年のための苗を育てている、ようやく本葉が出始めたところである。(9/9)


シモフリスズメ

 15号台風が紀伊半島に接近、その余波の断続的雨の中、鉢物を台風から守るため、長靴、カッパ姿で車庫内に込んでいると、左の写真のようなシモフリスズメを見つけた。
 見事な保護色である。
 シモフリスズメは鱗翅目スズメガ科の昆虫である。
 スズメガ科は大型―中型のガで体は太く翅は細長く、飛ぶ力が強い。
 熱帯から亜熱帯に種類が多く、大部分は夜間活動し、花の蜜を吸い、よく灯火に飛来する。
 幼虫は、ほとんど毛を生ぜず、第8腹節に尾角を持っている。
 シモフリスズメは前開長54−63mmで、前翅中央部に2本の明瞭な黒色短条がある。5−10月に普通に見られる。
 幼虫の食草はゴマ、ノウゼンカズラ、シソ、クサギ、モクセイなどで、今年は畑にゴマを作ったのでゴマの葉が食べられていた事を思い出す。
 彼もまた隣人なのか、愛着が湧いてくる。(9/10)

黄金地区水没

 菅生沼の干拓によって生まれた黄金地区と呼ばれる水田地帯、実りの秋、水海道市菅生町から守谷町大木に至る、黄金波打つ素晴らしい水田地帯である。
 台風15号が11日関東地方を直撃、大型であるとの報道であったが、風よりは雨の多い雨台風であった。
 中禅寺湖では800mmを超えた降水とか、山岳部や平野部に異常な大雨をもたらした。
 黄金地区は水田化されているが、実は利根川の洪水調整の遊水地である。
 耕地としての税金も安いが、農業共済もかけられない。利根川洪水時の遊水地だからである。
 大部分収穫は済んでいるが、20haは水没したという。耕作農家の皆さんには覚悟はしているとは言っても大変気の毒である。
 ところで被害はこれだけではすまないという。
 写真はつくば野田線の高架橋工事の進んでいる橋脚工事現場の方向を捉えているが、一面の浸水面に沢山のゴミが浮いているのが見られる。
 このゴミの中には生活ゴミであるビニル、ペットボトル、プラスチック容器、発泡スチロールなど利根川を流れてきたゴミまで含まれている。
 耕地の排水が終わっても、ゴミを燃すわけにも行かず、膨大なゴミの処理日数と費用がかかるという。
 アメリカではハイジャック同時多発テロが発生し、史上最悪のテロとなり、多くの犠牲者が出たことを報じている。同じ人間として卑劣な行為に怒りを感じる。
 暗い話題となったが、天災、人災の被害を受けられた皆様に心からのお見舞いとご冥福をお祈り申し上げます。(9/12)
 

コーヒー豆発芽

 今年取れた我家のコーヒー豆である。
 まだ、コーヒーネームも販売計画も立っていない。
 最もこれで全生産量である。
 とりあえず、コーヒーの木を育てることとし、播種してみた。
 しばらくして、コーヒー豆が発芽し、長い足で地上に現れたが、足の頭には茶色の豆が何の変化もなく付いているだけである。
 普通、発芽して地上に現れると、まもなく双葉が現れるものであるが、一向に変化がない。
 不安を感じていると、一週間後豆の下側から緑の色が覗きだした。
 ようやく双葉が開きだした。
 右の写真で分かるように、同時に蒔いた種であるが、発芽から双葉の開く様子が順を追ってよく分かる。
 木本の種の発芽成長は、野菜の種の発芽のように成長が早くないことに気づく。
 我家の第2代コーヒーの木が何本育つか楽しみである。(9/13)

カモミール

 カモミールはキク科シカギク属の植物でハーブとして知られる。和名はカミツレ、カミルレと呼ばれる。普通はジャーマンカモミールと呼ぶ。
 写真はローマンカモミールで、同じキク科であるが、カミツレモドキ属の植物である。
 家では栽培したことがないが、裏側の門扉の外に一本生えているのを見つけ鉢にあげて栽培してみた。ローマンカモミールであった。
 何処からか、種が靴の底にでも着いて運ばれてきたのであろう。
 和名はローマカミツレと呼ばれる。
 カミツレという和名はオランダ語のkamilleの発音に由来しているという。
 原産地は地中海沿岸地域やアジア西部で、耐寒性の強い多年草である。
 茶、ポプリ、入浴剤、観賞用に栽培される。
 リンゴの香りのする薬用茶は、苦味が強いが、気分を穏やかにする作用がある。
 蕾が下を向くことと、筒状花が高く盛り上がらないこと、花床に空洞がないことと、全体に芳香があることでジャーマン種との区別ができる。
 乾燥させて粗く刻んだ地上部は、ハーブ枕に入れても楽しめる。
 薬用茶は、子宮を刺激するため、妊婦は服用を避けることが良い。
 日本には明治初年に渡来しているようであるが、我家には今年入って来たハーブである。(9/15)

菅生パレード

 お天気に恵まれ9月16日菅生小学校の秋季大運動会が行われた。
 例によって、運動会の花形鼓笛パレードが大観衆の前に披露され、盛大な拍手を浴びた。
 今年も、常総ビデオクラブの鈴木正巳氏が、その全体を撮影し、コンピュータ編集したものを届けてくれた。見事な記録作品である。
 会場には、親達が沢山ビデオカメラを回しているが、皆、自分の子が中心の撮影である。
 そこで、全体の記録として撮影したという。さすが見事な出来栄えである。毎年学校にも届けている篤志家である。
 児童数も現在は減り、学年単学級になっている。
 児童数の少ないことを上手にとらえ、1年生から6年生までの全児童で鼓笛パレードを行い、学校全体が一つに纏まった素晴らしい発表であった。
 中央の写真のように身体に障害を持つ児童も、担任の先生の補助を受けながら車椅子で参加し、小さな子も、大きな子も、男の子も、女の子も、お互いに認め合い、助け合って一つの大きな成果を挙げていることに目頭が熱くなる。
 その裏には、先生方の並々ならぬご指導があることに心から感謝申し上げます。
 写真は、すべて鈴木氏のビデオからのものである。改めて氏にお礼を申し上げます。

コルチカム

 崖に生えている梅の庭木の下、小鳥の糞から生えたリュウノヒゲに攻められながら、リュウリヒゲの間にコルチカムが咲き出した。
 コルチカムはイヌサフラン、オータムクロッカス、アキスイセンとも呼ばれ、ユリ科コルチカム属の球根性多年草である。
 ヨーロッパ、北アフリカなどが原産地で、ヨーロッパなどに約45種が分布している。
 コルチカムは、黒海に隣接したアルメニア北部の古い地方名コルキス(Colchis)にちなんでいる。和名はサフランに似ることや秋咲きのスイセンにたとえたものである。
 クロッカスによく似ているが、おしべは6本で、クロッカスは3本なので区別できる。
 アウツムナレ種は種無しスイカをつくるときに用いられる劇薬、コルヒチンの原料である。球根や種にコルヒチンというアルカロイドを含み、染色体の倍加作用があり、倍数体育種にも利用され、痛風の特効薬でもある。
 今咲いているのは、園芸品種のザ ジャイアント コルチカムで、花の後に葉が伸びてくる。
 球根を机の上において花を咲かせた後、現在の場所に地植えしたものである。もう10年も前のことである。
 毎年、数花を咲かせていたが、今年は一花である。
 前述のように葉が出ないで花だけを咲かせている。
 写真の回りの葉はリュウノヒゲで、整理してやる必要が出てきた。(9/24)

国語力

 小学校3年生の話である。
 書き取りの勉強をしていた。漢字が分からないということで、「辞書で調べてみたら」ということで調べ始まった。
 辞書にないという。
 「引き方分からないんでしょう」というと、「算数でなく国語だよ」という言葉が返ってきて唖然としたという。
 「辞書の引き方」という言葉を知らないために「引く」は引き算につながったのである。
 ところで、国語力もなくなっているという。
 算数・数学の力がないことは多くの場で指摘されている。
 文章題が解けないのは、計算力や数学的考え方は言うまでもないが、国語の力がなく、題意が掴めないのが大半であるという。算数・数学以前の問題である。
 テレビを始めとする映像文化の中で、子供達の図書も劇画形式のものが多くなっている。
 学校教育の中でも、5日制に伴う授業時数の削減、総合的学習の時間の新設等で、国語力を身につける時間が少なくなっているのが実情のようである。
 もっとも、総合的学習の時間は、総合的な力を身につけさせる時間であろうが。
 分かることは大切なことである。しかし、分かることと使えることとは違う。それを使うためには、使える様になる練習の努力が必要であることを忘れてはならない。
 算数・数学力、国語力も用具教科であり、生きるための道具であるから。

ひつじ雲

 彼岸も過ぎ秋の気配が深まリ過ごし易くなってきた。
 この時期秋晴れは統計では秋雨前線のため2.8日という、今年はもう6日続いている。
 大陸の寒気団が南下し、きょうは徐々に天気が変わってくるようだ。
 朝の内ひつじ雲が出ていた。
 ひつじ雲は高さ8000メートル級の中層の雲で高積雲である。
 高積雲は絹積雲の塊より数倍大きい団塊状をなし、秋の晴れた日に現れる比較的安定した雲である。
 ひつじ雲の名は、羊が群れをなしているように見いることによる。
 だんだんと灰色の雲に一様に変化し、高層雲になってきた。
 高層雲の上層は一部氷晶からできていて、低気圧の接近している時に現れる。
 気圧の谷の接近で日本海側から下り坂になるようだ。(9/27)

ホシホウジャク

 秋の気配も深まる中、廊下にホシホウジャクが迷い込んできた。
 よくカクトラノオの花の蜜を吸いに来ているのは見ていた。
 ホシホウジャクはヒトリガ科の昆虫である。
 前翅長20−25mm。前翅の内横線は帯状、外横線は2本の平行線からなっている。翅頂や外縁部には黒褐色斑がある。
 後翅の橙黄色帯は内側に湾曲する。
 腹部2,3,4節の側面に黄斑があるが写真では見えない。触覚は4本に写っているが、後ろの2本は陰である。
 2−11月に各地で見られ、この付近では秋によく花に集まる。
 スズメガの仲間は夜飛性であるが、ホシホウジャクは昼飛性で、幼虫はヘクソカズラが食草である。
 分布は日本全土から伊豆諸島、対馬、種子島、屋久島、沖縄、台湾、朝鮮、中国、インドなどである。(9/29)

中秋の名月

 陰暦で7月は初秋、8月は中秋、9月は晩秋と言う。
 月の美しいのは空気の澄んだ中秋である。この月を中秋の名月という。
 月見の会も開かれ、各家庭でもススキを飾り、月見団子を供えてお月見をする習慣がある。
 中秋の名月は、陰暦であるので、年により9月7日から10月8日の間を動く、今年は10月1日と遅い。
 ススキの穂も出揃っている。お月見用に取ってきたが月見はできるか心配であった。
 南の海上に台風19号から変化した熱帯低気圧があり、日本海側にも低気圧が発達しながら北東に進んでいる。
 あいにくの天気で降雨量90mmの大雨となり、月を待つススキも雨に濡れ、風に揺られていた。
 この時期、低気圧と高気圧が交互に通過する。天気は周期的に変化が多くなると言う。
 今日は素晴らしい秋日和になった。15夜の月は見られなかったが今夜は16夜の月をゆっくりと楽しむことができた。(10/2)

日枝神社祭神

 日枝神社の神殿には将門寄進による妙見菩薩像と神殿前の石像(写真)の原型らしき高さ30cm位の猿の木像がある。
 これは、猿を神使とする日吉山王信仰によるのか、これに庚申信仰が結びつき、後には猿田彦に付会されて道祖神と習合したり、三猿が庚申塔に刻まれたりしたと言う。
 社殿の裏側にいくつもの庚申塔や猿田彦の石塔がある訳もうなづける。
 日枝神社の祭神は大山咋(おおやまくい)の神である。
 「日本神祇由来事典」によると、山末之大主神(やますえのおおぬしのかみ)・鳴鏑神(なりかぶらのかみ)とも呼ばれると言う。
 記紀神話の男神で、賀茂氏神系の神々の1柱である。
 大歳神(おおとしのかみ)の子で、母は天知迦流美豆比売(あめしるかるみずひめ)と言う。
 日枝神社・松尾神社の祭神として祀られる。
 神名は「偉大な山の境界の棒」の意である。賀茂縁起には丹塗矢(にぬりのや)に化して玉依姫(たまよりひめ)と結婚し、賀茂別雷命(かもわけいかずちのみこと)を産んだというところから鳴鏑神(なりかぶらのかみ)の別名もある。
 「古事記」によると、大年神と天知迦流美豆比売神が婚姻して10人の御子神が生まれその第2子である。
 大山咋神のまたの名は山末大主神(やますえのおおぬしのかみ)といい、「日枝山(比叡山)に坐(いま)す、また葛野(かづの)の松尾に坐す鳴鏑神ともいう」と「古事記」にある。
 大津市坂本にある比叡山の守護神でもあり日吉大社(ひよしたいしゃ)の祭神である。
 山末は山裾と同義語である。葛野の松尾とは、京都市右京区嵐山宮町に鎮座する松尾大社のことで、鳴鏑は鏑矢が音を立てて飛ぶので鳴鏑という。
 「山城風土記」には鳴鏑のかわりに丹塗矢となっているという。
 菅生地区の日枝神社は寛永元年(1624)に創建され、明治6年に村社に列格されている。
 例祭は旧暦11月23日、境内は2,412u(731坪)、氏子は400である。
 調べてみると全国各地の関係神社や古典と結びついて面白いものである。

フジバカマ

 庭のフジバカマが咲き出した。
 フジバカマはキク科エウバトリウム(ヒヨドリバナ)属の多年草である。
 属名のエウバトリウムは、本属のある種に解毒効果があることを発見したといわれ、古代に小アジアに栄えた国家の王ミトリダテス・エウバトールの名にちなんでいる。
 秋の七草の一つであるが、野草ポケット図鑑などには載っていない。
 自然堤防などの草地に自生するが、自然草地が開発によってほとんどなくなったため、栽培されているもので見られる程度である。
 我家のフジバカマも庭で栽培しているものである。
 草丈1−1.5m、数ー数十個の筒状の花が傘状に多数つく。花色は淡紫色である。
 乾燥すると香りがあり、生乾きのときには桜餅のサクラの葉に似たクマリンの甘い香りがする。古代の中国では香草や香水蘭とよんで、身につけたり、風呂に入れたりしたという。
 乾燥したものは血行をよくし、利尿作用があるとされ、煎じて服用するほか、浴用として風呂に入れて使われる。
 現在は野生のものがほとんど見られず、絶滅危惧種である。本州の関東以西から九州に分布している。
 同属のヒヨドリバナに似ているが、本種の葉は通常3深裂し、下面に腺点がないので区別できる。(10/5)


タコノアシ

 タコノアシはベンケイソウ科の多年草本でサワシオンともよばれる。
 関東以西、四国、九州の湿地に分布しているが、現在ではあまり見られなくなった希少植物である。
 写真は小谷沼の休耕田に自生していたものである。
 草丈50−70cmで円柱状の茎は直立し、赤みを帯び、細い柳形の葉を互生する。
 茎の頭に数本の枝を分け、枝ごとに総状花序をつける。
 日本名は蛸の足で、花序の分枝に花が吸盤のように並び、秋になると真っ赤になるのをタコの足に見立てたものである。
 また、沢紫苑は沢地に生えるシオンの意味である。
 荒れ果てた休耕田に心を痛めながら、それらの休耕田の中に細々と生き残る希少植物にめぐり会って喜びを感じる。
 彼らもまた我々と同じ生き物である。
 共に生きられる自然環境を守っていきたいものである。(10/5)

 

ミズアオイ

 小谷沼の休耕田の水面を埋めるミズアオイ、見事なものである。
 希少植物になっているが、これまた休耕田のお陰で繁茂できた植物である。
 ミズアオイはミズアオイ科の一年生草本である。
 水田や沼の中に生えるが、乾田化や除草剤の影響によるのか今は少なくなっている。
 高さ30cmぐらい、、葉は根から出るものは柄が長いが、茎の上のものは柄が短い。柄は両方とも多汁、基部はさやに拡がる。
 葉は卵状心臓形、先端は急に尖り、深緑色で肥厚し、滑らかで光沢がある。
 夏から秋の間に茎の先に葉よりも高い総状に見える円錐花序が出て、青紫色の花が咲く。
 野草とは言っても、園芸植物に劣らない見事な草本で、人家に栽培されることもある。
 日本名は水葵の意味で、水に生え葉の形が葵に似ているからである。また、古名ナギは菜葱の字をあて野菜としたネギの類という意味で昔はこれの葉をゆでて食用にしたと言う。(10/6)

マルバアサガオ

 休耕田の続く農道の道端で、草紅葉の中に目立って鮮やかに咲くマルバアサガオを見つけた。
 農道や水路の縁で見られる花である。
 マルバアサガオはヒルガオ科の帰化植物で、1年草である。
 アサガオがアジア原産であるのに対して、マルバアサガオは熱帯アメリカ原産である。
 全体にアサガオに似て、茎は左巻きで他物に巻きつき、葉は互生し長い柄があり、円形で先が尖り、基部は心臓形である。
 夏、葉腋に花柄を出して紅紫色の花を開く。
 花は普通数個が散形につく、がくは5裂し背面に短毛がある。
 固定資産税のほかに多額の土地改良負担金を払い続けながら休耕し、休耕田と言うよりは原野化している水田が多く見受けられる。
 そのなかに、希少植物をはじめとする自然が戻っている。複雑な思いである
  (10/7)

フウセントウワタ

 フウセントウワタはガガイモ科ゴンフォカルプス(フウセントウワタ)属の一年草で、フウセン玉の木の別名もある。
 原産地は南アフリカで、原産地では常緑低木である。
 白い小さな花が10−15個づつ集まって房状に垂れるように咲くが、大きく風船のような実になるのはそのうち1−2個である。
 果実の表面は淡い緑色で、かたい毛がある。
 漢字では「風船唐綿」と書かれ。
 日本名のフウセンは風船のような果実を現し、唐綿の唐は中国をさし、綿は果実が裂開して白い絹糸状の冠毛をもった種を出すので、綿は種の冠毛をさしている。ここでの唐は、渡り物の意味である。
 この頃庭先で栽培されるなど、人気のある花材で、実つきの枝だけでなく、実つき前の花のついたものも花屋に出回っている。
 大きな実がユーモラスな面白い植物である。(10/8)

アカバナ

 家内が近所の友達と散歩に出かけた。
 散歩コースは田んぼから台地の畑の農道である。田んぼの水路脇でアカバナをとってきた。
 休耕田は原野化しているが、また湿地としての植物相を作っている。
 アカバナはアカバナ科の多年草である。
 山野の湿地に生え、茎は円筒形で直立、高さ30−90cm。
 葉は対生し、長さ2−6cmの鋸歯のある卵状楕円形で、基部は茎を抱くものが多く、茎や葉は赤みを帯びることが多い。
 茎の先に4弁の紅紫色の花を付ける。この花が目立ってきれいなのでとって来たらしい。
 もっとも、アカバナ科と言えばマツヨイグサも同じ仲間で花の作りは同じである。
 花の径は10mmぐらいで、雌しべの柱頭はこん棒状である。
 花弁の基部からは、花柄が茎と見間違えるような細長い子房が伸びている。これが細長い果実になり、裂けてここから冠毛を持った細かい種が飛ぶ。
 アカバナの名前は、花が終わる秋に、茎や葉が紅紫色になることによる。
  北海道から九州に分布している。(10/9)


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