雨降りお月=雲の蔭
作詞 野口 雨情  作曲 中山 晋平

 詞は現在2番まであるが、大正14年1月増刊号の美しい大型絵本
「コドモノクニ」に岡本帰一の背景画を伴って発表された詞は1番だけ
だった。これが読者からの反響が余りにも大きかったので、2ヶ月後の
同誌3月号に、現在の2番の〜いそがりゃお馬よ夜があけよ・・・・以降
が「雲の蔭」の表題で発表された。中山晋平が附曲の際「雨降りお月」
と「雲の蔭」が続けて歌えるように、一つの作品に併合させたといわれる。
1番と2番では詞のアクセントが違うので、アクセントに忠実に合わせ、
よく似たメロディだが、2番はところどころ高低を変え、歌詞の意味を考え
て緩急の変化をつけるなど、作曲途上で苦心したあとが伺える。

         (日本抒情歌全集1の解説より)

      〜雨降りお月〜
1.雨降りお月さん 雲の蔭
  お嫁に行くときゃ 誰とゆく
  一人で傘(からかさ) さしてゆく
  傘ないときゃ 誰とゆく
  シャラシャラ シャンシャン 鈴つけた
  お馬にゆられて ぬれてゆく


      〜雲の蔭〜
2.いそがにゃお馬よ 夜があけよう
  手綱(たづな)の下から チョイ見たりゃ
  お袖でお顔を かくしてる
  お袖はぬれても 乾しゃかわく
  雨降りお月さん 雲の蔭
  お馬にゆられて ぬれてゆく