[資料8−6 鑑  定  書 (2)

昭和42年11月24日

※ 媒体の性質上、縦書きの文章を横書きに改め、漢数字を算用数字に、漢字表記の単位を記号表記に直しましたが、内容はほぼ原文通りです。なお、読み易さを考慮して、適宜スペースを設けてあります。


 昭和42年11月17日付刑発第319号をもって、取手警察署長より警察本部長あて左記事項の鑑定依頼があったので、刑事部鑑識課においてつぎのように鑑定した。

1. 事  件  名

  強盗殺人被疑事件

2. 鑑 定 資 料

 (1) 毛髪(現場に遺留されてあったもの)    8本

 (2) 被疑者 杉 山 卓 男 の頭毛        若干

 (3)  〃  桜 井 昌 司 の頭毛         〃

3. 鑑 定 事 項

 資料(1)は、資料(2)、(3)に類似するかどうか。

4. 鑑 定 経 過

 資料(1)について肉眼的並びに顕微鏡的検査を行うに、7本は人頭毛、1本は人陰毛と認められ、これらの頭毛を資料(2)、(3)と比較対照するに、毛幹部の太さにおいて差異を認めるので類似しているとは云えない。

左表に毛幹部の太さの比較対照を示す。 ( 単位はμ )

資料(1)(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

(7)

資料(2)

資料(3)

75

70

75

50

75

75

80

平均 100
最大 120
最小  90

平均 105
最大 145
最小  80

 尚、資料(1)の(7)と資料(3)の最小のものは同一数値を有しているが、(7)はやや波状毛であるが、(3)は直状毛である。

5. 鑑     定

 資料(1)のうち、7本は人頭毛、1本は人陰毛と認められ、この頭毛を資料(2)、(3)と比較対照するに、類似しているとは云えない。

  本鑑定は、昭和42年11月20日着手、同年11月22日終了した。

昭和42年11月24日      

 茨城県警察本部刑事部鑑識課  
 警察技師  浅野 日出男

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