えん罪事件簿  2005年版


※ 強制わいせつ致傷容疑で逮捕の高1、無罪が確定 (2005.1.26)

 2004年5月に奈良県内で女子中学生を襲ってケガをさせたとして「 強制わいせつ致傷 」容疑で逮捕された高校1年の男子生徒(16)に対する奈良家裁の少年審判での不処分決定に対し、今月12日、大阪高裁も『 (男子生徒の)自白は信用できない 』として奈良地検の抗告を棄却し、無罪が確定しました。以下、1月26日付朝日新聞(asahi.com)の記事から ・・・。

 この生徒は、昨年5月に下校途中の女子中学生の口を背後から両手で押さえ、「 殺されたいんか 」と脅した上、(女子中学生の)顔を殴って軽いケガをさせたとして逮捕され、同年7月、奈良家裁は、「 事件当時に(その男子)生徒が自宅にいた可能性(があること)などを指摘 」して、刑事裁判の無罪にあたる『 非行事実無し 』の不処分決定を下していました。

 この生徒は当初、警察官による任意の取調で『 何もしていません 』と否認していましたが、その後『 下校途中にやった 』などと自筆のメモ(自白メモ)を書いたために逮捕されたものです。

 抗告審では、主に<自白の信用性>が争点となりました。この生徒は、知らない人とは会話が出来ないという資質があり、抗告後の同年9月には『 発達障害の疑いがある 』と診断されました。

 今回の大阪高裁の決定は、「 生徒の供述調書には『 女子中学生の口を押さえた 』とあるのに、自白メモは『 女子中学生の腰に抱きついた 』と食い違っている点を重視。発達障害がある場合、取調官に迎合した供述をする可能性があるとして、自白の信用性を否定 」しました。

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