[資料6−2 第二次再審申立にあたっての弁護団声明


 昭和42(1967)年8月30日、茨城県北相馬郡利根町大字布川(ふかわ)で発生した強盗殺人事件について、被告人として有罪判決を受けた桜井昌司・杉山卓男両氏は、日本弁護士連合会の支援を得て本日、水戸地方裁判所土浦支部に第二次再審を請求した。

 この事件で証拠となっているのは、捜査段階で作成された両氏の自白調書事件当日に布川近辺で両氏を目撃したという不確かな証言のみである。犯行現場には多数の物証・痕跡があるのに、両氏と強盗殺人事件を結びつける物証は全く存在しない。それにもかかわらず、裁判所は確定審、第一次再審を通じて、無批判に自白調書に依拠し、有罪判決を繰り返してきた。

 両氏は、昭和42(1967)年10月に逮捕されてから平成8(1996)年11月の仮釈放まで29年余獄中で過ごした。この間、両氏は第一審から最高裁まで無罪を主張し、服役中も、また社会復帰した後も、無実を訴え続けている。

 この両氏の訴えに応え、裁判記録の検討や現地調査などを通じて両氏の無実を確信する人は、日を追って多くなっている。これらの人々は、全国各地に「布川事件 桜井昌司さん杉山卓男さんを守る会」を結成し、両氏の支援を続けている。

 弁護団は、第一次再審請求の棄却後9年の準備を経て、本日第二次再審請求に至った。今回提出した新規明白な証拠と再審請求趣意書により、確定有罪判決がもはや維持できないことは明かとなった。裁判所が事実を直視し、白鳥・財田川決定の明示した「新旧全証拠の総合評価」「疑わしいときは被告人の利益に」の原則に立ち、両氏に対して速やかに再審を開始するよう、心から期待する。

 弁護団は、無実の両氏が無罪判決を勝ち取るまで全力を尽くす決意である。

 

平成13(2001)年12月6日   

布 川 事 件 弁 護 団

 

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