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○9-- 卒業検定
 

 ついに卒業検定である。泣いても笑っても、1回しかコースは走れない。

 12時限目の教習で見極めを貰ってしまったばっかりに、今日この日を迎えることになってしまった。
 天候は小雨。気温はおそらく摂氏10度以下。コンディションとしては、お世辞にも良いとは言えないだろう。

 朝7時50分。全ての支度を終えて家を出た。ヘルメット、グローブ、シューズ、裾バンド。
 寒いのでハイネックのコールテン、ズボンはジーンズ、上着はMA-1の冬季仕様、いつもの教習スタイルである。
 クルマに乗り込んで、暖気をしながら最後の悪あがきのコース復習を頭の中でする。
 6番を右折して交差点を入って左折合図して……、すぐにイヤになる。
 駐車場から出発し、まずは教習所途中のコンビニへ。
 朝飯代わりの肉まんあんまんを食べる。暖かいウーロン茶を飲みながら、やっぱり課題コースの復習をする。
 スラロームは安全策で、一本橋は渡りきれ、クランクで倒れ掛けたらクラッチだ……、やっぱりすぐにイヤになる。
 食べ終えて、まぁなんとでもなるさと一路教習所へ。平日なので通勤車が多いが、夕方の通勤ラッシュよりは全然マシである。

 余裕を持って教習所に到着し、受付前で待つ。
 15分ほどで検定員のヒトに指示されて、バイク待合室へ。
 今回の被検定者は、普通二輪が1名、大型二輪が3名。うち、2名が普通二輪免許無しである。
 自分の検定番号は、3。つまり、一番最後である。

 バイク小屋で検定に際しての注意事項が20分ほどあって、まずは普通二輪から検定開始。
 雨は雨足こそ強くないが、低い気温に冷たい雨であり、かなり陰鬱にさせてくれる。
 10分ほどで普通二輪のヒトが戻ってきた。
 その後に大型検定が始まり、1番目、2番目と進み、最後に自分の番である。

 緊張……、はあんまりしなかった。
 乗車手順は間違えなかった。
 発車手順も問題なし。
 四輪コースでの確認走行も、問題なし。
 一時停止は、停止線から20cmほど手前で停止。
 徐行は、手前でキッチリとポンピングブレーキで速度を落として、徐行看板を通過するときは既にブレーキリリース状態で徐行で通過する。
 障害物避けもミラーと目視は欠かさない。 
 踏切では一時停止後左右確認。
 進路変更や右左折の合図タイミング遅れなし、忘れ無し、戻し忘れ無し。
 我ながら雨が降ってるのも忘れるくらい惚れ惚れするような気持ちで、まずは四輪コースを終了。

 二輪コースに戻ってきて、スラロームは0.4秒遅延。パイロンタッチするくらいなら、大回りしてもと安全策を取ったため。
 一本橋は、惜しい0.1秒早着。あそこでクラッチをガンと繋がなければ……。 
 波状路は基本的に得意なので、7秒近くかけたが5秒以上は一緒なので、あまり意味がない。ただ、一本橋が早着だった精神的ダメージをカバーするのには役だった。
 クランクも、問題なし。
 S字も楽だった。
 坂道も無問題で一時停止>発進に手間取ることもなく、ホーンもキッチリ二回。
 最後の急制動。雨のために停止線は14mラインだったが、40キロオーバで突っ込んで11mラインの手前で停止。だけど、つい右足が出ちゃった。
 そして、停車位置へ。

 降車手順も問題なかったハズ。
 最後にバイクから降りて、検定員からコメントを貰って、終了。
 受付で待機して、検定結果発表。

 全員合格

 免許発行の書類を受け取って、一路免許センターへ。
 受付から受け取りまで都合3時間かかったけど、即日交付。
 晴れて、大型乗りの資格が貰えました。
 あとは、実際に乗って、大型乗りと認められるだけだ…。


 <教習履歴> 
 2003.11/2…入校
 11/9 …第1段階、1時間目/2時間目「車体引き起こし、周回走行/制動、一本橋、波状路」
 11/12 …第1段階、2時間目/3時間目「一本橋、波状路/スラローム、クランク、S字」
 11/15 …第1段階、5時間目「見極め」
 11/22 …第2段階、1時間目/2時間目「混走コース/コーナリング」
 11/29 …第2段階、3時間目/4時間目「急制動と回避/混走と課題」
 12/6 …第2段階、5時間目/6時間目「シミュレータ/悪路、Uターン」
 12/13 …第2段階、7時間目「見極め」 
 12/17 …卒業検定

 教習時間、12時間(規定時間)。
 諸経費:入学料/教習料、シューズ、雨具(金額はヒミツ)


 と、まぁ、そんなわけで、色々なサイトでも大型二輪関係の取得記とか載ってますが、せっかくなので、自分も後のために載せました。
 普通二輪免許を取って10年ほどもバイクに乗っていなくても、大型二輪免許はちゃんと規定時間で取れることがわかると思います。
 でも、だからといって、簡単なモノじゃありません。昔は何回も試験場に通わないと取れないと言われた免許です。それなりの難しさって言うモノは、確かにあると思います。
 バイクを意志通りに操る事が出来るのは当たり前で、その上を行かないと、教官に怒られるばかりです。何故怒られてるのか、これを理解しないと、とても先に進めません。
 怒らないでもっとちゃんと教えてくれてもイイじゃないか、とか言うヒトもいますが、危険なモノに乗ってるってことは忘れないでください。
 とにかく、安全確認をみっちりと叩き込まれます。自由にバイクを操った上で、確実な安全確認を行い、常に安全に配慮した運転が出来ることが、大型二輪の免許の必須課題だと思います。

 とは言え、この自分でも12時間で取れちゃうくらいです。普段バイクに乗ってる人なら、課題走行くらいは、おそらく楽勝でしょう。
 確かに普通免許に比べて、検定時の課題走行に課せられるハードルはやや高いですが、全てを完璧にこなさないと、検定に受からないワケじゃありません。
 要は、持ってる点数をいかに苦手課題に割り振った走行が出来るか、が検定でのポイントだと思います。
 得意なモノは絶対落とさない、苦手なモノは減点ですませる。つまり国語が苦手なら化学で点を稼ぐってことです。
 これでかなり行けると思います。実際自分はそうしました。
 検定中止になるくらいなら、安全策を採る方がマシです。
 でも、この安全策を採ったモノ=苦手科目なので、それだけは心に留めて置いてください。
 自分は、右足出すクセだけは何とかしないとなぁ……。




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