淡島マリンパーク(淡島水族館)
写真準備中。



 静岡県は沼津市の駿河湾に浮かぶ島、淡島。
 風光明媚な西伊豆のご多分に漏れず、水はきれいで比較的静かな場所であった。

 この水族館は「あわしまマリンパーク」という周囲2キロ程度の小さな小島に併設された施設である。
 あわしまマリンパークは島全体をレジャーランドとし、その中には水族館、イルカのショー会場、宿泊施設、神社などを内包する。
 島へのアクセスは船かロープウェイ、またはヘリコプターとされ、クルマで直接島内へのアクセスはできない。
 駐車料金は1日500円だ。
 通常の一般観光客はロープウェイを使っての入島となる。

 施設入場料は1800円。結構高い料金設定だ。
 この料金にはロープウェイ往復も含まれる。
 ロープウェイは通常は15分おきに運行され、どうやらシーズン中はもっと運行間隔が狭くはなるらしい。
 ロープウェイの所要時間は約3分。車内では添乗員によるアナウンスがされる。往復で人は違ったが、どちらも解説を間違えていたのが微笑ましい。
 高度は陸側では高さ20m程度から出発だが、島側は50m程度まで引き上げられる。
 冷静に考えて無駄な施設だ。こういう無駄な施設は嫌いではない。
 どうも島側の駅は展望台を兼ねているようではあるが。
 駅から地上へはエレベータで降りるが、乗った気分はなにか正体不明の施設に連れてこられた感じである。

 この島は前述の通り島全体がレジャー施設とされている。しかし施設の中味は意外に貧弱で、しかも海を開放していないために何がしたいのかが全然伝わってこない。
 でも目的は水族館本体なので、その辺はザックリ割愛します。
 さて水族館はロープウェイ駅のほぼ直下に造られ、外観は鉄筋の2階建て。決して大きくはない。
 入り口は色気のない両開きのドアで外と仕切られている。
 中は照明が適度に暗い。ちょっと壁に掛けられているパネルを見るには辛いかなといった感じだ。
 最初の展示は円筒形水槽。エビがのたっていた。通路中央に休息用ベンチが設置され、向かい合うように片側の壁には大型水槽。もう片方には中型水槽が3基並んでいた。
 どちらも駿河湾沿岸のサカナの展示である。
 さらに先に進むと、上方開放型の浅水水槽が設置され、中にはサメやクエが泳いでいた。無論上方開放とは言え、水槽のアクリルガラスに阻まれ、触ることはできない。
 1階の展示はここまで。この先は出口である。
 2階にも展示があるので、2階へいくと、やっぱり駿河湾の魚類展示であった。
 一応深海までカバーしてはいたが。
 エビやらカニやら小魚やらクラゲやらと目新しい展示はなく、しかもここだけという展示もない。見せ方にもあまり工夫は見られない。オーソドックスな展示である。
 目玉展示が無いのが少々減点対象だろうか。
 ただ、「特別展示」と言う表記が多く、展示内容については結構努力しているようだ。
 全て見て回っても所用時間は30分とかからないだろう。雰囲気もあまり良くないのでデートコースとしてもイマイチと思われる。
 しかし建物全体からマイナー感が遺憾なく発揮され、これはこれで個人的に好印象であった。

 このほかの水族館施設としてイルカのショー会場とアシカのショー会場を紹介しておこう。
 イルカのショーは水族館の前の海で行われる。客席数はあまり多くなく、出入口が左右2箇所しかないので出入りもしにくい。
 ショー自体はイルカの特徴を示しながら順にハデなものとしていくやり方で、割と楽しめるモノだろう。
 会場と客席の距離がとても近いので、そこそこの迫力も得られる。
 アシカのショー会場はエレベータ下に設けられている。
 この会場は通常の会場とはちょっと違い、ステージが観客側、プールが奥側にあるので、客席とアシカとの距離が近く、なかなか楽しめる趣向となっている。
 ただしプール内を泳ぐアシカの姿を見ることはできないが・・・。

 このほかにアザラシの展示などもあるのだが、水の透明度が極めて低く、バスクリンを混ぜたような水になっている。
 少々残念だ。
 さらに世界の名犬ふれあい広場なるモノもあるが、これはどうだろうか。海上施設でイヌの展示などやる必然性が感じられない。おそらく差別化を計ったためと思われるが、完全に浮いている。

 さて水族館以外の施設だが、他には遊歩道やプールなどがある。しかし海に来てまで山登りする気にはなれないし、目の前に澄んだ水をたたえる海があるのにプールを設置するのもなにかおかしな気もする。
 島なので周囲の海も急深となってはいるが、なにか方法は無かったのだろうか。


 水族館としても海上施設としてもいまいち中途半端な感が否めない。
 行った当日は夏休み明けとはいえ天候も良く、絶好の行楽日よりだったのだが、観光客が非常に少なかったのが気になった。
 もう少し先に行ったところにある「三津シーパラダイス」に喰われてしまっているのかも知れない。
 *三津シーパラダイスに関しては、近日中にレポートしに行く予定。



 所在地:静岡県沼津市内浦重寺186

 Tel:0559-41-3126



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