HOWARD JONES / CROSS THAT LINE

(1989)

 ちょっと遅れてきたエレポップアイドル、ハワード・ジョーンズの4thアルバムです。アイドルというにはデビュー当時すでに30近かったようですが、奇抜な髪型と独特ないでたちでイギリス国内でブレイクし、日本でもそこそこの人気がありました。1st、2ndアルバムから次々とシングルヒットを連発していましたが3rdアルバムでなぜか突然失速してしまい、現在に至っています。
 このアルバムでもやはりかつての人気を取り戻すことはできませんでしたが、中身はそれまでのどのアルバムよりも完成度が高い傑作だと思います。特に1曲目の勢いはすさまじく、温厚な彼らしからぬ気合いが感じられます。続く2曲目の「EVERLASTING LOVE」はブリティッシュポップの王道で、ヒットしなかったのが信じられない隠れた名曲です。
 このアルバムを聴く度に、彼はすぐれた英国のソングライターの一人としてもっと評価されるべきだと思ってしまいます。ともかく忘れた頃にでも、ちゃんと良質のアルバムを出してくれればよしとしましょう。
 

2001/05/15


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