SOFT CELL / CRUELTY WITHOUT BEAUTY

(2002)

 怪しげな妖気を放ちながらブリティッシュポップ界に暗躍する裏のスター、マーク・アーモンドがデイヴ・ボールと組んだエレポップユニット、ソフト・セルの再結成盤です。
 70年代後半から80年代にかけて雨後の竹の子のように出現したニューウェイヴは、ほとんどアイデア一発勝負、やったもん勝ちのオンパレードでした。ゆえに長続きしなかったり、生き残ったとしても後にいくほどつまらなくなるパターンが多かったのはいたしかたないと思います。では、デビュー当時シンセの無機質サウンドにエロティックな退廃キャラを絡めるミスマッチ感覚で、キワモノ度の高さでは他の追随を許さなかったこのソフト・セルが20年近く経った今再結成して果たしてどうかと言うと…パワーアップしてしまいました。時代と共に機材等が進化したためサウンドが多彩になったのは当然ですが、2人ともそれぞれのスタンスで経験を積んだ結果、ヴォーカルもアレンジもより一層エロくなっております。特に冒頭の3連発のデカダン加減はすさまじく、3曲目「LE GRAND GUIGNOL」なんてサウンド自体の怪しさが放禁モード。寝耳に水の再結成も、こういったレヴェルの新作を発表してくれるんなら大歓迎です。

2004/06/30


BACK