PROCOL HARUM / GRAND HOTEL

(1973)

 名曲「青い影」で有名なプロコル・ハルムは、ムーディー・ブルースと並んで英国ロマンを体現する誇り高きブリティッシュバンドです。これは後期の傑作で、7thアルバムにあたります。
 そのクラシカルなサウンドは荘厳というよりむしろ過剰で、下世話な貴族趣味といった趣です。本来気品といったものは自然ににじみ出てくるのであって、このようにあからさまに演出するものではないはずです。つまりプロコル・ハルムの真の魅力は外見のエレガントさではなく、根底にある泥臭さにあると私はふんでいます。あるいはその両者のミスマッチの妙とでも言いましょうか。そう考えるとザ・バンドとの共通性が語られるのも納得です。
 特にアルバムタイトル曲の、聴いていると恥ずかしくなるほど大げさな展開の前には言葉もありません。悔しいけれど術中にはまり、ムリヤリ感動させられてしまいます。ところが、ハッと我に返ると今度は笑えるのです。それって深い味わいがあるってこと?極上のワインの如きサウンド(笑)
 

2002/12/09


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