GARY NUMAN / I, ASSASSIN

(1982)

 パンク以降のニューウェイブ勃興の時代に一世を風靡したゲイリー・ニューマンの、チューブウェイ・アーミー名義から数えて7枚目(ライヴを含む)のアルバム『アッサシン』です。
 冷ややかなシンセサウンドに乗せて無機的なヴォーカルで疎外や自閉をテーマに歌い、幻想アンドロイドのキャラクターを演じきった彼ですが、このアルバムの頃にはかつての人気にも明らかに翳りが見えていました。
 しかし人気と作品の良し悪しが一致しないことは往々にしてあるもので、音楽的な完成度は全盛時のアルバムをはるかに凌ぐ内容です。前作で未消化だったリズム面の強化がこのアルバムではついに実を結び、骨太でダンサブルなサウンドを確立しました。シングルとなった数曲をはじめ躍動感に溢れる楽曲が続きます。ヴォーカルも以前のような無機的なものではなく、デイヴィッド・シルヴィアンを彷彿とさせるスタイルに変化し、それがまた功を奏しています。
 でも人生いったんケチがつくと悪循環になるんでしょうか…、自家用飛行機を操縦して世界一周を企画したものの、故障で不時着などという音楽とはなんの関係もないトラブルにも見舞われたりしています。その後再評価の気配もないし。

2003/01/09


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