DUFFY / I LOVE MY FRIENDS

(1997)

 スティーヴン・ダフィが、自身のソロプロジェクト的なグループ、ライラック・タイムとして4枚のアルバムを出した後、ダフィ名義となった2枚目のアルバムです。
 これまで、本人のルックス同様、楽曲も線の細いイメージがなきにしもあらずでしたが、前作から見違えるほど元気いっぱいのサウンドを打ち出してきたため、ライラック・タイムのイメージで聴くとちょっとビックリ。ラジオのチューニングを合わせるように彼のこれまでの楽曲が次々とコラージュされた効果音に導かれて飛び出す1曲目「EUCHARIST」のイントロからソリッドなギターが鳴り、続く「17」あたりはまさにUKギターポップのツボです。さらにツボと言えば、XTCのアンディ・パートリッジが参加した2曲なんて声以外はまるでXTCの曲でたまらないものがあります。
 音楽的なセンスは非凡なものがあるのに、若い頃は甘いマスクが災いしてアイドル的な扱いをされ微妙な位置にいた人が、中堅にさしかかってイイ味を出してきたという点ではニック・ヘイワードに近いものを感じました。
 こういった方向ならこれからの彼の活動がいよいよ楽しみだと期待しましたが、この後再びライラック・タイム名義で出したアルバムは、以前にもまして甘くてゆる〜いサウンドに戻ってました。と言うことはやっぱりそっちが彼の本質で、このアルバムではムリしてたのかな?

2005/12/31


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