PREFAB SPROUT / JORDAN : THE COMEBACK

(1990)

 そもそもプリファブ・スプラウトはネオアコースティックのムーヴメントから出発したハズでした。実際アズテック・カメラやオレンジ・ジュースなどと並び称せられていた記憶があります。ところが5枚目のこのアルバムはネオアコという限定されたカテゴリーをはるかに越えた完成度の高さを誇るポップの傑作となっています。全曲捨て曲なしで、アルバム全体の流れも最高、トーマス・ドルビーのプロデュースも完璧で非の打ち所がありません。もともとスティーリー・ダンのような曲作りを目指していたという、後のパディ・マクァルーンの発言から、ネオアコに止まるようなバンドではなかったことが伺い知れます。
 余談ですが、パディは自分たちのことを「いろんな人の名前を出して、囁いてるだけで元気のない、イギリスの利口ぶったグループ」と客観的かつ自虐的に述べていました。これには妙に納得して笑ってしまいます。まぁ、確かにそういうサウンドなんですが…。

2000/09/11


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