KEVIN AYERS / JOY OF A TOY

(1969)

 先天性のボヘミアン、ケヴィン・エアーズの1stソロアルバム『おもちゃの歓び』です。
 ソフト・マシーンでキャリアをスタートさせた彼ですが、持っている資質はバンドのそれとはかなり違っていたようで、アルバム1枚で早々ソロに転向しました。ただし、このアルバムの参加メンバーがマシーンの面々であることから、バンド脱退が円満退社であったことは想像に難くありません。
 中身は題名の通りおもちゃ箱をひっくり返したような印象で、1曲目から楽しげなムードに包まれた彼独自の世界が味わえます。そんな中で珍しくマイナー調の8曲目「LADY RACHEL」は人気の高い名曲です。
 長い創作活動を通してまったく肩に力の入ったところのない人のため、これまで商業的な出世作とか一大傑作を出したことはありません。それどころか、本人はもうとっくにスペインのマヨルカ島で悠々自適な生活を送っています。でもそのやる気のないスタンスが逆に魅力的な不思議なアーティストです。酔っぱらってばかりいないで、そろそろ新作出してくれ〜っ!

2002/02/10


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