JOHN FOXX / METAMATIC

(1980)

 ウルトラヴォックスを脱退後沈黙を続けていた‘クワイエットマン’ことジョン・フォックスですが、当時時代の寵児だったゲイリー・ニューマンが彼からの影響を公言したことによって棚ぼた式に再評価され、その追い風を受けて1stソロアルバムを発表しました。邦題は4曲目のタイトルをとって『メタル・ビート』。奇しくもこの直後に本家もミッジ・ユーロ主導で復活しブレイクしています。
 ウルトラヴォックス時代はパンクから派生した疾走感のあるギターサウンドとエレクトロニクスの融合を試みて先進的な作品を残した彼ですが、このアルバムではかなり本格的にテクノに取り組んでいます。無機的なビートとヒンヤリとしたシンセの音色はまさしくクラフトワーク直系のテクノサウンド。そしてそこにはもちろん彼ならではの美意識とポップセンスが反映されています。特にシングルカットされた「錆びた地下道」で執拗に繰り返されるイントロのフレーズは問答無用のかっこ良さ。ヴォーカルの音程は終始不安定ですがそれが弱点にならないところが奇跡的です。
 さらにスゴいのはこのジャケット。なんだか解らないけどクールな近未来感覚がともかくかっこイイ!
 

2005/02/03


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