SMALL FACES / OGDENS' NUT GONE FLAKE

(1968)

 フーキンクスと並んで60年代モッズのヒーローだったブリティッシュビートバンド、スモール・フェイセスのサイケデリックなトータルコンセプトアルバムで、全英チャート6週連続1位を獲得し、円形ジャケットでも話題となった名盤です。
 本来切れ味の鋭いシャウトが持ち味のスティーヴ・マリオットのあまりにも黒っぽいヴォーカルが、このアルバムではイギリス的な楽曲にもうまく溶け込んでいます。荒々しい曲はとことんハードに歌い上げながら、シングルヒットした「LAZY SUNDAY」のようなユーモラスな曲は独特のコックニー訛りを駆使しており、アルバム全体にとてもメリハリがあります。なんと言っても、アナログ盤ではB面を通して描かれるハピネス・スタンの物語は最大の聴きどころで、曲間にナレーションを挟む芝居がかった構成が、実にイギリス的な雰囲気を醸し出しています。
 その後スティーヴは脱退してハンブル・パイを結成し、ベースのロニー・レインは自身のプロジェクト、スリム・チャンスで独自の活動をしました。しかし、二人とも意外な形で他界してしまったことが惜しまれます。奇病に冒されてしまったロニーは不運だったとしても、寝たばこで焼死したスティーヴは悔やんでも悔やみ切れません。

2002/06/27


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