PINK FLOYD /
THE PIPER AT THE GATES OF DAWN

(1968)

 「狂ったダイアモンド」ことシド・バレット在籍時のピンク・フロイドの1stアルバム『夜明けの口笛吹き』です。のちにブリティッシュプログレを代表するバンドとなる彼らですが、ここでは思いっきりサイケデリックなサウンドを聴かせてくれます。バンドはシドが抜けたあと、ロック史上に残る名作を数多く残しますが、このアルバムのようなサウンドを出すことは二度とありませんでした。ホントに一回キリの奇跡だったわけです。 
 なんと言ってもシドです。あまりにイッちゃってて、音楽活動はおろかその後の社会生活さえも犠牲にしてしまった感のある彼ですが、ギリギリのところで最高の作品を残してくれました。お伽噺の大好きだった彼がヘロヘロにトリップしながら歌っていて、それがまた妙にポップな印象を受けるから不思議です。
 不思議といえば、(不謹慎ですが)これだけキメていた彼がその後死んだという話を聞かないのも不思議な感じがします。となると突然復活してソロアルバムを出すかも…なんて期待することも可能ですが、さすがにないでしょうね。いや、ブライアン・ウィルソンの例もあるか。

2001/07/04


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