CHARLES MINGUS / PITHECANTHROPUS ERECTUS

(1956)

 ジャズ界の怒れる巨人、チャールズ・ミンガス(b)がその激情をグループ表現によって吐き出した傑作です。
 プレイヤーとしてだけでなく、コンポーザー、バンドリーダーとして名を残した点ではセロニアス・モンク(p)と共通するものがありますが、特筆すべきはベーシストであるということです。トータルな意味で考えると、ジャズ史上もっとも重要なベーシストということになるんじゃないでしょうか。
 ともかくアクの強い人です。メンバーが気に入らないプレイをするとぶん殴るという怖い逸話もあり、力ずくでその強烈な個性をバンド全体に浸透させています。その成果は10分を越える表題曲に顕著です。
 その思想の根底には黒人としての人種差別に対する怒りがあるため白人嫌いのイメージですが、最初の奥さんも二人目の奥さんも白人だったそうです。

2002/04/18


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