PETER GABRIEL / SO

(1986)

 絶対的なカリスマ性を誇るカルトヒーロー、ピーター・ゲイブリエルが、ついに一般大衆にも受け入れられ世界的な成功を収めるに至った5枚目(除くサントラ)のスタジオアルバムです。
 まずなんと言っても、先行シングルの「SLEDGEHAMMER」でしょう。クレイアニメをふんだんに取り入れて手間暇かけたPVはMTV全盛の時代にあってインパクト充分。でも、実は3〜4枚目のあの緊張感あふれるサウンドの虜になった私は、あまりにソフィスティケイトされ過ぎているこの曲に大いにとまどいを覚えました。さらに、久しぶりにケイト・ブッシュとの共演となった「DON'T GIVE UP」や「MERCY STREET」あたりについてもイマイチ。元来ピーターはスローな曲でもエキセントリックさが見え隠れする人なのに、ここではサウンドの深みばかりが目立って、それが感じられないから。
 唯一スリリングなのが冒頭を飾る「RED RAIN」。コレはマジですばらしい!イントロで、ゲストのスチュワート・コープランドのハイハットが聞こえてきた瞬間から鳥肌が立ちます。で、それに続いてピーターがハスキーな声で歌い出すんだから、たまりません。
 個人的な好き嫌いはあるものの、客観的に見れば80年代を代表する1枚。まさかピーターがスティーヴィー・ウィンウッドやロバート・パーマーらと一緒にグラミー賞にノミネートされるなんて?!つくづくイイ時代でした。

2005/09/01


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