JOHN FOXX / THE GARDEN

(1981)

 ウルトラヴォックス脱退後のジョン・フォックスのこのソロ第2作は実にかっこいいアルバムです。まずアルバムジャケット、そしてインナースリーヴの写真…、本人が庭園の中で、傍らに石膏像やらステンドグラスやらをあしらってダブルの襟つきベストを着てたたずんでおります。
 ジャンルとしてはニューロマンティックに属しています。というかこの人自身がそのブームの火付け役となる可能性を秘めていたのに、あまりにも時代を先取りし過ぎたからかウルトラヴォックス時代はまったく売れませんでした。結局数年後にミッジ・ユーロあたりが仕掛け人となってブームになり、奇しくも当のジョンは後から再評価された形です。
 でもこのアルバムは彼の本領発揮で、「これが真のロマンティックだ!」と言わんばかりの傑作となっています。彼がウルトラヴォックス時代に残したラストアルバムのタイトルをそのまんまとった「SYSTEMS OF ROMANCE」など、機械的なビートにソリッドなギターや生ピアノを絡めるセンスが絶妙です。歌詞なんて分かったような分からないような雰囲気だけの内容で、それがまた実にクール!
 はっきりいって歌はヘタです。でもその人自身の描きたい世界が的確に表現できて、受け手に伝わればいいんじゃないかと思います。そういう点ではこの人は非常に才能のあるニューウェイヴ界きっての孤高のカリスマと言えるでしょう。

 2000/09/05


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