GENESIS / TURN IT ON AGAIN ・ THE HITS

(1999)

 ジェネシスの長いキャリアの最後の最後に出た公式のベストアルバムです。
 とう言うものの、サブタイトルに『THE HITS』とあるようにあくまでシングルヒット集であり、従って収録曲がフィル・コリンズをフロントに立てた後期の曲に集中しているのはいたしかたないところでしょう。だから、イギリスを代表するプログレバンドとして君臨していた頃の長尺の代表曲はほとんどなし。でもジェネシスの場合は、これまでライヴアルバムがそういう面でのベスト的役割を果たしてきたので、問題はありません。
 さて、このベスト盤中最大の目玉は、何と言ってもピーター・ゲイブリエル在籍時のナンバーを再録音した「THE CARPET CRAWLERS 1999」。それぞれの時代を担ったピーターとフィルという二人のヴォーカリストのかけ合いを聴くことができます。しかもこの新ヴァージョン、プロデューサーがあのトレヴァー・ホーン。これだけ役者が揃っているのだから、オリジナルヴァージョンとの善し悪しを比べるのは野暮なこと。ひたすらこの奇跡の共演を喜ぶべきでしょう。
 個人的には、これまでのアルバムジャケットを飾ったロゴを一文字ずつあしらったデザインもけっこう気に入っています。

2006/01/01


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