THE KINKS /
THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY

(1968)

 初期にこれ以上ないくらいかっこいいリフの「YOU REALLY GOT ME」や「ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT」といったヒットを放ち、フースモール・フェイセスとともにモッズに人気のあったブリティッシュビートバンド、キンクス初のトータルコンセプトアルバムです。
 ともかくイギリス臭いバンドで、上述のようなリフの印象的な曲ばかりでなく「SUNNY AFTERNOON」、「WATERLOO SUNSET」といった、いかにも英国的なしみじみとした趣のある曲を多数作っていましたが、このアルバムではそれを全編に渡って展開しています。随所に独特のユーモアを漂わせているばかりでなく、若干のペーソスをも同時に醸し出している点は中心人物であるレイ・デイヴィスの持ち味で、まさに真骨頂と言えるでしょう。
 ただ、こういったポップのマエストロが本領を発揮した作品って往々にして商業的には惨敗することがあります。国もキャラも違いますが、その一点でビーチ・ボーイズの『PET SOUNDS』に通じるものを感じたりします。通じると言えば、兄弟の愛憎関係については後輩格のオアシスに通じる…かな?
 

2003/05/08


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