ULTRAVOX ! / SAME

(1977)

 ジョン・フォックス率いるオリジナルウルトラヴォックスの記念すべきデビューアルバムです。
 まだニューロマンティックどころかニューウェイヴという言葉すら使われていなかったであろうこの時期に、海のものとも山のものともつかないサウンドをひっさげて登場した彼らがいきなりブレイクすることはありませんでしたが、プロデュースを引き受けたブライアン・イーノの嗅覚は鋭かったと言えるでしょう。もしかしたら、そのハチャメチャさ加減に潜むアート感覚に、自分が在籍していた時期のロキシー・ミュージックに通ずる可能性を感じたのかもしれません。例えばパンキッシュな勢いに乗ってハーモニカが炸裂する1曲目「狂熱の街角」にはロキシーの「RE-MAKE RE-MODEL」に匹敵するインパクトを感じます。一方、アナログ盤A面ラストを飾る7分にも及ぶプログレッシヴな大曲「マシーンになりたい」は、タイトルからして既にその後のニューウェイヴ(テクノ、エレポップ等)の中で活かされるべきコンセプトが打ち出されています。また、デビュー曲「DANGEROUS RHYTHM」はレゲエのリズムを導入しながらレゲエとは似ても似つかぬ肌触りがクセになる文字通りのデインジャラスなリズムです。
 このように、デビューアルバムであるにも関わらず初期3枚の中では本作が最もヴァラエティに富んだ内容になっています。ただしまだまだ荒削り。ついでに、ジャケに写ったルックスもあか抜けてませんよね。(苦笑)

2005/02/11


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