LOUIS PHILIPPE / YURI GAGARIN

(1989)

 キング・オヴ・ルクセンブルグと並ぶエルレーベルの看板アーティストでありながら、シェフの肩書きを持つフランス人、ルイ・フィリップの3rdアルバムです。
 彼はビーチ・ボーイズの『PET SOUNDS』からの影響を公言しており、アレンジやコーラスの随所でその成果を聴くことができます。でも、フランス人ならではの独特の雰囲気もついつい顔を出すため、それらが異化作用を起こし、結果としてここにあるのはあまりにもマッドなポップです。
 1曲目の「DIAMOND」からして、わけのわからない展開を見せます。イイ雰囲気で始まったかと思うと素っ頓狂な間奏が入り、あっという間に彼の世界に引き込まれてしまいます。次作では連名となる相棒のディーン・ブロドリクは、このアルバムにおいても大きく貢献していると思われます。
 エルレーベルは一過性のブームで消えてしまいましたが、彼自身がその後もちゃんとイイ作品を発表し続けているのは立派です。曲によってはモロにフランス語を駆使して、有無を言わさぬおしゃれな雰囲気を醸し出す卑怯さもあるため、極端に女性ファン多し。
 

2003/06/28


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