下総の言葉


1   旧下総地方の伝統的な言葉
更新日時:
H18年7月24日(月) 
ここは昔は下総の国といいました。
茨城というのは昔の常陸の国を指すような気がします。
だから、「茨城弁」ではなく、「下総の言葉」としてみました。

2   あの段
更新日時:
H18年7月24日(月) 
・あー      返事
・あーた     そのような、という意味 そーたという言い方もある
          あーた → あのような
          そーた → そのような
          ほーた → そのような
・あがなす    トマト
・あがまんま   血のこと
・あがまんま   赤飯のこと
・あしけんけん  片足で飛び歩くこと
・あしっこ    足跡
・あっけね    物足りないこと、あっけないこと
            裏のばあちゃん死んちったの?
            こないだ医者ででっかせだばっかしなのに
            あっけねもんだな
・あったっぺ   あったでしょう?
・あっぱとっぱ  狼狽すること
・あっぺ     あるでしょう?
・あでつっぽ   行き当たりばったり、いい加減に
・あでづっぽ   同上
・あでんじゃり  後戻り
          あり地獄(ウスバカゲロウの幼虫)
・あなっこ    穴のこと、めどっことも言う
・あなめど    穴のこと
・あねさま    お嫁さん
・あまっこ    若い女性又は女の子のこと
・あまぴきさま  雨引講のこと
         茨城県岩瀬町の雨引山楽法寺の観音様を信仰する
・あよ      人に語り掛けるとき
・ありんぼ    蟻
・ありめど    蟻の巣穴
・あんて     あの人たち、あの手合い等
・あんてら    あの人たち
・あんべ     あるでしょう?
・あんべ     按配
・あんべみっちゃれだ 適当にあしらわれた…という感じの意味だろうか?
 
・いー      湯、風呂
 
         本当は「い」じゃなくて、「い」と「ゆ」の中間の発音をするのが正しい茨城弁である!
         江戸っ子は「ひ」と「し」の発音の区別がつかないそうだが
         茨城県人には「い」と「ゆ」の発音が同じ人がいるのである。
 
         あとABCがどうしても「イービーシー」になってしまうとか
         コンビニのミニストップを「ミニスポット」と言ってしまうとか
         自転車のことを「じでんしゃ」と言ってしまうとか
         自動車にガソリンを入れに行くことを「アブラ入れに行く」と言ってしまうとか
 
 
         (-_-メ)
 
           おめよ、いづまでもちょーしぷっこんでんじゃねえど
           茨城県人どご、ばがにしてっぺ、あよ!
 
         (ーー゛)凸
         
・いがい     大きい
         いがくなったなぁ:大きくなったなぁ
         あーたまげだ、いら、いがい声、出すんじゃねえよ。
・いがいてら   大きい人たち
・いかないちゃった 行かなかった
            日曜に東京さいったの?
            用あったがら、いかないちゃった
・いきれる    蒸し暑いこと、ぼやもやする…ともいう
          今日は南っ気(南風)だからぼやぼやしていぎれんな…
・いぎあう   行って逢う、生きて出逢う
・いぐたぐ    入り組んで
         話がいぐたぐしちゃってわがんね…等
・いげす     池
・いごかす    動かす
・いごく    動く
・いし      あなた
・いしゃ     あなたは
・いしゃどの   医者  風邪ひーちったがら医者殿さ行ってくっぺ
・いってんべ   言ってみよう
・いだっぱち  板
・いちくる   いじる
・いちける   いじける
        ほんなすまっこのほーでイチケデねえでこっちさこーよ
・いちける   乗せる
・いっける   乗せる
・いっぱし   一人前のこと
・いっぱ    立派
・いっかい    でっかい
・いで      風呂で使う手ぬぐい
・いのした   お風呂のかまどのこと?
・いのっころ   犬
・いび      指
・いぷたい   煙たい
・いべつ    いびつ
・いまに    将来に
・いまーに   遠い将来に
・いもひとつ  もうひとつ
・いやし     生木が多い焚き火
・いやしんぼ  食いしん坊
・いやんべ   良い塩梅に、適当に
        いやんべだな→野良の挨拶で「いいお天気ですね」といった意味
・いら      たくさん
         おぎゃくさん、いらいだがい?いらいだよ。
・いんぐりたんぐり 同上
・いんね     要らない
・いんべ     行こう
 
 
・うがし    釣りで使う浮き
・うぜがぎ   うるさい
・うっくす   壊す
・うっとせ   うるさい
・うでる    茹でる
・うでたまご  ゆで卵
・うるしくて  嬉しくて
・うんめる   埋める
 
・えがい    大きな 「あーたまげだ、えら、えがい声出すなよ」
・えがくなったな 大きくなったね(子供などに)
・えっける   のせる
・えちける   同上
・えっぺ    一杯、たくさん
・えーっぺ   たくさん
・えら     たくさん
・えらえっぺ  たくさん
・えんで    縁台
 
・おあがんなせ お食べなさい
・おいどめ   肛門
・おおがん    道、往来
・おおごど   大事件
・おおごどでぎちった 大変なことになってしまった
・おかんじん  こじき
・おがんじん
・おがんじ    同上
・おがまさま  台所の神様のこと(お釜さま)
         なお、井戸には「井戸神様」がいた
・おがぶ    陸稲、おがぼ
・おぎ     炭火、
・おきむくり  起きて直ぐに
・おげーし   お返し
・おこさま   蚕のこと
・おごりんぼ  怒りやすい人
・おごでる   落っこちる、つこでる
・おごらいちった 怒られちゃった
・おーざ    公然と、
・おしと    お手玉
・おじぼ    次男三男の総称
・おじや    雑炊
・おしる    汁
        忙しがらおまんまさお汁かげで食うべ(忙しいのでご飯に味噌汁をかけて食べよう)
・おせる    教える
・おだげ    お互い
・おだげにすっぺ 相殺しよう、帳消しにしよう
・おたふく   容姿が悪い女性、おがめ
・おちゃうげ  お茶菓子
・おちゃのこ  簡単
・おちゃっぴ   口が巧いこと(子供の場合)
・おっかかる  寄りかかる
・おっか    妻、奥さん
・おっかう   添え木などを当てる、
・おっくれる  壊れる
・おっくす   壊す
・おっこでる  落ちる
・おっつかね  収支が合わない、稼ぎが間に合わない
・おっぴろげる 広げる、ひんびろげる
・おっちょる  折る、あしおっちょっちった→足を折った
・おっぺす   押し倒す、押し付ける
・おったす   引き出す
・おっぱさむ  挟む、しっぱさむ
・おっぺしょる 折る
・おっかく   割る
・おっちゃす  つぶす
・おっちゃぶす 同上
・おっとばす  追い払う
・おっくす   壊す
・おつけ    汁
・おつよ    汁(味噌汁などの汁)
・おどで    一昨日
・おひゃらがす からかう
・おぴとき   七五三
・おぴとぎっこ
・おべる    覚える
・おにんこ   握り飯、にんこ、にんこめし
・おにむし   クワガタムシ
・おのぼれ   自惚れ
・おめきる   思い切る
・おめきってやってみっぺよ
・おめら    お前たち
・おまんま   ご飯、まんま、まま
・おもで    本家
・おもる    食事などをおごる
・おもり    同上
・おやす    終わらす
・おやっしゃー 終わりになってしまう
・おら     俺
・おらぢ    俺の家
・おらぢさこーよ 俺の家に来いよ
・おんのめる  沈む、嵌まる
・おんこ    うんこ
・おんだす   追い出す
・おんもちくる  紙などをもみくちゃにする
・おんなびる  こすり付ける
 
 

3   かの段
更新日時:
H18年8月5日(土) 
・があら    つい、うっかりと
・があらだっぺよ わざとじゃないですよ
・ががんぼ   蚊のような形をした大きな虫
・かぐねる   隠れる
・かぐねっこじ かくれんぼ
・かさぷた   瘡蓋
・かしゃもじ  柏餅
・がしゃっぱ  がさがさ音のする落ち葉
        がしゃっぱ集めでヒーモーして、さづま焼いで食うど、んめど
・かしわまんじ 柏餅
・かしゃっぱ  柏の葉
・かしょって  誘って
・かだす    仕舞う
         道具はかだしとげよ
・かっこむ   掻き込む
         朝飯かっ込んできた
・かっけなす  貶す
・かったでる  かき回す
・かっつぁらう さらう
・かっこなす  貶す
・かっきる   切る
・かっころがる 転ぶ
・かでっぽ   片方
         あれ?靴下かでっぽしかねえや?
・がなる    怒鳴る
・かーばだ  川端
・かべった   耕していない田んぼ
          株っ田…からきているらしい
          でも壁っ田とか、カビっ田でも意味は通じるような気がする。
・かまっこど  かまど
・かむ     嗅ぐ
・かめ     蚊
        カメにくわれっちった(痛そう…)
・かめのご   亀
・からっきし  まったく、全然
・からすのきんたま カマキリのタマゴ
・からってぼ  何も持たないで、空手で
・がれる    やせる
・がれっぽ   やせた人
・かんかん   空き缶
・かんご    かご
         かんごしっちょって草刈にいぐ
・かんひれー  缶拾い
・かんどりさま 香取神社のこと
・かんどりやま 香取山
・かんぶり    頭
・かんぶりかんぶり 赤ん坊が頭を振ること
 
 
・きかんぼ
・きびしょ   急須
・きたげ    唾
・きれっこ   布
・きんぬき   桐木
・きはぐった  来なかった
・きびしょ   踵
・きないっちゃった 来そこなってしまった
・気に病む
 
・くさっぱ   草
・ぐし     屋根のてっぺん
・くね    垣根、生垣、かしぐね
・ぐれる   迷う
       そらっぺきってあるってだらぐれっちったよ
       こごぁどごだっぺ?
・くっちゃべる しゃべる
・くっかぐ   食いちぎる
・くっちゃす  同上?
・くーれる  壊れる
・くっきる  噛み切る
・くべる   火にくべる
・くみっけ  川をせき止めて魚取りする子供の遊び
・くるむ   包む
・くわぐ   咥える
・くんのむ  飲み込む
 
・けさっぱら 朝
・げす    下肥え
・けったり  だるい、疲れた
・けぢくそ  けちんぼ
・けづっぺだ 尻
・けつめど  肛門
・けっとばす 蹴る
・けば    毛
・けーる   カエル
・けーるっぱ オオバコ
・けんなりい うらやましい
 
・こがたん   小刀
・こきちげ   頭がおかしい、狂っている
・こごむ    かがむ
・こさ    木の枝
・ごさっかぶ  藪、ぼさっかぶとも言う
・ごじゃっぺ 理屈が通らない、いい加減、うそつき
・ごじゃ
・ごじゃらっぺ
・こげら    鱗
・こーこ    漬物、香の物
・こちき    乞食
・こちっこい  濃い、お茶などが濃いこと
・こっぺ   子供のくせに口が巧い
・このぼせ   少し頭がおかしい
・このぼせやろ
・こまっちゃくれ
・ごーつくばり 強欲な
・こめら    子供ら
・こわい   疲れた
・こわげし   半人前の若者
・こっつぁみ  小寒い
・こんき     耕運機
・こんごり   塊
・こんばん    提灯のことを言う場合がある

4   さの段
更新日時:
H18年7月24日(月) 
・さ   「どこどこへ行く」ということを「どこどこさ行く」という
     東京さ行く
・さぎっちょ  先端、先っぽ
・さしこ  竹ひごで作った鳥かごのこと?
・さんざんぱら 
・さやっぽ  おせっかい
・さるめ   猿、犬は「いぬめ」猫は「ねごめ」鳥は「とりめ」である。
       蚊は「かめ」ハエは「へーめ」という。
・さなぶり  田植えが終わってご馳走をたべる
・しくれ    夕暮れ
・しーげん  結婚式、祝言
・じゃんぼ  葬式
・しゃっぽ  帽子
・じんだんぼ 櫟(くぬぎ)の木
・しゃれ   下がれ、退け
・じょんこ  利口、良い子
・しこたま  たくさん
・しこでこ  たくさん
・しっちゃぶく 破く
・しゃくし  ひしゃく
・しょんべん 小便
・しっかり  たくさん
・じっかに  全体に、満遍なく
・じっけづ   痔
・じょーり  ぞうり
・しりっぽ  尻尾
・しょい   醤油
・しっちょう 背負う
・しっちょって 背負って
・しっぱがす 剥がす
・しばや  芝居
・じなる  怒鳴る あんまり、えがい声でじなんなよ。うるさくてしゃあね。
・したい  額
・してえ  額
・しっちらがす 散らかす
・しっくれげしむっくりげし 何度も繰り返すさま
・しんど  新道
・じーばち 重箱
・じっぺだ 地べた
・しもげる  霜毛る、霜がかかる
・じもくそば どくだみのこと
・じゃんけんし じゃんけんのときの掛け声
 
・すまっこ 隅っこ
・すっかい 酸っぱい
・すっけ   同上
・ずない  大きいこと
・すいる  腐る
・すいる  仲間入りする
      あら、鬼ごっこやってんの?俺ごどもすいろよ
・ずいぼん   ずいぶん
・すっころがる 転ぶ
・ずのぼせ   自惚れ屋
        ナメーギなこと言いやがって、あのやろ、ずのぼせでんじゃねが?
・ずっきもっき 威張ったような様子、肩肘張った感じ
         ずきもきと歩く→威張ったように歩く
・すねっぽろ  脛
 
・ぜね    銭
・せーが   西瓜
・せーそぐ  催促
・せえばん  まな板、菜板
・せろせろ  疲れきってしまうこと
 
・そっぽわり 愛想がない
・そったに  そんなに
・そーたに  そんなに
・そのけし  その代わりに
・そらっぺきる 白を切る
 

5   たの段
更新日時:
H18年7月30日(日) 
・だら     糞尿
・たがっぽ   竹の筒
・たーら    俵
・たぼご    タバコ
・だらぴしゃく 肥柄杓
・たる     垂れる
・たるいれ   結納
・たる入れ引越し 結納が済んだ時点で同棲する
・たぬっころ  狸
・たねし    タニシ
・たんこぶ
・たここ    あり地獄(虫)
・たかんば   高下駄
・たがんこーこ 沢庵
・ちく     嘘
・ちくぬぐ   嘘をつく
・ちくらっぽ  嘘
・ちちんばぢ  土蜂
・ちょーちょんべ 蝶々
・ちょーずば  手水場、便所のこと
・ちょーろぐ  まともに
・ちんちんめ  スズメ(幼児語)
・ちっち    魚(幼児語)
・ちやちや   セミ
・ちょーろぐでもない ちゃんとしていない、半人前である
・ちゃほじ   ホーロク
・ちっとんべ  少し
・ちゃまが   茶釜、ぶんぶくちゃまが…等と言う
・ちち     土
・ちけ     ほだっちけ→そのようだ
・ちっこ    乳
・つっこでる  落ちる
・つっこじる  落ちる
・つんだす   差し出す
・つったす
・つっつす   突き刺す
・つま     隅、はじ
・つっかけ   サンダル
・つんぬげる  通り抜ける
・つんぬぎいど 井戸の種類
・つんもおす  燃やす
・つらめる   捕まえる
・つよ     露、汁
・ついんぼ   杖
・つべこべ   いろいろ言う
・でーじんどん 資産家、金持ち
・でーじぐさま 大神宮様(天照大神のこと?)
・でれすけ   愚か者
・でれ
・でれやろ、でれあま
・てねげ    手拭い
・てえげ    大概、いつも
・でろ     泥
・でろでろ
・でろっこ   泥んこ
・でっこましっこま でこぼこ
・てごにおえね 手に負えない
・でえご    大根
・でご
・てご     手伝い、手子?
・でんきんばしら 電柱のこと
・てんまり   手毬
・てんつけ   いきなり、最初から
・てんで    めいめいに、夫々に
・てわすら   手遊び
・てっぴら   手のひら
・てしょ    小皿
・でーぐ    大工
・でっかせる  出遭う
・てんこもり  大盛り
・とごあげ   床上げ(快気祝い)
・とだなむし  ゴキブリのこと
・とばくち   出入り口
・とぼくち
・とんもろこし とうもろこし
・とーみぎ   とうもろこし
・とーむぎ   とうもろこし
・とんぷくれん わけが判らない人
・どんのくぼ  ぼんのくぼ
・とりっけし  鳥の糞
・どーでい   どうでしょうか?
・どったげ   どれだけ
・とんきょ   突飛なこと、すっとんきょ
・とっぺもね  突拍子もない
・どぎまぎ   どきどきする、狼狽
・とっつらまる 捕まる
・とぼげ    ボケ
・とぼげやろ  うっかり者
・とっちめる  懲らしめる
・とびつかり
・とっぱずす  取り外す
 


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