ELECTRONIC / RAISE THE PRESSURE

(1996)

 ニュー・オーダーのバーナード・サムナーと元スミスのジョニー・マーはエレクトロニックというユニットを組んで、これまで3枚のアルバムを発表しています。これはその2ndアルバム。
 この2人が組むという噂を聞いたとき、私は勝手に哀愁のギターポップサウンドをイメージし、大いに期待していました。ところが待望の1stアルバムは、ペット・ショップ・ボーイズの2人の参加がサウンド面に大きく反映されたエレポップで、ちょっと肩すかしをくらった感じでした。まぁ2人としてはあまり深く考えず、軽〜いノリで作っちゃうつもりだったようなので、それもアリだとは思います。
 ところがその後、忘れた頃に地味に発表されたこの2ndは冒頭からかなりギターが鳴っている点が違います。しかも、肝心のメロディーが切なくってイイ感じ。2曲目の「FOR YOU」なんて、いかにもスミスを彷彿とさせるような切なさ加減です。とは言え、そこはかとなく緩さが感じられるのはバーニーの方の持ち味なんだと思います。
 マーにとってはいつまでもスミス的なものを期待されるのは迷惑なんでしょうが、それはスミスとして残した作品がすばらしかったことの証しです。一方バーニーもジョイ・ディヴィジョン(イアン・カーティス)の幻影を背負った宿命のバンドのメンバーなんですが、こちらはどうやら吹っ切れたようで、今さらどうでもいいみたいですね。

2003/11/05


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